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決戦は体育祭で

突如姿を現し、

馨を我がものにしようとする蘭花。

そのことを知り、馨を救いたいと決意した紫乃は

彼女と勝負をすることに・・・


太鼓の音と、笛の音が校庭中に響き渡る。

白と赤と青に染められた鉢巻きが風で揺られながら、応援団は声の限り叫んで演技を披露する。

そんな彼らの演技はまさに、拍手喝さいものだった。


「かっこいい……体育祭ってこんなに熱いものなんだね、柴乃!」


見るのも体感するのも初めてなのか、妙に楽しそうなむぎちゃんがにっこりと笑いかける。

暑苦しくて仕方ない応援に飽き飽きしながら、私はそりゃよかったわねと嫌み交じりに返事をしてみせた。


今日は、待ちに待った体育祭。

高校生徒としては、最後の体育祭となる。

まあ進学すれば大学でもあるんだろうけど、あんちゃんや馨君達と過ごす体育祭はきっとこれが最後。

でもまさか、最後の最後でこんなことになるなんて……


「しっかし大変だねぇ、柴乃ちゃん。王子様のために、お姫様が戦わないといけないなんて」


赤色の鉢巻きを額に巻きながら、嫌み交じりに言うのは隼人君だ。

彼の隣には馨君もいて、寺濱君の鉢巻きを巻いてあげている。


「よく言うわよ、去年馨君に勝負吹っかけてたくせに」


「ああ、あれね~。今年は組一緒だけど、ついでにやっちゃう?」


「同じ組同士で争ってどうすんだよ」


「でもよかったんですか? 柴乃さん。成り行きとはいえ、馨をかけて戦うなんて」


いつもは退屈だとか、よくもこんな熱くなれるなとかいい加減な気持ちで臨んでいた体育祭。

でも今年は、まったく違う。

なんといっても私の彼氏である、馨君をかけて生天目さんと戦うのだ。

いつもは見ていただけだったのに、高校3年になってこんなことが待ち受けてるなんて……


「……柴乃、辞退するなら今だぞ」


「何よ、馨君までやめろっていいたいわけ?」


「一緒に戦ってくれ、とは言ったが自分から身を投じろなんて言ってない。俺をかけにするあたり、あいつは何かするつもりだ。もしもお前に何かあったら……俺は……」


彼女が来てからというもの、馨君は不安そうな顔をよく浮かべる。

強気で、どんと構えているいつもの姿からじゃ想像つかないくらい。

こんな顔されると、どうしていいか分からなくなっちゃうじゃない……


「なぁに弱気になってるんだか。柴乃ちゃんも彼女に負けないくらい性格悪いのに」


一番に気まずさを破ったのは、隼人君だった。

嫌みったらしい言葉ではありつつも、表情はどこか明るくふっと馨君に微笑んでいる。


「馨、柴乃さんはそこまでして馨と一緒にいたいんだよ。だから信じてあげて? きっと、大丈夫だから」


馨君の背中を押すように、寺濱君が優しく笑みを浮かべる。

ああ。この二人は、信じてくれているんだ。

私が彼をすくうことが出来るって。


「私も信じてる。柴乃、頑張って!」


エールを送るむぎちゃん、そして寺濱君と隼人君が笑みで見送ってくれる。

まだ不安そうな顔を浮かべている馨君にむけ、三人に負けない笑顔で


「ええ、いってくるわ!」


私はその場を後にして見せた。


(つづく!!!)

ここから結構シリアスが続きます。

どんだけ体育祭を決戦の場にしたいんだ

って感じですね。

二年生の時は隼人君と馨君だったのですが

今回は主人公がかなり頑張ります。

必見ですよ。


次回は17日更新。

来週からは週2更新にしようと思います!

果たして二人の対決の行方はいかに!

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