表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名も無き恋の物語【短編集】  作者: 凛蓮月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/10

どう足掻いてもバッドエンド※

♠…婚約者視点

◆…悪役令嬢視点


残酷な表現が出てきます。

 

 ♠♠♠♠


 自分の意思と関係無く動く身体に、心は粉々になっていく。

 君を愛したいのに、他に行ってしまう。

 君以外いらないのに。

 それでも君が他の男のものになるのが耐えられず、永遠の檻に閉じ込めた。


 幸せにしたいのに。

 泣かせたいわけではないのに。


 ああ、どうしてこうなった?


 もう、いっその事誰か─────して………───


 ◆◆◆◆


 1回目。

 私は婚約破棄を言い渡され娼館に売られた。

 それなのに、私を買ったのは元婚約者だった。

 毎日毎日私を抱いて殺した。


 2回目。

 私は婚約破棄の前に逃げ出した。

 それなのに、婚約者に捕まって不慮の事故で死んでしまった。


 3回目。

 私は婚約をしなかった。

 それなのに、婚約者だった男は私を見つけ出し愛妾として囲った。

 けれども閨を訪れる事は無く、私は衰弱して死んだ。


 4回目。

 私はあの人を殺そうとした。

 それなのに、返り討ちにあって殺された。


 何度繰り返しても幸せな結末は訪れない。

 足掻いても、足掻かなくてもあの人に関わり非業の死を遂げる。


 会いたくない。

 会いたくない。

 出会わなければ悲しい想いをせずに済むのに。


 5回目を前に、私はループを拒んだ。


『バグですかねぇ』

『困ったなぁ。バドエン4回クリアしたら進めなくなるとか致命的だよなぁ』

『何が原因ですかねぇ』

『ちょっと悪役令嬢消してみようかな』



 ♠♠♠♠


 辺りが暗闇に包まれた。

 俺はなぜか喪失感でいっぱいになった。

 確かにそこにあったのに。

 あったはずのものは最初から無くて。

 でもそれが当たり前なのに狂いそうだった。


 がむしゃらに走って無いモノを探した。

 記憶も曖昧になってくる。

 やがて────

 俺という人物は、全て書き換えられた。


 ある少女を見た瞬間、かちりとピースがはまった音がした。


 まるでプログラムされたように少女に恋をし、愛を乞う。


 それを俯瞰して見る自分がいる。


 何か大切なものを忘れているような。

 そんな気がするが思い出せない。

 意図的に消されたような、何とも言えない感覚だけが残っていた。


 それは何度も何度も繰り返される。

 本当は違うと誰かが叫んでも、俺は少女に恋をする。


 少女が他の男と結ばれ、俺は独りになっても少女から離れられない。


 その呪縛から逃れたかった。

 その少女じゃない、別の誰かを求めていた。


 けれども誰かは分からないし、そもそも存在しない。


 次第に俺は狂っていった。



『ありゃー、こっちもバグかなー。パッとしない奴だし、コイツも消すかなー』

『うわー勿体無くないですか?声優さんも決まってるんでしょ』

『悪役令嬢とその婚約者消して別のキャラ建てよう』

『なんでですかねぇ。離れたくなかったのかな』



 ♠◆


 真っ暗闇の中で光を見つけた。

 それは求めていた光。


 ああ、やっと見つけた。

 ここにいたんだね────。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