場面転換
「直線で速いのは初級、コーナーを極めて中級。上級者は第三のポイントを極める」
これはしげの秀一先生の『頭文字D』で、車を速く走らせる為に必要な技術を端的に表現した台詞です。
第三のポイントというのは、コーナーとコーナーの間の区間です。
これは文章についても同じですね。
平易な文章で物語を書けて初級。
山場を巧く描いて中級。
上級者は第三のポイントを極める。
文章の第三のポイントとは、どこでしょうか。
それは場面転換だと思います。
私も場面転換は下手ですが、ここを意識して構成すると、物語にメリハリができて読み易くなるでしょう。
場面転換で簡単そうに見えて難しいのが、笹本祐一先生の『ARIEL』方式です。
脚本のように場面を区切り、その最初に「場所」を明示します。
例文
夕食の支度に追われる千代子。
台所で桜に洗い物の指図をして、桃には買い物に行くよう指示した。
その頃、令人はお嬢様を迎えに校門前に到着した。
お嬢様は御学友と談笑しながら下校して来る。
こういう文章の流れを『ARIEL』式に書き直すと
●シーン1 屋敷の台所
夕食の支度に追われる千代子。
桜に洗い物の指図をして、桃には買い物に行くよう指示した。
●シーン2 校門前
令人はお嬢様を迎えに来ていた。
お嬢様は御学友と談笑しながら下校して来る。
簡単な文章にしてしまいましたので差異が分からないかもしれませんが、『ARIEL』式は場面転換が明確で完全に分けることができます。
但し、こうした場面転換が激しくなると、読みづらい面もあります。
他にも接続詞を使わない文章構成という練習方法もありますが、機会があればいづれ。