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Black Historia  作者: RPGropure
第一章 Resistance of Novalues -無価値なレジスタンス-
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第八話 covert training -訓練後、作戦の実行-

 アジトに戻りアンダーと小夜はキッチンに行き、結城が価値無し達の訓練の監視を任された。

 結城に戦闘経験は無いためアンダーから指示書を貰い、各個人にその指示を伝え怪我等が無いかしっかり監視をし、約二時間の運動をする。

 その後皆は一度汗を流しにシャワーを浴び、昼食を摂りに食堂に向かうと既に皆のテーブルに食事が置かれており、皆腹を空かせていたのか我先にと自分の席に腰を掛けた。

 本日の昼食はチャーハンと卵スープらしく、カニカマやエビなどが具沢山に盛られたチャーハンは

 かなりボリューミーな内容になっており付け合わせの卵スープもとろみがあり、非常にコクがある。

 昼食を終え、午後からはスーツを着た訓練の為皆は一度倉庫に集まり、自分のスーツを着て倉庫の前に整列する。

 どうやらノインとハチの潜入ミッションへの訓練とし、ゴールまでノインとハチは誰にも見つからずたどり着きエアホーンを鳴らす、実際の潜入ミッションを模した訓練を実施する様だ。


「よーい、始め!」


 アンダーの合図で訓練が始まる。

 最初の数分間でノインとハチ以外が森の中に入っていき、他の準備が整い次第二人は森の中に入っていく。

 二人は隠密用のアサシンを使うノインが先行し、安全が確保でき次第ハチに合図を送るという作戦のようで、慎重に足音を殺し草をかき分け進んでいく。


「確かに音を聞くのは難しいな」


 アンダーが最初に言っていた複数の音から必要な音だけを聴きとるのは難しい。

 今は訓練のため森を使っているが木々の葉擦れの音や鳥の鳴き声、自分の出す足音などもあるため周りの音に巻き込まれ本来聴きたい音は微塵も届かない。

 今は森の中なのでそれなりに他人の動く音は聞こえるが、これがコンクリートの地面の上でかつ、さざ波などの音が聞こえようものなら足音はほぼ聞こえないだろう。

 だがそれは相手も同じ、音が少ないなら相手も自分も視線にさえ入らなければ位置の特定は難しい。

 出来る限りグラップルを使い一回の移動距離を大きくし、移動しては足を止め周りの音を確認する。

 そして確認が終わり次第ハチに合図を送り、来るように伝える。

 ハチは今回空中移動はせず自分の足で移動しているが、もし隠れる場所がない場合は空中に退避するかもしれないので、いつでも飛べるようにスタンバイをするようにノインは指示を出している。


「あれはセツコにカトル……こっちには気づいていないな……」


 森の入口からゴールまで一直線には来ず、右から迂回するように歩いてきた為セツコとカトルが離れた位置に見える。

 となると他のメンバーも入り口からゴールまでの直線状に配置されている可能性があり、上手く出会う事無く無事にゴールに辿り着けるかと思われた。

 しかしゴール付近に近づき、辺りを見渡すとまさかの三人も待機しており、突破は困難を極めている。


「皆揃いも揃ってあそこに固まるとは……」


 ゴール付近で待機しているのはサン、ピーチャ、セイの三人であり、サンは全方位に目があるのと同じで、背中にある六本のレーザーガンにはカメラアイも搭載されている。

 ピーチャはツインアサルトというスーツを着ており、アサルトライフルを標準搭載しナイフとハンドガンも持っているバランスのいい装備をしており追加で索敵ドローンも保持している、厄介なスーツである。

