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銃器

 今回は銃器です。

 ファンタジー世界に銃器を登場させるのは賛否両論ありますが、世界観に合わせれば良いだけですので、考察しておくのはムダにはなりません。

 文明レベルを中世に想定した世界観であれば、銃器の扱いは慎重姿勢が求められるでしょう。

 剣と魔法の世界では、力の均衡を大きく崩し兼ねません。

 一方、文明レベルを現代から近未来や宇宙戦争ぐらいに想定した世界観なら、銃器が登場しないと違和感があるでしょう。

 近未来であれば、光線銃などの特殊武器も登場しておかしくありません。

 また、それらに対する防御対策があると、力の均衡を保って、程良い緊張感が演出できると思います。

 明治時代を舞台にした剣豪漫画で、弾丸を斬る描写がありましたが、日本刀は実際に徹甲弾も斬ることができるそうです。但し、数発で刃毀れしてしまいますので機関銃には勝てません。

 また、特殊合金で日本刀を鍛えると、乗用車のドアも斬れます。銃器のある近現代を舞台にしたファンタジー世界では、このような武器を登場させても面白いでしょう。

 自衛隊の訓練には銃弾の飛び交う場所で、銃弾を躱す訓練があるとか。人間は極度の集中状態では色彩の認識を捨てて、物体の運動のみを認識して、迫る銃弾を避けることができるそうです。

 さて、それでは銃器の考察に移りましょう。

 中世ぐらいの文明レベルであれば、銃身の製造が粗雑で弾丸が真っ直ぐに飛ばない不具合や、火薬の品質の問題で不発弾があるなど、威力は大きいが信頼性が低いという状況が多様な物語を生むと思います。

 火縄銃と呼ばれる銃は、火薬と弾丸を筒先から銃身の奥まで押し込み、手元の火種で火薬に点火することで弾丸を発射する構造です。

 一発発射すると、銃身を掃除して、火薬と弾丸の装填しなければならず、速射性能に劣りますが、それを考えても魅力的な威力がありました。

 やがて弾丸に改良が加わって、「早盒(はやごう)」と呼ばれる玉薬が開発されます。これは弾丸に火薬を合わせたもので、装填の手間を一つ省くことができました。

 銃器を開発した西洋では早くに火縄銃を見捨てて、火打ち石で着火する方式に転換しますが、機構が複雑で高価だった為に普及しませんでした。

 やがて着火用の火薬が発明され、雷管式と呼ばれる銃が開発されます。その発展型として「ペッパーボックスピストル」という回転式の銃が19世紀に開発され、爆発的に普及しました。

 これは複数の銃身を備えて、それぞれに弾薬を込め、発射時には銃身が回転して連発が可能という画期的な銃でした。

 なお我が国の江戸時代にも複数銃身の火縄銃が開発され、最大で二十斉射できたようです。


 銃器の発展でもう一つの転換は、ミニエー弾の開発でした。吹き矢から着想を得たこの弾薬が後の銃器に大きな影響を与えます。

 銃器も前装式から後装式に構造が変化しました。

 19世紀半ばにミニエー弾の改良により実包が開発され、現代に至ります。

 現代の銃器はこうした歴史の上に立脚する兵器ですので、今後も様々な改良や技術革新で発展してゆくでしょう。

 それと同じように、ファンタジー世界でも銃器が活躍しても構いません。それこそ某学園物のように魔法発動の道具として銃器を使っても良いのです。

 もっと想像の翼を広げましょう。

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