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志織、志織、と呼ばれて目を開けると、マサにいが覗き込んでいた。
「志織、もう朝だよ」
「まだ眠いよ」
また目を閉じようとしたけれど、かぶっていた毛布を剥ぎ取られる。
「そんなんだと遅刻するよ。ほら、父さんと母さんも志織のこと待ってる」
「お父さんと、お母さんも?」
その言葉に若干の違和感を覚えたけれど、気にせずむくりと起き上がった。二人が待っているなら、あまり長い時間寝ていられない。
「志織、おはよう」
「おはよう」
お父さんはもうご飯を食べていて、お母さんは椅子に座って待っていてくれた。
「いただきます」
いつもの席に着いてご飯を食べ始める。お父さんとお母さん、二人が作ったロボットは、とても上手に料理をすることができるから、いつでもおいしいご飯を食べられる。
「志織、今日学校は何時まで?」
「いつも通りだよ」
「そう。ごめんね、今日、お父さんもお母さんも、帰りが遅くなっちゃうの」
「大丈夫だよ。俺がいるから。な?」
「うん」
マサにいの言葉に頷くと、お母さんは嬉しそうに微笑んだ。
「正志、頼んだぞ」
お父さんが、マサにいを見てぼそっと呟く。
「分かってるって」
マサにいは箸を置いて、志織の髪がぐちゃぐちゃになるまで頭を撫でた。