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48.久しぶりな展開

そして迎えた当日

待ちかまえていたかの様な天気

雲一つない晴天とはこのことだ

これで混まなければ先は長くない

大げさに言っても過言ではない位お出かけ日和


その通り!!予想したとおりの騒がしさ

いや、ここで勘違いしないで欲しいのは

遊園地がじゃなくて

隣でにらみ合っているお二人さん

会ってからこの繰り返し

待ち合わせ場所でも電車でも歩く先々もそして今も

今日はこの調子でやっていく気かしら

ここまでの白熱ぶりはそんじょそこらの格闘シーンでもあり得ない

…はぁ〜

思わず溜息

周りのこと気にしたことあるんだろうか

 「違うっつうのっ…!!今度はこれだって言ったろうが!!!」

怒りが加速していくマコ

その指の先には絶叫マシーンを示していた

 「違う!!これっっ…」

火山噴火が見越せる奈津実

指先はメリーゴーランドを指していた


全く逆のジャンルじゃんか・・・


口出しする気もなくなる

 「そんな悪趣味な乗り物乗るか!!…なんでノロノロ走るかぼちゃの入れ物なんかに入って何が楽しいんだ!!」

 「私だってそんな野蛮な乗り物は嫌ッ!!…煙と何とかは高いところが好きっていうしねぇ…マコにはお似合いだろうけど」

お互いがお互いで譲らない

失敗したかな?遠出するの…

そう思わずにはいられない

 「こういう場所ではな!!すかっとするもの乗って憂さ晴らしすんだよ!!それが遊園地の醍醐味だろっっ」

 「何言ってるの…いつも頭の中はすっかすかのカラカラのくせに」

 「…っ!!」

もうどうにかしてこの同レベルな戦い

 「それより私はこの白馬に乗って…待つの、王子様」

しなりと身をくねらせ輝かせる

 「死ぬまでいる気か!!がぁぁあ〜もういい…これじゃ埒があかないっ」

気付くの遅過ぎです

マコ…いくらここで立ち往生してると思います?

私はひとまず争いが病んだことに安堵のため息を漏らす

 「満春!!!」

えぇ????私…

 「お前に選んで貰おうじゃないか!!さぁ、選んで貰おうか。大親友」

な、な、なんで私に来るの!!

しかもこれ見よがしになんか付け加えてるし

 「何を言ってるのっ!!満春ちゃんは生涯私の親友よ!!」

いつも名前なんか呼ばない癖して


なんか釈然としない…


そしてなんで二人とも古典的なおだて方

 「あぁー」

こんな2人に顔なんてあわせらんないよ

空を仰いだ

神様見てるならこんな私を助けて下さい…

ませんよねぇ。

考えに考え抜いて試行錯誤練った

 「あぁーー…私、飲み物飲みたいかも!!て、適当に乗り物乗ってて」

戦線離脱!!

というか、私は善良な市民です

愛想よくその場を去る

なんかマコの叫び声が聞こえた気がするけど

…後が怖いなぁ…

けど、つき合ってらんないよ

別にいいじゃんと思うけど

個人個人で乗っちゃえば乗りたいものは乗れちゃうじゃん

そんな考え当たり前だけど

やっぱ気付いてないんだろうな

事実私は喉乾いていたので自販機を捜すことにする



やっぱり日曜日

子供連れの家族が多いかな

休日の家族サービスに力を入れるお父さん

子供に連れられて抱っこ抱っこ大変そう



…まぁ、デートにも最適だよね

私の前を横断するカップル

仲良く手をつなぎながら通り過ぎていく

いけないいけないあまり人のことジロジロ見てちゃ

私は目に付いた自販機に近づくと

迷うことなくミルクティーのボタンを押した

やっぱりこれだよね

暖かくても冷たくてもおいしい一番大好き

私は腰を曲げ拾い上げるとある光景が目に入った

人だかりが出来てる

何かの催しものかな

とりあえずその人だかりを素通りする振りして覗いてみる

そこには聞き慣れた声が木霊していた


 「なのよ!!!?…」


内容までは聞こえなかったけど

それは紛れもなく速瀬さんだった

何か、口論してる?

あの人独特の怒った高い声が耳につく

そんなんで本人って気付くのもどうかと思うけど

そんな記憶しかないかも残念ながら

相手は誰だか知らない子だけど

その時、速瀬さんと不意に目があった


 「…あ」


ヤバくはないけどヤバい

目があってしまった

私は軽く会釈するとその場を後にしようとする

 「ちょっと待って…」

無視とすると思ったら声をかけてられた

とりあえず私は振り返る

 「やっぱり、満春さん…。こんなところで会うなんて奇遇ね」

長い髪を耳にかけながら話す

やっぱり思う

綺麗なだけにこの威圧感は絶大

いつまで経っても拭い去れないこの人の印象

 「あ、ちょっと時間いいかしら?」

軽く微笑む速瀬さん

私は返事だけすると後に続く


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