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エピローグ

未定

 台所の明かりは弱く、真上から落ちる光が母の影を床に濃く広げていた。

 その影の先に、少年が固く立ち尽くしている。

 指先が細かく震え、何かを言おうとしては飲み込むように唇が動く。

「どうしてあなたは、こういうこと一つできないの。

 ほら、あの子なら、とっくに終わっているはずよ」

 母の声が壁に跳ね返るたび、空気がひやりと揺れた。

 少年は身じろぎもせず、ただ俯いたまま沈黙に沈んでいく。その背中の丸みや、肩の力の抜け方が、妙に胸の奥にひっかかった。

 少年の喉がかすかに鳴り、短い息が漏れた。

 その音を聞いた瞬間、なぜだか息を止めてしまう。

 ただの傍観者なら気づかないような、小さな音だった。

「本当に……どうしてこうなのかしら」

 母が吐き出した言葉が、少年の頭上に静かに落ちる。

 その重さが、こちらの胸までじりじり響いてくる気がした。

 見ているだけなのに、息苦しさだけは分け合ってしまう。

 少年は顔を上げないまま、影だけがさらに深く沈んでいく。


 

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