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ヒトガタ機械  作者:
37/74

5-6

 その日の深夜。志織は一人、ホテルを抜け出し、タクシーでNELまで行った。志織が単独行動をしてはいけないことは厳重に言われていたが、NELを出てからの時間は、外出したいときは同行担当者に連絡を取ることになっている。つまり、プライベートな時間まで監視されているわけではない。彼女自身の命が狙われており、そのための対策だったので、まさか彼女自ら単独行動をするとも思っていなかったのだろう。

 深夜であるのに、NELはところどころ明かりがついていた。泊まりこみで研究をしている研究者は数多くいる。彼女は正門から堂々とNELへ入った。こんな時間に研究室に戻っていく研究者も、多いとは言わないが皆無ではない。気分転換に、遅い夜食を外で食べて戻ってくる者もいるからだ。監視カメラに映ったとしても、志織の身に何かあったり、正志の管理に何か不都合があったりしない限り問題にされないだろう。

 研究所内に入ってからは、監視カメラに映らないように警戒しながら動いた。完全に映らないのは不可能であるが、顔が映らないように角度に気を付けながら移動する。途中でロッカーに立ち寄って白衣を羽織り、志織は正志の部屋を目指した。

一番危険なのは、正志のいる部屋に行くにはどうしても通らなければいけない廊下にあるカメラだ。NELの廊下は人が通ると明かりがつくようになっているため、カメラに映らずあの廊下を通ることはできない。後日気づかれる分には仕方ないが、今この時に志織だと気づかれては困る。志織は、普段束ねている髪を下ろし、長い髪で顔を隠すようにしてその廊下を通った。

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