防具
武器を装備したら、防具も装備したいですね。
盾は別項で扱いますので、今回は鎧の考察です。
甲冑とも表記しますが、甲が鎧で、冑が兜になります。
人類の皮膚は丈夫に出来ている方なのですが、獣類に比べると打撃や斬撃に弱いです。
その人類が最初に防具としたのは獣の毛皮でしょう。食糧として捕らえた獣の皮を剥ぎ、それを纏えば、獣と同じ防御力になります。
次に防具としたのは布でした。こちらは大量生産も可能ですから、普及も早かったと思います。
皮は煮詰めることで固くなり、革になります。
護る部分は胴体、頭、腕、足です。
鎧の構造は、鱗型の金属片を繋ぎ合わせた「鱗状鎧」、それより大きな金属片を繋ぎ合わせた「綴鎧」、細い鎖で編み上げた「鎖帷子」、分厚い金属の板で作る「板金鎧」などがあります。
スケールアーマーやラメラーアーマーは丈夫ですが、重いという欠点や、繋いでいる素材が切れて解けてしまうなどの構造上の問題がありました。
チェインメイルは斬撃には強いのですが、打撃に弱く、刺突武器は防げない場合があるなど、構造上の問題がありましたが、軽くて壊れ難いという利点と、すぐに着用できる利便性がありました。
このチェインメイルに金属板を当てた、バンデットメイルという、プレートアーマーへの過渡的な鎧も存在します。
プレートアーマーは全身を金属板で覆う鎧で、これ以上の防御力はありませんが、重さも20kgはあったそうです。構造上、一人で着用できない問題もありましたが、それを上回る防御力によって普及します。
但し、銃器が普及するとその防御力も発揮されず、戦場では機動性が重視され、金属鎧は徐々に姿を消して、布製の防具が主流となります。
その時代の流れでも変わらず装備されているのが、兜です。
頭部のみを守る型から、後頭部と首までを覆う「サーリット」、ブリキのバケツとも呼ばれる「フルフェイスメット」など、類型は少ないです。
その分、個人の識別を兼ねた装飾の種類が豊富な防具でもあります。
近代では戦場で目立たないよう装飾は施されなくなり、素材も鉄以外の強化プラスチックや強化ガラス繊維なども用いられるようになっています。
鎧も兜も基本的には個人に合わせた受注生産ですが、微調整可能な構造の鎧であれば大量生産して価格を下げることもできます。
我が国の大鎧はラメラーアーマーに分類されます。当世具足はプレートメイル、プレートアーマーになります。
兜は複数の鉄の板を綴じ合わせたもので、ラメラーアーマーの延長線上にあると考えて良いでしょう。古い時代の兜は被るだけで緩衝材のない型があり、強い衝撃で兜が脱げてしまうものもありました。
鎧や兜の他には外套が防具に含まれます。
暑さや寒さ対策にも使い、丈夫な素材を用いれば矢弾を防ぐことができます。
我が国ではマントは形を変えて「保呂」と呼ばれる防具になりました。母衣とも表記されますが、端的に言って、防御効果はありません。個人識別用の指物の一種になっております。




