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最強(弱)無双の魔法使いは無敵少女と旅をする。  作者: たけまこと
木こり達のドーム
31/211

脂肪は女の武器ですもん

 寮にに帰るとラフレアが戻っていた。

 

「エマさんお食事は終わったの?」

「ううん、まだよ。ラフレアちゃんは?」

「ラフレアもまだなの。」

 

 きっと待っててくれたんだな、なんかすごくいい娘みたい。

 

「それじゃ一緒に食べにいこ。」

「はーい。」

 ラフレアは嬉しそうにほほ笑む。

 

 2人で食堂に向かう。

 工場の隣に作られている食堂はそこそこの大きさが有る。

 食堂に入ると入口の横にテーブルが有り、トレイとお皿やお椀が積み上げられていた。

 

「ここでトレイにお皿を乗せてあそこでよそうなの。」

 同じようにテーブルの上には大きな鍋がいくつも並んでいた。

 食事時のピークは過ぎたみたいでテーブルは半分くらいしか埋まっていない。

 

 鍋の中には様々は食べ物が入っていた。

 豆やスープ、それに野菜の煮物などがたっぷり入っている。

 ラフレアは順番にそれを山盛りに盛り付けていく。

 

「お肉は無いのね。」

「お肉は煮物や豆の中に少し入っているだけなの。」

 

「お肉が食いたきゃ街へ行きな。」

 

 厨房の中からドワッフ族のおばさんが声をかける。

 中年のお母さんみたいな人だがさすがドワッフ族、昼間の姉妹よりたくましい体をしている。

「お肉は高いからあんまり寮の食堂じゃ使えないなの。」

 ま、仕方ないわね、こういうところの食事は安くてが量が多いのが定番だし。

 

「ね、おばさんこの食べ物は何かしら?」

 エマには初めて見る食べ物だった。白い穀物の様な物がそのまま茹でられていた。

 

「ああそれはヤイと言ってチンジャリー・ドームの方から入ってくる穀物さ。向こうじゃ主食らしいよ。」

「ふーんそうなの?」

 試しにエマは掬ってみるがべたべたしてスプーンではうまく掬えない。

 

「濡らした木べらを使ってよそうなの。」

 ラフレアが木べらでよそってくれる。

 他にも豆や煮野菜をよそってテーブルに持っていく。

 ラフレアのトレイにはいくつもの皿に山盛りの食糧が乗っている。

 

「すごいね、ラフレアちゃんそんなに食べるんだ。」

「ここの人みんなすごく食べる。木こり体うんと使うなの。」

 エマは先ほどのヤイを食べてみるがスプーンにくっ付いてうまく掬えない。

 スプーンの先をスープに浸すと問題なく掬えるようになる。

 

「ん、味が無いけどほのかに甘くて食べやすい。これはパンの代わりなのね。」

「ラフレアもそれは好きなの。特に野菜の塩漬けによく合うなの。」

 食堂の味付けは全体に塩味が強い。体を使う仕事なので塩が必要なのだろう。

 それでもエマはそれなりにおいしく食べられた。

 

 食事が終わって外に出るともうだいぶ暗くなっていた。

 

「エマさんお風呂行くなの?」

「え?お風呂に入れるの?」

「お風呂、昼の3時から夜の9時まで入れるなの。」

「行く行くっ、お風呂に入れるなんてすごく素敵よ。」

 部屋に戻ってタオルを取ってくる。

 

 食堂の裏手に浴場はあった。

「うわあ、すごいっ温泉宿の浴場位あるじゃない。」

「5,6人がゆったり入れるくらいの浴槽が有り、周りには体を洗うためのスペースもあった。

「入る前に体を良く洗うの。みんな埃だらけで汚れているなの。」

 なるほど更衣室にウィザー語とドワッフ語で張り紙がいくつもあったな。

 

 うわっラフレアちゃんの体は服を脱ぐとすごいなー、体中の筋肉の形がはっきりとわかる。

 いや、それにもましてあのスイカはどうにかならんか?

 

 風呂も少し時間が外れていたので人はいなかった。

 ラフレアちゃんと二人でゆっくりと湯船に浸かると足を延ばす。

 

 どこのドームでも同じだが明るい間は仕事をし、暗くなったら眠る。

 街の方は少し明かりが見えた、夜は町で酒を飲む人間も多いのだろう。

 脱衣所の方から音が聞こえる。どうやら誰か来たようだ。

 

「おお、ラフレアもうエマさんと仲良くなったのか。」

 先ほど会ったベルラ姉妹であった。

 

 この二人もラフレアに負けず劣らずにすごい。

 

 大きさはラフレア程ではないが均整の取れた体つきに筋肉が形よく付いている。

 2人も浴槽に入ってくる。エマは筋肉娘3人に囲まれる形になった。

 

 ううっ…スイカ二つにメロンが4っか…アタシのは夏みかんかな~っ?

