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家に近づいた俺は、すぐには入らず家の周りを確認してみる。
特になにかあるわけじゃない。
強いて言うならソリがあるのと、煙突があることくらいだろうか?
あ、あとは全体的にボロいことか。
というかここの家主の家に煙突って……。
自分の家に入るときも、煙突使ってるんだろうか?
いや、ドアもあるから違うだろうな。
単純にそういう構造なんだろう。
うん、そうだよ。
とりあえず何もないのを確認したので、ドアの前に立つ。
コンコン。
一応ノックはする。
もしかしたらいるかもしれないからな。
というか他人の家に上がるときのマナーだな。
だが中から応答はない。
これは居ないという認識でおっけーなのか?
「それじゃあ、お邪魔しますよー。」
俺はドアノブへと手を伸ばし、ドアノブを触る。
するとギィーっと音を立てて、ドアが独りで開く。
やっぱりなんかあるよな?これ。
勝手に開くだけで決めつけるのはダメだけど、警戒くらいはしとくべきかも?
とりあえず中に入ってみる。
中は外見とは違い、掃除がされているのかホコリ一つなくて、清潔感が漂う。
しかし暖炉に使う用の薪は一つもないし、食糧も見当たらないのでで人が住んでいるような気もしない。
なんというかこの家自体が矛盾というものを表しているかのようだ。
清潔感が漂う時点で誰か住んでいるはずなのだが、まったく人が住んでいる気がしない。
まるでここの家主だった人の幽霊が、今も掃除だけしているようだ。
……うん。
俺の例え、分かりづらいな。
それはともかく。
人が居ないのならば、少し家の中を探索しよう。
誰か住んでるならそのうち帰ってくるって。
見つかったら襲われそうだけどな!
とりあえず今見える範囲だけを確認してみる。
ここは玄関と渡り廊下のようなものだろうか?
俺から見て右手側に一つ、左手側に二つ、正面奥に一つ。
それぐらいの数のドアがある。
あとどうでもいいことだが右手前側、玄関のすぐ近くによく分からない花が一本だけ生けられた花瓶があった。
見ていると、不思議な気分になる花瓶だな。
ドアを一つずつ確認していくか。
まずは右手側のドアから。
ドアに近づき、ドアノブを回してみる。
しかしガチャガチャと音が鳴って、ドアは開かない。
どうやら鍵がかかっているようだ。
うーん。
出鼻をくじかれたな。
それなら反時計回りに、調べていくか。
ちなみに反時計回りなのは気にしないで欲しい。
時計回りだとなんか負けた気がするだけだから。
とりあえず次は正面奥にあったドアに近づく。
近づいたらドアノブを回してみるが、先程と同じようにガチャガチャと音がして開かなかった。
ふむ……。
それじゃあ次に行こうか。
なお、これを書いた時俺は熱で寝込んでた。




