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VRMMOで『封印術士』始めてみました!  作者: 自信だけはある白豚
六日目
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51

まだ一週間経ってないのに50話越えてんのか……。

進み遅ッ!?

ギルドから東に伸びる大通り。

そこから『カジンの鍛冶屋』に繋がっている小道へ行くことができる。


『カジンの鍛冶屋』の経営者のカジンは、プレイヤー経営のお店でベータテストでは一流の鍛冶師として名を馳せていた……らしい。

そんな『カジンの鍛冶屋』を利用するためには、ひとつ条件がある。

それは『カジン』または『カジンに信用され、許可を得た者』に、『カジンの鍛冶屋』を紹介されること。

これがないと、店を利用できない。

というかこれがないと、ドアに触れただけでも痛みが走るらしい。


どんな痛みかって?

冬によく起こる静電気による痛みが一番近いんじゃないか?

静電気の詳しい仕組みとかは知らないけど、イオンがうんたらかんたらみたいな感じだったはずだ、うん。

まあ、そんな感じで普通の人じゃ利用できない店ってわけだよ。


俺は鈴木に紹介されたし、問題は無いはず……。

鈴木……お前カジンさんにちゃんと許可もらったよな……?

もし、もらってなかったらあいつの露店まで殴り込みに行ってやろう。


そう考えている間に、『カジンの鍛冶屋』に着いた。

見た目は洋風の家っぽく、剣と鎚?もしくはハンマー?みたいなものを交差させた看板がある。

しかもその下にはご丁寧に『カジンの鍛冶屋』と書かれていた。

よし、入るか。


「失礼しまーす。」


一応挨拶をしてから入ったのだが、誰も居ないのか返事がない。


「あのー?カジンさんって居ますかー?」


少し声を大きくして言ってみた。

すると返事が帰ってきた………後ろから。


「今帰ってきたから、居るぞい?」

「ッ!?」


後ろから突然声を掛けられたものだから、ビックリして卵を落としかけた。

危ねぇ、落としたらどうなるか分かんないからな。


後ろを振り向くと、じじいが居た。

身長は120センチくらいで、ボサボサながらも短めの白髪、更にその体躯からは考えられないほどに発達した腕の筋肉。

このゲーム、ASWって種族は人間しか選べない……はずだよな?

目の前に居るこのじじい、どう見ても偏見が詰まったドワーフにしか見えないんだが?


「ん?お主の持っておるそれは?」

「え?クエストの報酬のモンスターの卵ですが?」


俺が頭上に「?」を浮かべても、なにも言わずにモンスターの卵に興味を示した。

……とりあえず容姿とかを気にするのやめるか…。


「………なんでテイマーが金属武器なんぞを……。」

「いや、テイマーモドキだからね?」


というかなぜにテイマーが金属武器を持つことを否定するし。

聞いてみるとどうやらテイマーだけでなく、魔法を使う職業は金属武器と相性が良くないそうだ。

魔力効率がどうたらこうたら言っているが、全く意味が分からない。

『初心者の短刀』は金属武器だが、魔法の威力は『初心者のロッド』を持っている時とあまり変わらなかった。

それを言ってみると心底驚かれた。

……なぜだ。


「それで?依頼はなんじゃ?」

「ああ、そうだった。」


すっかり忘れていた。

このまま帰るところだったわ……。


「これで短刀を一本。あとコレで通常サイズの刀を一本。予算は20000G以内でどうにか抑えて欲しい。」


そう言って巨大猪(ジャイアントボア)の小さな牙と、竜王(ドラゴンキング)の小さな爪を出す。

牙が短刀、爪は刀だ。

ドラゴンだからか小さな爪と言っても、刀サイズはあるからな。

これで短刀を作るのは、素材の大半を無駄にしてしまうからやめた。

それにどうせならサイズの違う刀で「二刀流ッ!」とかしてみたい。


「なんで、サービス開始から一週間も経たずに竜王(ドラゴンキング)の素材を持っとるやつが居るんじゃ……。」

「いやぁー。あはは、は……なんかすんません。」

「まあ、一応刀になら加工できるじゃろ。ただスキルレベルに難があるからの。

できるまで時間がかかる。

明日のこの時間にまた来るんじゃな。

それまでには仕上げておくとしよう。」

「おおー!あざっす!」


正直予算も低いし、受けてくれるか半々だったがよかった、よかった。

あとは街を見て回るだけか。


「……ところでお主。」

「ん?なんですか?」

「お主は誰に紹介されてここへ来た?」


ん?

鈴木のやろう、まさかメールで言ってないのか?


「えっと、露店で焼き鳥作ってた鈴木ですけど……?」

「ああ、やっぱりそうじゃったか…。」

「あの?やっぱりって?」

「あやつが紹介する顧客は総じて変なやつが多くての……。」

「遠回しに変なやつって言われた!?」


初対面でそれは酷いぞ、じじい!


「いや、サンタコスで卵持ったやつが変なやつなわけないじゃろ……。」

「そういや俺の格好変なやつだった!?」

「そういう事じゃよ……。」

「じじい、初対面でそれはないだろ!?

中身を見てくれよ、中身を!?」

「初対面でじじいとかのたまうやつの、中身なんぞ見らんでも分かるわー!」


結局変人呼ばわりされた俺は、その誤解を解くことができずに『カジンの鍛冶屋』を去ったのだった……。

別に変人じゃねーし!

覚えてろよ、あのじじい!

感想、誤字脱字報告。

よろしくお願いしやっす!

そう言えばブクマ400越えてたね!

素直に嬉しいな、おい!

これからもよろしく!

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