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三分の一!
俺は、考えすぎることを止めて周囲を見渡してみる。
すると右手側に赤く光る何かがあった。
俺もここまでくればなんだか分かる。
分かるが故に、その赤く光る何かに向かって歩く。
俺の推理が正しければ、こいつは多分……。
俺は赤く光る何かに向かって歩き続ける。
しかし向こうも動いているのか、なかなか距離が縮まらない。
これは走っても同じだった。
一度追いつくように全速力で走ってみたが、それに合わせるようにあっちの動きも速くなった。
何故か一定の距離を保っているようなのだ。
一体いつまで続くんだろうか。
長いんだって。
数分経つと、そこで急に赤く光る何かが動きを止める。
なんだ?
ここに案内でもしたかったのか?
赤く光る何かに向かって走る。
しかし赤く光る何かは、動かない。
どうやらあそこで終わりのようだ。
なんか歩いて鬼ごっこしてたような気分だな。
……想像してみると、凄く面白くなさそうだなと思った。
やっぱり鬼ごっこは、走るもんだ。
赤く光る何かが居るところにまで着いた。
すると一瞬目の前が白く染まる。
この演出多いなー。
すぐに光は収まり、思わず閉じてしまった目を開くといつの間にか周りは明るくなっていた。
……松明がないのになぜ明るくなったんだとか、なんで急に明るくなったんだとか、ツッコんじゃ駄目なんだよな。
ゲームだからって理由で無理やり納得しとくか。
《暗い夜道はぴかぴかのお前の鼻が役に立つのさクリア》
『EXCの内容を更新しました!』
俺は明るくなったこともあり、再度周りを見渡す。
するとここが迷宮の中なのか疑わしくなってきた。
まず空が見える。
空は雲で覆われていて、太陽を拝むことはできない。
更に空から雪も降っており、その雪が地面に積もっている。
次に壁が見えない。
少し向こうに森が見える。
雪と一緒に見ると、中々趣きがある。
更にエサを探しに来たのか、狐のような動物もちらほら見える。
最後に目の前に家がある。
これはずっと気になっていたものだ。
誰かが住んでいるのだろうか?
明かりはついていないので、今は留守なのかもしれない。
家の近くには、ソリのようなものがあり、家主が誰なのか教えてくれる。
まあ、最初から分かってたけど。
少し様子を見てみたが、特に何も起こらない。
なにか、フラグを立てていないのだろうか?
なにをしようか……。
①雪で遊ぶ
これは違うと思うけど一応選択肢に入れておく。
単純に雪だるまを作ったり、かまくらを作ったりしたら何か起こるかもしれないからだな。
②森に行く
これはダークホースだな。
森になにかクエストのキーになるモンスターがいるかもしれないからな。
③家に入る
これが一番有力かな?
最初から目の前に家があったしな。
それに違ったとしても、服があるかもしれない。
服さえ手に入れば俺はそれでいいしな。
うーん。
この中だと、やっぱり家に入るが一番だな。
でも森も気になるなー。
………よし!決めた!
先に家に入ろう。
何もなければ、森に行こうか。
俺はそう決断し、家に向かって歩きだした。




