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ヒトガタ機械  作者:
43/74

5-12

 そこにいたのは、雪本と斎藤だった。

 彼らは志織と正志の姿を見ると、驚いた表情を浮かべた。

「お前らっ……何故ここに?」

「あの……」

頭が真っ白になって言葉が浮かばない。口を開くものの声は出てこない。

「すみません」

正志が志織を押しのけて進み出た。ゆったりと二人に近寄っていくその背中には、余裕すら漂っている。彼が何をするつもりか分からず、志織は困惑した。

「俺、父に言われたんです。志織を頼むって」

正志が雪本に触れた瞬間、雪本が膝から崩れ落ちた。間髪入れずに斎藤にも触れると、斎藤も倒れこむ。

「マサにいっ?」

彼が何をしたのか分からず慌てて駆け寄ると、正志は志織を振り返ってにっこりと笑った。

「これで大丈夫」

「何したの?」

「ちょっとね」

正志は右手を掲げて見せた。

「ここから電気出せるんだ。検査結果読んで知ったんだけど、スタンガンみたいな役割果たすらしい」

「大丈夫なの?」

「スタンガンだから死にはしない」

正志は言うと、志織の手を握った。志織は思わず手を引いて体をこわばらせてしまう。

「……よっぽど意識しないと、電気出ないから」

正志はすっと真顔になって呟き、志織の腕を強く引っ張った。

「逃げるぞ」

正志に引っ張られ、志織は狭い通路を走り抜けた。

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