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17 鬼ごっこ

 しかし、異世界ならまだしも、こっちに戻ってきてから人間に攻撃されるとは思わなかった。

 手の甲で血を拭い、殴られた拍子に痛めた首をさする。それを見かねた徳さんは渡世にペットボトルを差し出してくる。


「大丈夫? セーフハウスの水は微弱な回復効果もあるから」


「助かります」


 セーフハウスの水で頭の傷口を洗い、これからどうするか考える。

 ここは異界だ。もう日は陰ってきている。あのピアスの男たちだけでなくモンスターも危険になってくる。≪女王の庭園≫のモンスターは夜行性が多く、暗くなると女王たちも活発に動き出す。


「徳さんはホイールルートに向かってそこからスポーン地点に帰ってください」


「わ、渡世くんはどうするの?」


「あいつらは俺が狙いだから別ルートで帰ります」


 まあ≪賢者のお守り≫関連だろう、あいつらの目的は。

 特殊なドロップ方法は利権になり得る。異世界でも別に珍しいことではなかったし、もっと極端に苛烈だった。やはり社会体制が整っているとああいう輩もだいぶ緩くなる。


「囮ってこと? それは――」


「いや、ぶっちゃけ俺が徳さん巻き込んでるので。今思い出したんですが、昼に湊さんに異界に入るなって言われた気もします」


「えぇ……?」


「せっかく湊さんに忠告されていたのに完全に無視した形になってますから、後で怒られるかもしれませんね」


 正直な所、あいつらより湊さんの叱責の方が怖い。


「なので先に帰って警備隊員を呼んできてもらえると」


「そうするけど、本当に大丈夫?」


 本当に徳さんは人が良い。巻き込まれで腹を蹴られ、俺が湊さんの忠告を無視したから起こった自業自得だというのに。


 ――だからこそ、徳さんの腹を蹴ったあいつらには落とし前をつけさせなくては。


「大丈夫ですよ。俺は鬼ごっこが得意なので」


主人公が悪い。


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