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『課題作文』

 『最近思ったこと』


 二年二組 十七番  東雲 宗


 作文なんて古くさいと思った。


 これだけを書いて終わろうとした。

 

 だが、さすがの独身教師(三十路手前)もお怒りになってしまうので文字数だけは書こうと思う。


 何故作文が古くさいのかを書こうとすれば、こんなショボい原稿用紙じゃ文字数たりなくなるし、ともすればお偉いさんから叩かれるから止めた。下手に傷付きたくない。

 

 さて、最近チーレムが多い気がする。

 

 いや、気がするじゃない。間違いなく多い。


 チーレムとは、サブカルチャーにおけるチート!&ハーレム!の略だ。感嘆符に他意はない。


 いや、いきなりどうした?となるだろう。

 でも事実、最近思ってしまったんだ。仕方がない。


 さて、チーレムにも色々な種類があるから話を進めやすいように定義付けしよう。

 

 ここでは、

1,異世界に行き、

2,無双できる能力を何らかの手段で持ち、

3,キャワユイおなごを無数に侍らす


 といった『な○う』『カク○ム』等でよく見かける異世界ハーレムものをチーレムとして定義する。


 無料漫画アプリを開いても、最初に目につくのが『転生』、『異世界』、『俺最強』。


 異世界系のまとめサイトも見たが、否定的な意見が目立った。

 

 大きく3つの点で批判していた気がする。

 

 一つ目、主人公に魅力がない

 

 二つ目、ヒロインがチョロい


 三つ目、展開が読める


 これら三つ全てに共通することは、内容が稀薄だということだ。


 行動理念がちぐはぐになる主人公。


 優しさだけで惚れるヒロイン達。

 

 同じことが繰り返す日常。


 面白ければそれで良いのだけれども、まあ、似通ったものが出回っているの事実であり、つまらないと感じることもある。


 実際、優しさだけで女の子が惚れるのなら、バファリンってマジでチートだろ、とか思ったことがあった。

 半分優しさで出来ている何て人間より道徳的に正しい。


『異世界に偶然バファリン持ち込んだけど、優しさで何かハーレム作っちゃいました!?』


 これ、主人公じゃなくて、バファリンがモテてるだけだな。


 しかし寄ってたかってチーレムを叩く人々は、只の同族嫌悪でしかない。


 すぐに考えが変わったり、変わらない日々が続くのは今僕達が生きている世界では当たり前のこと。


 自分を、見てる気がするのだろう。


 変われない自分を。

 逆に意見はすぐに変えてしまう、他人指向の自分を。

 これから進む、テンプレートな未来を。


 勘違いのないように記述しておくが、僕は別にチーレム自体が嫌いな訳ではない。


 一般文芸とまた違った良い部分があるのは理解している。


 それこそイラストや、淡々とした文章で、夢を見させてくれて、現実逃避出来るといった点はチーレム、大きく言うと、ラノベの最大の魅力だ。


 ただ、薄っぺらなモノは許せない。

 だから、同じように中身のないこの文章や僕自身が一番嫌いだ。


 話は少し変わるが、批判的な文章を見ていつも思うのが、

「お前の見解は、社会の総意ではない」ということだ。


 後、「心が狭い」も。

 

 ただただ人を嫌な気分にさせる悪意に満ちた言葉だけが、滔々と画面に並んでいて、本当に汚かった。


 しかしよく考えてみると、今書いているこの文章も、アンチをアンチしているという点では同じかもしれない。


 なので、この辺で締めるとしよう。

 原稿用紙も終わりかけだ。


 最後に一つ。


 幸せは、比較対象が無ければ成立しない。

 したがって他人を不幸にする事は自分が幸せになるための一番の近道である。


 誹謗中傷が気持ち良いのはその為だ。 


 幸せは誰かの不幸で出来ている。


 いや、まぁ、知らんけど。


 

 

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