 

 3人に囲まれたエマは心持小さくなって胸を隠す。

 大丈夫、夏みかんなら人族の間では十分大きいのですから。

 

 ……ん?どこからかシドラの声が聞こえたような気が……。

 

 しかしここでエマは自分とドワッフ族の大きな違いに気が付いた。

 彼女たちの胸は確かに大きい、しかし彼女たちには体に丸みが無い。

 鍛えられた筋肉で体を包んだ彼女たちは非常にごつごつした印象なのだ。

 エマの背中からお尻にかけてのや柔らかなラインはエマ自身とても気に入っていた。

 

 そうだ!女の魅力は丸みにある。

 いかなスレンダーといえど丸みのない筋肉は女ではない。

 人族の女の本当の価値に気が付いたエマはそう確信した。

 

 女の胸は脂肪のふくらみ、体の丸みの元は脂肪にあり!脂肪こそ女の魅力なのだーっ。

 

 エマはお湯の中でガッツポーズをとる。

 

「エマさんはどこから来たんだい?隣のチェンジャリー・ドームからかい?」

「え、な、なに?私は脂肪国から……。」

 突然ベルラに声を掛けられてエマは訳の分からない事を口走る。

 

「はあっ?何を言っているの?エマさん。」

 はたと、妄想から目覚めるエマ。

 うむっ、何やら恐ろしい事を口走ったような気がする。

 

「い、いやっ、私はフェブリナ・ドームから。」

「フェブリナ?確かジョライ・ドームの先だったよな。」

「ええ、そうよ。」

「ずいぶん遠くからやって来たんだな、昼間一緒にいたウィザーは何者だい?」

「ああ、あれは……なんだろう?とにかくウィザーの馬車で一緒に旅をしているのよ。」

 

「ウィザーはめったに人を馬車には乗せないと聞いているぜ。」

「よくわからないけどウィザー・ギルドがシドラを手配してくれたの。」

 なぜギルドがこんなことをしてくれたのかはいまだに分からないんだけどね。

 

「それでフェブリナ・ドームからここまで旅をして来たのか?」

「さっき言ったチェンジャリー・ドームって言うのはこのドームの隣にあるの?」

「ああ、人族の多いドームさ、ここに働きに来ている人族の連中は大概チェンジャリー・ドームから来ている。」

「あそこはマイリージャの属国だからな。軍隊が強くて傭兵が沢山いるよ。」

 なんかベルラはチェンジャリー・ドームにあまりいい感情は抱いていないみたいだなー。

 

「ここの材木の大半はチェンジャリードームを経由して売られているみたいだけどね。」

「品質が良いので金の有るやつが家を建てるのに使っているらしい。他にも木工用としての需要もあるそうだ。」

「チェンジャリー・ドームってどんな所かしら?」

「さあね、働きに来ている人間は普通の労働者だけどね、木材の買い付けとかに一緒に来る傭兵なんかはタチ悪いのが多い。」

「悪いって?」

 

「喧嘩をしたり物を盗んだり、女に手を出したりするんだ。」

 あんまりゆとりのある国じゃないみたいだなー。

「まあ、ドワッフ族の女にに手を出した連中は二度と近づかないがね。」

 

 良く理解できます。

 

「ベルラさん達お二人はどちらから?」

「ああ、このドームの隣にあるゲオラ・ドームだよ。」

「住民の大半はドワッフ族だがジョライ・ドーム同様温泉が出てね、温泉街にはマイリージャの方からも人がくるよ。」

「温泉はいいですものね~っ。」

 ここでの仕事が終わったらゲオラ・ドームの温泉でゆっくりするのもいいかも。

 

 実家ではやはり農業ですか?

「ああ、母さんが家にいて父さんたちの面倒を見てるよ。」

 ふーんなんかゴンジさんの話ではおっかない母さんみたいだったけど、そうでもないのかな?

 

「母さんは村一番の力持ちでさ村の相撲大会では何度も優勝してるんだ。」

「ただねえ、ちょっと如何物食いでさ、あたしたちを産んだ後はドワッフ族以外のいい男を見るとすぐ声をかけるんだよ。」

 

 げっ、それもちょっとどうかと思うけど?

 

「それで男たちを入れ食いできればそれはそれでいいんだけど。」

 なんか思いっきり不穏な雰囲気なんですけど。

「母さんを満足させられる男なんて、そうそういないから。」

 

 満足?何を満足させるんだろう?男前の事かな?

 

「まあ父さんがドワッフ族だから母さんの愛情表現に耐えられるんだけどね。」

 恐ろしい話を聞いたような気がする。

 

「ラフレアちゃんはこのドームの出身だよね。」

「うん、この川をさかのぼったところにある村なの。」

「どんな村なのかな~?」

「何もない村、山の斜面に家を建てて山や川沿いの畑を耕している貧しい村。ここから歩いて半日位なの。」

 まあ、何もない所は私の生まれた村も同じようなものだけど。

 

「でも学校は有ったの。ウィザーが巡回で来てくれるの。村の子供達みんな楽しみにしていたの。」

 そっかーウィザーはその点はすごく徹底しているものね。

 

「村には木こりたちの宿泊施設も有るの。奥にある山から木を伐りだすためと言っていたの。」

「それじゃあ村には木こりの人たちも来ているんだ。」

「村の女も木こりの仕事をするようになって、そのおかげで少し村は豊かになったの。」

 仕事が有れば収入も増えるし商売も成り立つからな。

 

「その代わり熊や狼の生きる場所も狭くなってるなの。」

 そっか~っ、良い事ばかりじゃないんだ。

 

「でもすぐに次の木を植えるから、また動物たちが戻ってくるの。」

「ラフレア、今でも村のこと好きなの、何もない村だけど熊も狼もみんな仲良しなの。」

 

 お風呂から出ると外は真っ暗になっていた。それでも月明かりで足元が照らされて歩くのには不自由しない。

「エマさん今度ラフレアの村に来ると良いの、薬草たくさん採れる山知ってるなの。」

「ホント?行くっ行くっ。」

 

 エマの眼はお金の光に輝いていた。


アクセスいただいてありがとうございます。

登場人物、一応各人の設定を書いておきます。

ベルラ・ヨセミナ   ドワッフ族女性19歳 子持ち 174セルメ

ベルトラ・ヨセミナ  ベルラの妹17歳 独身婚約者有 172セルメ

ラフレア・ジオ      ドワッフ族女性12歳 身長190セルメ、体重115ケルグ

ちなみにエマは身長172セルメ、体重未発表です。  以下次号

 

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