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両想い 先に叶った はずなのに 気づけば妹 超リア充

バレンタイン当日。

紫乃は馨に言われるがまま、

隼人、紬の告白を見届けることができた。


一方で、姫野と直樹はカップルになり…?


「いい……? 開くわよ、あんちゃん」


「う、うん……」


「せーーーーーーーーーーーーーの!!!」


勢いよく叫びながら、メニューにあるサイトの名前をクリックする。

最優秀賞、優秀賞などのたくさんの賞名が並ぶ下に、人の名前がぽつぽつ載っている。

ある一人の名前のために、しばらく目をこしらえてみているとー


「あ、あったよ柴乃、杏珠! デザイン賞、渉杏珠って!」


むぎちゃんの声に、私もその名前を発見する。

それがなんだか自分のように嬉しくて、隣にいたあんちゃんを思わず抱きしめ……


「おめでとう!!!! あんちゃん!!」


と祝福した。

バレンタインも明け、卒業式が近づいているこの頃。

あんちゃんが応募したというコンテストの、結果が発表されることとなった。

彼女の他にも色々な人が参加していて、賞を取るだけで難しいと言われているらしい。

それでもあんちゃんは難関をくぐり、デザイン賞として名前が載ったのだ!


「杏珠ってほんとすごい! おめでとう」


「あ、ありがとう紬ちゃん……柴乃も」


「今日はおめでとうパーティー開催決定ね! 早速、瀬名さんにも言わなきゃ!」


「瀬名さんには私から言うから……本当にありがとう」


あれだけ自信がなかったあんちゃんでも、さすがに結果として出たからかすっきりしたように見える。

こうしていい結果が出るのは、私にとってもうれしいことだ。

家に帰ったらさっそくパーティーの準備、ね!


「おはよ~~あれ、渉さんがいる」


「何やってんだ、女子三人で」


「えっへへ~聞いて驚きなさいよ! あんちゃんがデザイン賞に選ばれたの!」


「へぇ~渉さんすごいじゃん。おめでと~~」


「よかったな、渉。あの人も、きっと喜ぶぞ」


ふっふっふ~そうでしょう、そうでしょう!

私の友達はこんなにもすごいんだから! もっともっと自慢したいくらいにね!!


「こんなめでたいに気に釘を刺すのはあれなんだが……柴乃、あれどうにかしてくれね?」


あれ?

馨君に言われ、彼が言う方向にあるものを見ようと顔をのぞかせる。

そこには我が妹・姫野と、寺濱君の姿があって……


「それでぇ、猫ちゃんがにゃーって鳴くから姫野も鳴きまねしてみたの~❤︎ そしたらすりすりしてくれたんだあ」


「ええ~~! その猫ちゃんうらやましいです~姫野さんの猫の鳴きまねも、聞きたかったなあ」


「うふふ❤︎ 直樹君になら、いつでも聞かせてあげるよ❤︎」


「もぉ~姫野さんってばぁまたまたぁ」


二人の間に、ハートがいっぱい出てきそうなそんな会話をしながら歩いてくる。

腕を寄り添い合って、二人とも満面の笑顔で……


「……あんた達、気持ち悪いんだけど」


押し寄せてくる吐き気を振り払いながら、思わずそう言ってしまう。

ごみを見るような目で見たせいか、寺濱君は慌てて謝りだした。


「み、みなさん!? 見てたんですか!? す、すみませんつい……」


「あっ、お姉ちゃんおはよ~~❤︎」


「二人して何やってんのよ……朝っぱらから……」


「何ってぇ……二人で登校してきただけだもんっ❤︎」


そう言いながらも、姫野はまたしても寺濱君の腕にしがみつく。

この二人については、さかのぼることバレンタイン当日。

むぎちゃんと隼人君のことしか気にしなかった私は、姫野が告白に成功し付き合ったということを家で知らされた。

気が付くと二人は、所かまわず引っ付いたりいちゃついたり……俗にいう、バカップル状態。

どこをどうしたらそこにたどり着くのか、私には理解不能なんだけど。

家に帰っても、学校に行ってもこれを見せられる私の身にもなってほしいものだわ……


「これでもかってほど見せつけてくるね~どこかの誰かさんの方が、カップルになるの早かったのに」


「聞こえてるわよ、隼人君。姫野、せめて校内くらいは普通に出来ないわけ?」


「え~だってもうすぐで、姫野たちばらばらになっちゃうんだよ? せっかく彼女になったんだから、一緒にいれる時にいるのっ!」


姫野の言葉に、思わず私は「あ……」と声が漏れる。

言われてはじめて、思い知らされた。

今日は二月の末。すでに自宅学習期間に入っている私達がここにいるのは、卒業式の練習のため。

その卒業式は、三月十四日のホワイトデーに行われる。

つまり、こうして彼といれる時間はもうー……


「……先に付き合ったのはこっちなのに、目の前でリア充アピールされたら黙っているわけにもいかねぇな」


そんなことを考えていた矢先、だった。

馨君はやれやれと肩をすくめながら、私を見つめて少し微笑んでー


「せっかくだから行くか、柴乃。実質、最後のデートに」


その笑みが若干、寂しそうに見えた気がしたけれどきっとそれは私の勘違いだと思いながら、あいまいにうなずいて見せた。


(つづく・・・)

今回のタイトルは双子をうたった、

短歌風にしています。

字余り半端ないですね、すみません。


そんな双子姫ですが

気がつけば最終回まであと数話、

というところまで来ています。

終わりが見えなかったはずなのに

意外と早いものですね。


最後はやっぱり紫乃と馨。

2人の恋愛の行方を、

最後まで暖かく見守ってあげてくださいね。


次回は17日更新。

これが最後のデートになってしまうのか…?

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