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VRMMOで『封印術士』始めてみました!  作者: 自信だけはある白豚
五日目
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『アイツの罪はカタいものだ。

そのカタいものが導く先にある道は決して安全なものではない。

その覚悟があるものは一つヒントを与えよう。

“化粧台は上から下へと視線が続く”

アイツに罪を償わせてやってくれ。

あの初めて会ったクリスマスの日のように……。』


これが何を意味しているか分かるだろうか?


アイツの罪はカタいもの

アイツの罪=カタいもの

アイツの罪=カタい

アイツの罪=カタ


アイツって言われてるやつの罪はカタだってことだ。

“カタ”とはなにか?

見たまんまだろう。

アイツの罪は“カタカナ”だ。


“カタ”いものとわざわざカタカナで記したのは、罪がカタカナだと解らせたかった。

更に“カタ”カナと言う線でも考えられるように作られている。

強引だが、多分あってる。

何故ならアイツと呼ばれているやつが書いたであろう紙が少々不自然だったからだ。


えーと、確か。


『いみのないことをさんたは言いません。

みんなを殺した僕を人殺しとは言ひません。

ただよるが明けたら一緒に罪を償おうと言いました。


罪ってなに?

そう聞いた僕にさんたはただ言いました。

お前がみんなに謝るだけだよ。


おかしいな、おかしいな。

僕はみんなに謝ってもらえなかった。

バカにしたことを、笑いものにしたことを、謝ってもらえなかった。

なのにどうして僕だけが?

どうして僕だけが謝らなくちゃいけないの?


イミのないことをサんたは言いません。

みんなをこロした僕を人ゴろしとはイヒません。

ただヨるが明けたら一緒ニ罪を償おうと言いました。


そのよるからさんたはいなくなりました。

でも僕はさんたに救われた。

さんたが帰ってくるまで待ってるよ。

さんたの服を血で洗って待ってるね?』


だったかな?

まあ、全部見る必要は今のところないし大丈夫だろ。

注目すべきはこの二つだ。


『いみのないことをさんたは言いません。

みんなを殺した僕を人殺しとは言ひません。

ただよるが明けたら一緒に罪を償おうと言いました。』


『イミのないことをサんたは言いません。

みんなをこロした僕を人ゴろしとはイヒません。

ただヨるが明けたら一緒ニ罪を償おうと言いました。』


言ってることは同じだが、後者にはカタカナがある。

ここが罪なんじゃないかって俺は睨んでいる訳だが。

それだけを抜き出すとこれまた意味の分からない文章に。


『イミ、サ、ロ、ゴ、イヒ、ヨ、ニ』


文章を抜いたところには『、』を使って分けている。

だが意味が分からない。

これだけじゃ何もわからないだろ……。


でもこれタンスから出てきたものだしなー。

タンスになにかありそうだし、後でもう一度調べてみるか。

それはともかく次だ次!


円形を時計回りの矢印で囲んでいて、右上に鏡と書かれた紙。

これとヒントでちょっと分かったことがある。


この“化粧台は上から下へと視線が続く”って化粧台を上から見るってことだろ?

それでベッドの上に立ち、上から見てみるとあら不思議。

円柱タイプの椅子が円形で、その右上に鏡がある。

紙と同じものがあった。

あとは時計回りに回すとなにか起こるんだろう。


ベッドから降り、椅子を回してみる。

多分一周くらい回したところで、カチッと言う音がした。


すると椅子の上部分が取れた。

どうやら蓋になっていたようだ。

中を覗いてみると、そこには手のひらに収まるほどの大きさの水晶があった。

タンスの六段目の窪みにちょうどいいサイズだ。


もう一度タンスを調べてみる。

と言ってもさっき調べたから何もない。

とりあえず六段目の窪みに水晶を嵌めてみた。

しかし何も起こらない。

まだ何か足りない。


『イミ、サ、ロ、ゴ、イヒ、ヨ、ニ』


これは一体何の意味があるんだ?

何かの頭文字までしか分かってないからな。

イミ……?

こいつから答えは出ないよな?

サ、ロ、五?

ん?五?

数字か?何の?


タンスに当て嵌めて、考えるのか?

イミは、一段目?

サは、三段目

ロは、六段目

ゴは、五段目

イヒも、一段目?

ヨは、四段目

ニは、二段目

って考えられるよな?

いや、一段目どっちだよ。

右か左か言えよ。

いや、待てよ?

二つ目の文字が、左右を表してるとしたら?


イミは、一段目右

サは、三段目

ロは、六段目

ゴは、五段目

イヒも、一段目左

ヨは、四段目

ニは、二段目

になるわけか!

これなら多少強引でも大丈夫だろ!

ここの運営、謎解き苦手っぽいしな。


というわけでその通りに開けてみる。

一段目の右を開け、三段目、六段目、五段目と開けていく。

一段目の左、四段目を開け、最後に二段目を引いてみる。

するとさっきまで開かなかった二段目が、抵抗なく開いた。

中には鍵が入っている。

………タンスに服入れないのかよ、マジで。


とりあえずここはもうこれでいいだろう。

俺は鍵を取って、逃げるように部屋を出た。

……いや、だってなんかあの部屋怖いからさ。

あんまり長居したくないんだって。

って、誰に言い訳してんだ、俺。

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