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第1章 きっかけ

いつきみも2作目です。

相変わらず妄想でかかれたものですから、事実と違うことかいてあるかも。

名前や建物や劇団名は架空です。

苺タルトの世界だと思って読んでみてください。


ここは、TMC(東京ミュージカルカンパニー)の専用劇場。

今日もこの劇場は、盛大な拍手で幕を下ろした。

最近話題の新人の出演が決まると、大入り満員になる。


卒業公演を終えてから1年、予科生からカンパニーの劇団員になった、舞輝マキ19歳。

演技共に歌も踊りも高い評価。

その舞輝のパートナーが、カケル

この二人のダンスを見に来るお客で満員になるのだ。


 

卒業公演の日、メインダンサーのチームになった二人のダンスが高評価となり、今や名コンビ。

二人が繰り広げるダンスは完璧で、その世界に引き込まれてしまうほどだという。

そんな二人は“恋人同士”という噂が流れたが、それは間違い。

舞輝にはちゃんと彼氏がいる。

人気アイドルs-wing(スウィングの一人、達弥タツヤ23歳。

舞輝に一目惚れして最近ようやく結ばれた。

この二人が結ばれるまでは、ホントに長い道のりだった。


出会いは収録スタジオ。

何故か愛想のない腹ペコで魅力的なダンスを踊る舞輝が気になり、s-wingのリーダーであるレンが誘った食事会で、舞輝の食べている時の幸せそうな顔が気に入ってしまった。

そのときに携帯の番号とアドレスを聞いて、「軽いんですね。」と言われ苦笑い。

やはり廉のひらめきで行くことになったドライブで舞輝に会ったときに、思い切って告白した。

舞輝に「今は返事できない」と言われ、待つことにした達弥であった。

”友達以上恋人未満”の状態で何度かデートをし、ちょっとした事件もあり、段々わかっていく舞輝の心にある過去とトラウマ。

しかし、達弥の舞輝への真剣な想いが通じて、舞輝の過去から抜け出させた。

二人にとって、なくてはならない相手。


舞輝が楽屋から出てきた。


「愛海!」

「舞輝ぃ!お疲れさま!今日も素敵だったよぉ〜」


ぎゅっと抱きしめているのは、公演があると必ず観に来てくれる優しい親友、愛海アミ


「お疲れ!」


頭をナデナデしてるのは、舞輝の一番大事な人、達弥。


「今回も、やばかったねぇ〜。達弥さんよくヤキモチ妬かないよねぇ?」


愛海は言った。


「もう、慣れたから(笑)必ず飛んで謝りにくるんだ。」


達弥が説明すると、「達弥さん!」と言って、ものすごい勢いで駆け寄ってくる青年。

「ね!」達弥は苦笑いで言った。


「達弥さん!この度もホントのホントにすみませんでした!」


深深と頭下げるのは、さっき紹介した舞輝のパートナー翔。

達弥と待ち合わせしていた改札前と、卒業公演で達弥より先に舞輝の唇を奪ってしまった元恋敵である。


「わざわざ、言いに来なくていいよ(笑)」

達弥は困った顔で言った。

今回も翔と舞輝のラブシーンがあり、翔は達弥が観に来ているとわかると、必ずすっ飛んで謝りに来る。

達弥はそんな元恋敵が結構好きである。


「達弥さんの大事な人じゃないですか!」

「翔くんにとってもだろ?」

「そうですけど・・・」


翔は苦笑いした。

そう、翔にとっても大事な人。

フラれても、大事な友達。

舞輝との信頼関係は、達弥も認めるほどだ。

舞輝のおかげで、新しい恋もみつけることができた。

幼馴染の恵理。

小さい頃から翔に想いを寄せていた。

自分の気持ちを隠し、いつも陰ながら翔の恋の応援をしてくれていた。


「意外に近くにいるんじゃない?翔のこといつも見てくれている人が。」


舞輝に言われ、それが恵理であることに気づいた。

少しずつ、二人の気持ちは近づいている。


 

終演後。


近くのレストランで愛海達との食事会。

千春・暁子・s-wingのメンバーも勢ぞろいしている。

相変わらず黙々と食べる舞輝。


「おいひぃ〜♪」

「舞輝・・・いくつになっても変わんないね。」

 

愛海が呆れている。


「それがいいんだ。」


達弥が言った。


「ご馳走様です。」


愛海は苦笑い。

食事の後は、デザートと紅茶。


「報告があるんだ。」と、廉が突然言い出した。


みんなが廉に注目した。


「俺達、結婚することにした。」


愛海はポッと顔を赤らめた。


「えー?」


これが全員の素直な言葉だった。


「また爆弾発言だね・・・。」


千春が言った。

暁子はティーカップを持ったまま固まっている。


「愛海ちゃんが20歳になったら籍を入れるつもりなんだ。」

「式は?」


真人が聞いた。


「もちろんやるよ。」

「まさか・・・できちゃったとかじゃないよね?」


千春が心配そうに言った。


「違うよ!」


愛海は慌てて言った。


「来年の春くらいに式あげようと思ってるんだ。」

「そうか・・・とうとう決めたんだ。」


達弥が言った。


「てか、舞輝ひたすら食べ続けてるけど。」


暁子が言った。


「ん?ごめん。愛海おめでとう。誰も言ってあげないんだね?」


舞輝に言われ、みんなハッとした。


「あまりにも突然だったから、忘れちゃってたよ。」


拓が言った。


「ホント・・・愛海ごめん。おめでとう!」


千春が笑顔で言った。


「ありがとう!」


愛海も嬉しそうだ。


「おめでとう!」


みんな拍手で祝福した。

 


 結婚・・・。

 

