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14-ひとつの例
ボピ「例えば、子供を病気で亡くして、悲
しんでいる母親がいたとしまちゅ」
海斗「急に例が深刻になってきたね」
ボピ「でも、全ての存在は一時的な現象で
あり、確固たる実体ではないということ
が理解できれば、いつまでも悲しんでい
る必要はなくなるでちょう」
海斗「魂とか霊魂のようなものはない、と
いう意味かい?」
ボピ「たましいとか霊魂と言ってしまうと
別のニュアンスが入ってしまうので、
ここでは自我と呼ぶことにしまちょう」
海斗「自我とは色んな情報や感覚の受け手
であり、さらには、何かの行動をおこす
ときの意志の元になるものだね」
ボピ「はい。原始仏教ではこの自我も実体
ではなく、何かと何かが反応して生じた
一時的な現象であると考えるのでちゅ」
海斗「全ては一時的な現象で、永久に存在
するものではない。だから、いつまでも
悲しむ必要はないということだね」
ボピ「そういうことでちゅ。そのことが
理解できれば、この母親も悲しみを乗り
越えていけるのでちゅ」
ーつづくー