 幸いまだ索敵ドローンは飛ばしていないのか、背中に背負ったままである為索敵の心配はない。

 だがセイのスケアクロウも厄介で、罠を張られていると静かに近づいてもばれてしまうだろう。


「ハチ、お前は飛ぶのとハッキング以外に出来る事は無いのか?」


「うーん……AIに聞いてみる」


 AIコミュニケーションをオンにし、ハチがE-1008 8-BのAIとコンタクトを取る。


 〈お困りの様ですね〉


「この状況を打破するにはどうしたらいい?」


 〈ノイン様が透明化し、その後にハチ様が引き付ける方法が無難かと〉


「だとさ」


「……やってみるか」


 ステルス迷彩を起動し、風景に溶け込むノイン。


「どうやって引き付ければいいの? ……ねえ? おーい!」


 透明化したノインに話しかけるも、返答は帰ってこない。


「なんかこっちから声しなかったか?」


「やっばぁ!」


 先ほどの質問のせいで三人が不審に思い近づいてきたが、ある意味狙い通りである。

 ハチが一生懸命身を隠している間に、ノインはさっさとエアホーンを鳴らす。


『え? いつの間に!』


 三人そろってエアホーンのなった方に振り返ると、天高々とエアホーンを掲げているノインが居た。


「少しは気づけよ」


 呆れた声でノインは呟く。


「おいおいノイン、いつの間にお前そこに!」


「今ハチが大声を上げたあたりで透明化してすれ違った、と言うか皆で見に行ったら簡単に接近できるに決まってるだろう」


『そうだった!』


「…………アホか」


 何はともあれ訓練は無事終了し、スーツの整備をするため価値無し達は自室に戻り夜の作戦まで体を休める。

 そしてついにレジスタンス初の作戦が始まる時刻になり、ノインとハチはスーツを着て外に出る。

 近くの放棄された滑走路の上でエンジンのかかった輸送機が離陸の準備を始めていた。


「早く乗れ、出発するぞ」


 運転席のアンダーがローター音に負けない声量で叫ぶ。


「こんな大きいので行くのか?」


「仕方ないだろ、これしか無いんだから」


 隠密作戦には過剰なサイズな機体だが、これしか無いなら仕方がない。

 結城、ノイン、ハチは貨物機に乗り込み離陸の準備を始める。


「軍港の北に着いたらノインはハチと一緒に降下してくれ、ハチの使ってるスーツなら二人ぐらいは大丈夫なはずだ」


「了解だよ!」


 アンダーのアナウンスに大声で返事をするハチ。


「それじゃあ快適な空の旅に出発だ!」


 貨物機はゆっくり前進を始め、陸から離れる。

 高度はおよそ10000メートルに上り、それから徐々に機体は水平になり安定を始める。


「残り数十分で着くはずだ、気合入れろよ!」


「所で無線って何処にあるんですか?」


「無線なら操縦室ですよ」


「え?」


 後ろを振り返ると、搭乗時に一緒に居なかったはずの小夜がなぜかライフジャケットを身に着けながら貨物機に乗っていた。


「いつの間に? それになんでライフジャケット?」


「結城さんが乗るより前に乗り込んでおりました、ライフジャケットを着ているのは迎えの時にボートに乗るからです……あ、結城さんの分もありますよ?」


「あ、うん……ありがとう」


 にしても少し気が早い気がするが、時間も押しているので突っ込まないことにした。

 これから約数十分のフライトの中、作戦概要をおさらいしていた。


「軍港内の貨物集積所は視線を遮るものが多いから隠れられるかもしれないけど、それ以外は難しいから常に気を張り続けててね……一応この貨物機は水上機でもあるらしいから遠くの海に停めて、そこから指令を送る予定になってるから何か異常があったら言ってほしい」


「了解」


「じゃあおさらいだけど……」


 約30分にもわたる作戦会議で綿密なルートを決めてから数分。

 目的地の上に着き、降下準備を始める。

 貨物機のハッチが開き、眼下には海岸沿いに建てられた軍港が見える。


「二人とも、無事に帰ってきてね」


「任せて!」


「了解」


 ハチがノインを抱えるようにハッチから降りていく。


どうも、新人賞用に書いていた作品が締め切りに間に合わない男です。

いや、締め切り直前に残業し過ぎでは俺。

今の仕事を辞めるのに必死になっちゃいるが流石に体力持たんわ。

後、眠気に弱すぎ俺。


という訳でぇ!

次回はいよいよ最初の作戦!

多分今までで一番長い一話になるでしょう!


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