お出かけ(前編)
霧城鳴也:大学一年生。両親は他界。妹と叔母がいる。大学に行くためマンション住まい。
美澪:猫耳尻尾あり巫女服姿の美少女地縛霊。詳しくが知らないが鳴也の家によくいる。
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「まず、どこに案内してくれるんだ?」
俺がそう問いかけると美澪は首を傾げて、
「え?君はどこに行きたいの?」
「は?」
美澪は何を言っているんだ?俺はここに何があるのかすら知らないんだぞ。
「なあ、俺お前に案内してくれるんだろ?」
「うん。だから君はどこに行きたいのかなって」
「何があるか知らない奴にそれを聞くな!」
「え〜そうなの?じゃあ…適当にそこら辺歩きましょ」
少し諦めた様にそう言った。
いやなんで諦めた感じなんだよ。
「はぁ、じゃあ、最初にショッピングモールの場所教えてくれ。俺は自炊派だから」
「ん〜、りょーかい」
それから数分話ながら歩いた。
「もう着いた…だと?」
いや近すぎだろ。マンションから歩いて数分だぞ?実家にいた時買い物行こうとしたら車で数十分したぞ?
「駅とか色々便利な施設が近いからあのマンション人気だったんだけどあの部屋だけ誰も来なかったんよね〜」
「たぶんお前が原因だな」
「え〜住んどきながらそんな酷いこと言う?」
頬を膨らませながら俺の頭上を八の字に飛んでいる。
「あーあーごめんごめん。ほら次他のとこ案内してくれよ」
「むぅ…。わかった」
それから色々案内してもらった。
腕時計を見る。十二時を回っている。腹も減っている。どうする?食べに行くしかないだろ。
というわけで
「なあ、美澪。ここらへんにうまい飯屋はないのか?」
問いかけると空中で色々説明をしてくれていた美澪が少し怒った感じに
「あの、それって幽霊の私への嫌味?」
「あ、そうか。幽霊だから食べれないのか…。」
「いや、今頃!?」
「ごめんごめん。自分で探すよ」
「…あの角曲がってすぐ左、人気なお店があるんだって…。確か小さめのカフェだったと思う…」
「あ、ありがとう」
俺は教えてもらった店に入った。
なかなかいい雰囲気のお店だ。全体的に木造で電球も暖色で全体的に暖かい感じだ。そしてほんのり香る珈琲の香りと実家を思い出す木の香りがする。
「…めちゃくちゃいいじゃん」
「そう思ってもらえたならよかった」
「美澪、ありがとな!」
「うん、ありがとうなんだけど、君一人でずっと話してる変人みたいだよ」
「え?あ…」
周りを見ると客や店員などが笑いを含む顔で見ていたり迷惑そうな顔で見ている人がいる。
「ちょ、お前、そういうのは早めに言えよっ!」
俺は小声で美澪に言う。
「ごめん、ごめん。さ、早く座って何か食べたら」
「ふんっ。すいません、ここいいですか?」
「あ、えと、はい」
俺は指定したカウンターに座る。
「えっと、じゃあコーヒーと、グラタンをお願いします」
「わかりました。少々お待ちください」
俺の注文を受けた店員は厨房の方に消えていった。
「これ食べ終わったらどこか行くの?」
「いや、あてはない。ぶらぶらそこら辺歩く程度じゃないか」
「そっか」
5話、お出かけ(前編)終
はい、遅くなってすいません
さやです。
第5話です
えー忘れてましたすいませんっ!!
また投稿していくので読んでください!
感想も言ってもらえればなお嬉しい所業