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本日2話目〜
〈まず始めに体の動きに支障はないか?〉
「問題ないですね。」
体感型VRMMOだから、五感全てが現実と同じようになっている。
唯一違うのは、スタミナくらいかな?
俺はスタミナがないんだよ、現実では。
でもゲーム内ではあるんだよ、スタミナ。
〈じゃあこれは省略だな。魔法はどうだ?〉
「それは教えて欲しいです、幼女。」
〈あいよ!魔法は、魔力を元に色々な属性を扱うことができるものだ。簡単に言うとだけどな!
魔法は使い続けることで、成長する。
そのうちいい事があるから、魔法が使えるならできるだけ使うことをオススメするぜ?〉
一気に言ったな。
つまり、使い続けろ……と。
よし、できるだけMPは温存しない形で。
〈これで、魔法の授業は終わりな。
次は戦闘の授業だな。まあ、戦闘訓練なんてしないから簡単だろ。〉
逆に戦闘訓練するのか、この世界は。
怖いわ。
〈まあ、街の外には多種多様なモンスターが居る。これは、分かるだろ?〉
頷く。
〈んで、それを倒し続けると強くなるんだわ。〉
「幼女、ざっくりしすぎです。」
〈まあ、最後まで聞け。とりあえず倒すと言われてもよく分かんないだろ?
この世界のモンスター達は倒すと、殆ど光の粒子となって無くなっていく。そしてどこかでまた出てくる。これを繰り返すんだよ。〉
「殆ど?」
〈ああ、殆どだ。光の粒子は、集まって何かしらの素材になったりもする。これを、ドロップアイテムと呼ぶ奴もいる。〉
俺の持ってる犬の毛皮と同じ感じか。
「幼女、質問です。ドロップアイテムはどうやったら取れやすくなりますか?」
〈フッ、よくぞ聞いた!方法は2つだ。
1つ、大量に狩る。2つ、【解体】のスキルを手に入れる。〉
2つ目はそういうスキルがあるんだーってくらいで覚えとくか。
だが、1つ目お前はダメだ。
おかしいだろ?取れやすくなってないだろ。
数の分だけ疲労するわ。
「と、とりあえずありがとうございます。」
〈ん?なんか反応が悪いが、まあいいか。まあ、聞くより見た方が早いよな。百聞は一見にしかずとか言うしな。〉
そう言って幼女は、どこかから取り出したアイテムらしき笛を吹いた。
「幼女、それなんですか?」
〈ん?モンスター呼び寄せる笛。〉
なんてこった……。
「なんてもん使ってるんですか!?」
〈いや、呼んだの1匹だけだから大丈夫だ。それにあたしが戦うからな。〉
「安心できる……のか?」
しばらくすると大きな足音が聞こえてきた。
あと、軽く地震みたいなものも起きてた。
やっぱり安心出来ねえ。
「本当に大丈夫なんですか?」
〈大丈夫じゃなきゃ呼ばねえだろ。〉
現れたのは、ドラゴンでした。
おかしいだろ!?
〈じゃあ見とけよ?さっき説明した通りになるからな?〉
そう言って幼女は、歩いていく。
その見た目で何を言うのか……。
近づく幼女に、容赦なく振り下ろされるドラゴンの前足。
〈セイッ!〉
それを避けると、振り下ろされたばかりの前足に蹴りを加える。
するとドラゴンは吹っ飛び、光の粒子となって消えてった。
「はあぁぁぁぁぁ!?」
光の粒子は再度集まり、1つのアイテムとなった。
というか、化け物………。
教室の壁、ぶっ壊してますよ?