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古代神具の理想郷  作者: 響勇
異能との出会い編
5/6

始まる非日常1

時間が空いて申し訳ごさいません!

 澄みわたる美しい、しかしどこか冷たくて儚い声が響きわたった。「もう一度問います。何故あなたが襲われているのですか?」

「ア、アイラさん?なんで君がここに?!」

「私のことはアイラと呼べと言ったはずです。そして先に私のといに答えてください。」

「今日は実に素晴らしい日だ。まさか一日に二つも古代神具が手に入るとは。

ゆけ!デーモン達よ!古代神具を奪い取るのだ!」

 俺とアイラさん(アイラ?)と話しているうちにオックスフォードが攻撃してきた。

 「うわ!」

 俺はその攻撃をギリギリで避け、アイラに呼びかける。

「何故アイラがここにいるのかは知らないけど、今はとにかく逃げるぞ!」

「古代神具が二つ?

なるほど、理解しました。良明は私の後ろに隠れてなさい。」

 俺は既に呼び捨てなのか、と思う暇もなくアイラが取り出したのは昼間に見たリボルバー式の拳銃だった。

「そんなおもちゃの拳銃で何をするつもり何だよ?!

とにかく逃げるぞ!」

「ですからおもちゃではないと言ってますのに......」

 そう言いながらアイラは赤い銃弾を銃に装填し、目にも止まらぬ速度で早撃ちする。

 「本物かよ!」

 俺は大声で叫びそうになるが、次の瞬間におきたことによってうち消された。

 ボッ!

 なんと、周囲のデーモンが炎によって焼き払われていったのだ。

「ななな、何がおきて!」

「さすがは古代神具、デーモン如き相手になりませんか。

ならばこの数ではどうでしょ」

 オックスフォードの不気味に笑いながら指をならすと、回りにデーモンが現れた。その数は先程とは比べものにならず、二十は軽く超えているように見える。

「一体何がどうなってんだよ!」

「危ないです、もっと私の後ろへ」

 動揺する俺にたいして、アイラはいたって平然として指示を出す。

 そしてアイラは裏路地に積んであった鉄鋼に赤色の銃弾を撃った。

 だがさっきのように鉄鋼が燃える様子は無く、だがかなりの高温のようで、鉄鋼全体が熱せられ赤白くなっている。

「どうしました?

自暴自棄にでもなったのですか?」

 するとアイラはため息をついた。

「水と言う液体は、気体、つまり水蒸気になる時に体積が膨れあがります。」

 言いながらアイラは青色の銃弾を取り出し、拳銃に装填する。

「その時、水の体積は1700倍となります。そして大量の水を一気に熱した時におこる水蒸気の肥大化が......」

 そしてアイラは銃を撃った。

「水蒸気爆発です」

 轟音、そして目が焼き付くような光、そして何よりも全てを焼き尽くすような熱と爆風が、同時に一気に周囲に広がった。 

 (あっ、これ死んだかも)

 俺は心の中でそう呟く。

 アイラが起こした現象は要約するとこうだ。

 さっき使った、理屈は分からないが熱を操る銃弾を、鉄鋼に撃ち込み高温度まで熱し、おそらく、あの青色の銃弾で水を生み出し、鉄鋼にかけることで水蒸気爆発をおこしたのだ。

 (てか、水蒸気爆発を起こす程の高温って、馬鹿げてる......)

 通常、水蒸気爆発がおこるよう温度となると、最低でも800度以上、そんな温度を一瞬で生み出せるなんて、まるで魔法だ。

 「って、なんで俺生きてんだ」

そろそろ体が高温に耐えられず焼き尽くされてもいい頃だが、一向に死ぬ気配がない。

「安心してください、私の後ろから出なければ安全です」

 アイラの声に、俺は胸を撫で下ろすと共に、(なんでもありかよ)と、少しだけ心の中で思った。

 そしてしばらくして、爆発の余波はあらかた収まり、辺りを見渡すと、爆心地と思われる場所は円形に大きなクレーターが出来ており、あたりに居たはずのデーモン達はことごとく地面に倒れふし、見るにたえない状態になっていた。

「まさか私のデーモンがこうもあっさり殲滅されるとは......」

 そんな中、爆心地のすぐ側に居たはずのオックスフォードは平然としてこちらに話しかけてくる。たが、流石に顔は憎々しげに歪んでおり、相当お怒りのようだ。

「次は貴方の番です」

 アイラはそれを予期していたのかオックスフォードに向かって銃を撃った。

 アイラの拳銃からは高圧の水が放たれる。

「なめるな!」

 オックスフォードがそう叫んだとたん、目の前に巨大な3mはある黒い岩のようなものが現れ水砲を弾き飛ばす。

「まさか、私の古代神具の力があの程度とも思ってたのですか?」

 オックスフォードそう言うと不敵に笑った。

「何だ、あれ......動いてるぞ!」

「まさかあれは......」

 アイラの顔がだんだんと蒼白になっていく。そんなにまずい物なのだろうか......

「そう。北欧神話に登場し、主神オーディンの右腕を噛み砕いたと言われる伝説の狼!

フェンリルです!」

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