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狙われた王女 4

更新が遅くなりすみません、それと今回投稿したお話しは前回より短めになっています。

記憶がこんがらがってきました。






(あんの馬鹿ガキ共がっ・・・()()()解決できるっつうから聞かなかった事にしたのにっ・・・・・こんな事ならもっと早くに問い詰めとくんだったっ!!)




アルコルの気持ちを尊重するとしても、マノレードに知られたのであればこのまま放ってはおけない。

アルコルが自分の所に薬を取りに来た日を思い出し舌打ちした。

もう一か月近く前の事だったからだ。



「一か月もあの薬を服用したまま・・・いや、もっと前から何かあったかもしれない・・・・・・」



アルコルは何事もそつなくこなす天才肌故に、演技も完璧にこなしてしまう。

幼い頃に剣術の稽古の際、史は力加減を誤りアルコルの腕を折ってしまった。

だが、アルコルはそれを完璧な演技で誰にも悟られずに完治させた。

史がアルコルにケガを負わせてしまっていた事を知ったのは完治したずっと後だった。

そして、アルコルの現状を知っているであろう唯一の者は質が悪かった。

別に性格が(ねじ)けている訳では無く、賢く思い遣りのある良い子だ。

二人の相性は抜群に良い、色々な意味でだ。

アルコルの腕を完治させたのは(ほか)でもないラグリア(唯一の者)だった。

覚えたての治癒術でアルコルの腕を完璧に直し、且つ自身の治癒の技量を高度な物にしてみせた。

それからは悪循環だった。


好奇心旺盛なアルコルは城中を駆け回る勢いで色んなケガをした。

人が入る場所じゃないだろう隙間に挟まったり、侵入者用の罠にひっかかったり

体術の稽古で史に投げ飛ばされ首の骨を折ったり。

それらのケガを全てラグリアが完治させた。

大人達は困り果てた。

全部終わった後に発覚するので怒る事も(まま)ならないからだ。

けれども、それではアルコルの命が危ない。

毒物にまで手を出し始めてさすがにそれは危険すぎると止めに入ったが、論破されてしまい結局大人達の前でアルコルは毒を飲んだ・・・。

毒を飲む事で耐性を得たアルコルは止まる所を知らなかった。

薬草学にのめり込み、新薬の開発や植物の品種改良に明け暮れる日々を送る。

そうして完成したのが史が常用している睡眠薬だった。




(アルコルの無茶は大半が俺達家族の為で残りは異常なまでの好奇心の強さが原因だからな・・・呪いの可能性の方が高いか?ラグリアはアルコルに劣らずの博識だが・・・)






独創魔術(オリジナル)なのか?それとも・・・・・・っ」



突然頭の中を支配される感覚に襲われ両手で髪を掻き乱し唸る。

膝から崩れ落ち己の体を掻き抱くと寒気を感じ震えが止まらない。



「・・・・・・の望む・・・・に・・・・はいらないっ必要無いっだけ・・・・・どっ」



私はっ、俺はっ、と小さな声で呻き(うずく)まると少しの間そのまま動かなくなる。

しばらくして何事も無かったかの様に立ち上がった史はゆっくりと歩き始める。

その表情には先の事等忘れたのか、晴れやかな雰囲気があった。


心の内を知る者は一人としていない。



「そういえば・・・・・人形を落とした事に気付いている素振りがあったのに拾わなかったのって・・・・・やっぱりわざとですよねぇ」



史はマノレードの様子を思い出し苦笑する。

おそらく悪癖の直らない私に対する御仕置きだったのだろうと

それにしてもひどいと思った史だった。

真実はもっと酷いのだが、彼がそれを知る日はこないだろう。





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