帰りのタクシー、達弥はずっと黙ったまま考え事をしている。


「達弥さん?どうかした?」


舞輝はつまんなそうに聞いた。


「え?」


達弥は我に返った模様。


「ずーっと考え事してる感じだけど?」

「ごめん!」


舞輝はため息をついて、


「愛海達の結婚となんか関係あるの?」

「いいなって。」


舞輝はドキッとした。

 

あたしたちもなんて考えてたりして・・・。

 

「きっかけってなんなんだろうな。」


達弥が言った。


「結婚しようって思う?」

「うん。」

「二人にはあったんだよ、ここだってタイミングが。うちらにだってきっとある。たとえ、そのときお互い隣にいる相手が違ったとしても。」


舞輝は達弥を見て言った。


「俺は隣が違う相手なんて考えたくないよ。」


悲しげな目で言った。


「そだね。ごめん。」


舞輝は言った。

 

でも、先のことなんて誰もわからない・・・。

 

舞輝は昔、俊太(シュンタ)という婚約者がいた。

15歳で妊娠。

俊太と半同棲生活を送っていた。

明るい将来を夢見て。

しかし、俊太は他の女を作ってその生活から逃げてしまった。

街で俊太を見かけ追いかけた舞輝に襲い掛かったのが、お腹の激痛。

舞輝はそのまま流産してしまった。

もう、二度と男の人は好きにならない・・・・。

その救世主になってくれたのが、愛海・翔・達弥。

愛海は、同じ高校に編入させ人間不信の舞輝のそばにいつもくっついていた。

達弥と舞輝のキューピッドでもある。

達弥は別れた彼以来、初めて会話した男の人。

4つ大人の達弥。

落ち着いた雰囲気と、いまどき珍しく紳士的な彼に惹かれてしまった。

最後に翔。

アカデミーで知り合って、舞輝の人間不信を打ち消した人。

翔に出会ってよく笑うようになった。

いろんな人に助けられ、今に至っている。

でも、まだ過去のトラウマが完全になくなったわけではないのだ・・・。


数日後。


「お疲れ様!翔、先帰るね。」

「おう!気をつけてな!」


この日の公演が全て終わり、舞輝は翔や他の劇団員に挨拶して劇場を出た。

関係者出入り口のところに、元婚約者の俊太が壁に寄りかかって待っていた。


「俊太?」

「マイ・・・やっと会えた。」


俊太が嬉しそうに言った。

卒業公演の日、突然現れてから劇団事務所に何回か電話があったが、事務員が取り次がなかった。

舞輝のことを“マイ”と呼ぶのは、中学生のとき舞輝の気を引きたくて俊太が言い出したのだ。


「時間ないか?茶でもしようよ。」

「え?」


う・・・断る理由がない・・・。


「いい、けど・・・」

「じゃ、行こう♪」


俊太は舞輝の手を掴み歩き出した。


「ちょっと!俊太、痛いよっ!」

「ごめん。嬉しくて力が入っちゃった。」


俊太は手を離した。


「もう。」


二人は近くの喫茶店に入った。


「何飲む?」

「あたし、アイスティー。」

「すいません!」


俊太はウエイトレスを呼んでアイスティーと、コーヒーを頼んだ。

 

昔はコーヒーなんて飲まなかったのに。


「マイ、ケータイ教えてよ。」

「嫌。」

「なんで?」

「教える必要ないからよ。」

「ケチ。」


舞輝はシカトしてアイスティーを飲んだ。


「俺達、やり直そうよ。俺、絶対幸せにするから。」

「無理。」

「俺がしたこと怒ってるんだろ?ホントに反省してる、子供のことも。死んじゃったこと聞いて、マイのとこに帰るに帰れなくなったんだ。」


舞輝は黙っていた。


「マイの親父さんにも恩があるんだ。こんなことになったのに、ちゃんとするって誓って許してもらったんだ。」


それはパパから聞いてる。


音信不通だった俊太が、突然舞輝のパパの前に現れたという。

詳しいやりとりは聞いてないが。


「俺、別れてから就職したんだ。マイにまた認めてもらいたくて、貯金もしてるし、いま主任やってる。25までには部長目指してる。正直言うと、女もたくさんいたよ。戻ってくるかわからないし、マイより本気になれる奴いるかもしれないって。でも、いないんだ。マイじゃなきゃダメなんだ・・・。俺、今までの責任全部背負ってマイを幸せにします。俺と結婚してください!」


俊太は頭を下げた。


俊太は少しだけ成長したのかも・・・。


「大丈夫だよ。俊太変わった。大人になったよ!あたしよりいい人見つかる。今の俊太なら、女性を幸せにできると思う。」

「マイじゃなきゃ嫌だ・・・。」

「ごめん。あたしには今、大事な人いるの。」


舞輝が言うと、俊太はふぅと、椅子にもたれた。


「覚悟の上だよ。いい女になったもんな。」

「もう、俊太は過去の人。」


俊太は黙ってしまった。


「俺・・・諦めない。絶対マイを取り返す。」



捨てといて、取り返すって・・・頭の悪さは変わらないのね。


舞輝はため息をつくのだった。


一方、舞輝の「過去の人」になってしまった俊太は、その言葉が逆に糧になってしまったようだ。

俊太は次の日から一生懸命営業に回り、売り上げを上げたのだ。

全てはマイを取り戻すため・・・。



”結婚”のきっかけってなんだろう?

苺タルトも考えたことがあります。

出口のない問題のように感じます。

こうすればみんな幸せになれるってマニュアルないもんね。

2作目書き終えましたが、いかがなものか・・・

ありきたりすぎやしないか?


まだまだ”いつきみ”はおわりませんよ!

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