ここにきて突然の同級生あるある
大好きな人でもある馨や、友達みんなで
高校最後の文化祭を迎えることができた柴乃。
舞台はついに冬へ、物語が大きく加速するー!
十二月。
それはまだ暖かかった気温が、急激に冬の温度へと変貌する時期。
体育祭も、文化祭も終わったこの頃。私たち三年生の、唯一の楽しみはー
「さて、皆さんお待たせしました。席替えの時間です」
そう、席替えだ!!!
ちょっとそこ! 今、え何言ってるのこいつって思ったわね!?
たかが席替え、されど席替えっていうじゃない!
そもそもうちの学校はあまり席替えをしようとせず、名簿順のまま一年が終わることが多い。
あまりにも楽しみがない、ととある生徒が訴えた結果、先生が文化祭が終わったらやってみようかと承諾してくれたのだ!
つまり私にとって、中学以来の席替え!
同時に、意味することが一つだけある。
それは授業中、まったくもってかかわりを持てない馨君と隣の席になれるチャンスが巡ってくる!!
せっかく同じクラスになったというのに、こんなに遠いんじゃ話もできない。
渕脇っていう名字を、どれだけ恨んだかって話になってもいいくらいだわ。
そして冬休みに入ればやってくる、クリスマスイブ。その日は私と馨君が付き合って、一年たつ記念日。
一年記念日をめでたく祝うためにも! 私のありったけの運でひきよせてみせる!!
「では引いた番号の席に、それぞれ移動してくださいね」
自分が持っている紙の番号を見て、それがいい席なのか悪い席なのかどうでもいい。
問題は、周りに誰がいるかだ。
もちろんそれは、女子全員同じ考えで……
「か、海藤君! 席、何番だった?」
「右列のいっちばん後ろ~授業中寝れるじゃん、ラッキー」
「隼人君……その理由はちょっと……あ、僕は今の席からさほど変わらないや。馨は?」
「十八……ってどこだ?」
馨君が黒板に記載された番号を見に、黒板の方に歩み寄る。
私も私で彼の番号を盗み聞きし、自分の番号と照らし合わせ……
「柴乃~私、隼人君の隣みたいなんだけど……柴乃は?」
「……勝った……勝ったのよ、むぎちゃん! 私は! この四十九分の一の確率で、勝利をつかみ取ったの!」
「しょ、勝利?」
「念願の隣の席! ってことよ❤︎」
嬉しくて嬉しくて、私はその番号をクラスの女子に見せつけまくったのだった。
その日一日は、もう授業なんてどうでもよかった。
隣に馨君がいる、それだけで私は幸せだ。
なんていったって勉強している彼のかっこいい横顔が、一日中拝めるのよ! こんなの夢にも思わないじゃない!
しかも私一人だけが堪能しているというこの素晴らしい絶景……ああ、夢みたい。
「ちゃんと授業に集中してくださ~い、柴乃ちゃん」
気が付くと休み時間になっていたのか丸めた教科書で、ぽんと頭をたたかれる。
右端の一番後ろという寝るにはちょうどいい場所を手に入れたであろう隼人君だったが、あまりうれしそうには見えなかった。
「君ねぇ、馨君見すぎでしょ。先生にばれるよ?」
「う、うるさいわね! 隼人君だって! さっき寝てて怒られたじゃない!」
「しょうがないでしょ、あそこ日がすごいあたって気持ちいいんだし。まあでも……ちょっとそれも難しいかな」
彼が見やる方向には、他の女子と談笑しているむぎちゃんだ。
まさか私だけじゃなく、隼人君まで好きな人と隣になるなんて。
まあ彼自身は、すごいやりずらいでしょうけど。
「馨君も大変だね~ストーカーもどきが隣になっちゃって」
「ちょ! ストーカーもどきって何よ!」
「ああ、柴乃のストーカーにはもう慣れたから平気だ」
「か、馨君まで!!! そ、そんなことより馨君! 今年のクリスマス、予定ある!?」
突拍子もなく私が聞いたからか、彼は教科書を直していた手を止めて私を見る。
怪訝そうに顔をしかめたかと思えば、少し考えたあと
「いや、ないな」
とつぶやいた。
「じゃっ、じゃあ私とどっか行かない?! 二人で!」
「……いいけど、どこに?」
「そ……それはあとあと考えるから! ね?」
「ん~……分かった、検討しとく」
やった~~~~~~~!
渕脇柴乃、高校生活三年目のクリスマス。
今年の冬は、温かくなりそうです!!
(つづく!!!)
前にどこかで言ったような気がしますが
私自身、同級生の恋愛を描くのは
この作品が初めてなんです。
にもかかわらず同級生ならではのことを
させてあげられなかったので
ちょっと強引な感じで割り込んでみました。
席替えっていいですよね。
私は一番前になった時が一番嫌でした。
窓際の席で隠れて寝ていたい・・・
来週は都合により、一回の更新。
11日にする予定です。
ちょっと早めのクリスマスをお届け!




