棍棒
ファンタジー世界の武具考察、二回目は棍棒です。
ほとんどのRPGが初期装備として、木製の棍棒を用意しています。人類が最初に使った武器も、棒切れか石ころのはずです。
現代でも手軽な武器として角材などが用いられます。
材質や形状によって威力や名称も変化します。
棍棒というのはほぼ真っ直ぐな形状で、木製は軽くて安価ですが、燃えてしまったり、折れてしまうこともあります。
金属製は威力も耐久力も上がりますが、重量も増えて扱いが難しくなりますね。
六尺棒と呼ばれる棍棒は、棒術で扱われます。
打撃部分に改良を加えた合成棍棒は、鎚矛と呼ばれます。
中世の騎士の中には柄を長くして馬上でも使えるように改良した鎚矛を携える者もいました。
革鎧が主流だった頃は、棍棒の打撃が緩衝された為に主流にはなりませんでしたが、金属製の鎧が普及する中世には、効果的な武器として発展します。
棘や突起物を付けて威力を増した棍棒が開発され、星型の頭部は朝星球と呼ばれます。
更に発展型として、柄と殴打部を鎖で連結し、遠心力を増したフレイルなどもあります。
東洋でも同じような発展を見せますが、全体を金属で作る金棒や鞭という武器になります。
連節棍、三節棍などの派生武器もあり、横向きに持ち手がついた旋棍など多様化もされています。
棍棒は作りが単純で、それなりの威力がある武器ですから、我が国の法令でも所持が厳しく制限されています。
金属バットでさえ、持ち寄ると凶器準備集合罪に当たりますので、取り扱いには気をつけて下さい。
ファンタジー世界では『ルナルサーガ』に「シールドバトン」という旋棍に似た武具が登場し、「アルリアナ蹴打術」と併用して戦う軽戦士がいます。
棍棒と、その派生武器に華やかさを持たせるのは難しいですが、扱い方一つで強力な武器となりますのでいぶし銀のキャラとして活用して下さい。
材質としては、木製、金属製の他に「骨」があります。竜の骨や牙を棍棒にしたら強力な魔法武器の出来上がりですね。
ドンドン想像を膨らませて強力な武器を作りましょう。