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迷宮攻略開始

「え?命?命って地域によって呼称が変わりライフ、生命、魂などとも言われるあの古来から人類の研究課題であり奪われたら死ぬあの命?」


「そうですその命ですが面倒くさいのでその言い方はもうやめてください」


「で、肝心の暴君の能力は?」


「忘れてました、自分より弱い敵の動きを止める「威圧」と奪った敵の…その生で獲得した「知識」「経験」「技術」…そして、竜王以外が唯一できる事…その敵の「スキル」を奪う「魂魄献上」、この2つです」


「えと…聞くかぎりかなり強いですね…先程の代償はどのタイミングで発生するんですか?」


「はい、敵から何かを奪い、奪える全ての物を奪ったその瞬間に1度、何かを奪っていきます」


「それはランダムで奪われていくんですか?」


「いえ、ある程度方向性があるようです、奪ったものの大きさによって奪われる物が大きくなる確率が増えるみたいです」


「あ…それなら安s」


「ゴブリンを倒しただけで命持ってかれた人もいるんであくまで方向性ってだけですけどね」


「なんてこったい」


「ま、まぁ流石にゴブリンを倒したくらいではそうそう命を取られることは無いと思いますが」


「はは、ですよね…」


「エルフェさんがギルドに来るの久しぶりなので随分と前からあったかもしれないと言うことを考えると…ゾッとしますね」


「一日12体程度モンスターを狩っていたけど…あーこれ考えちゃダメな奴だ」


「…それとですね」


「なんですか?」


「このスキルはその性質故に冒険者をやめる人が多いんです…それで、その」


「あぁ、僕は辞めたりしませんよ」


「本当ですか!」


「はい、だってー


   いつか殺したい奴がいますから」


にこやかな笑顔でそれを語る、あたりの賑やかさは消え、冷たい空気が当たりを漂い始める


「あ、これ言っちゃダメな奴でしたね」


が、一瞬で消え去った


    「「遅いわ!!」l


〜〜〜


「いや〜、しかしまさかこんなことになっていたとは…」


迷宮を降りながら二人は会話する


「こまめに更新しないからですよエルフェ様」


「あはは…ギルドの昇格試験も飛び級で受けられるような数値だったしなんか色々信じられないよ」


「おそらく早いうちからネロが発現していたのでしょうね、あの数値はそうでもないと説明がつきません」


「途中ではぐれのミノタウロスとか結構な大物とか討伐してて…ひぇ…」


ゴクリ


「こ、これは考えてはいけませんね…っ!」


喋りながら歩いているといきなり現れる次の階層へとつながる扉、その紋章、数字はエルフェが立ち止まっていた階層を表している


「さて…トラウマの階層に行きますか!!」


「はい、この私唯一の出番…きっとお役に立ってみせます!」


「いやそんな悲しいこと言わないの」


「はい」


気を取り直して扉を開けよう


僕は一歩、また一歩と扉の方へ向かい歩き始めた……一歩、また一歩と通り過ぎてゆく


「通り過ぎないでください」


「はい」


「往生際が悪いです」


「はい、すみません」


「私は光魔法が使えます、それも上位の、この階層程度のスペクターなら相手にもなりませんよ」


「うぅ…でもやっぱり怖いものは怖いですよ」


「仕方ありませんね…私がついています…こんな体ではありますが精一杯エルフェ様をお守りします、私を信じていただけませんか?」


僕は何を怖気付いていたのだろうか


彼女、ソフィアさんはかつてSランクの冒険者だった、こんな低階層で遅れをとるはずがない

それどころか彼女に心配をかけてしまった…


「…ありがとうソフィアさん、二人で攻略してみせましょう!」


こんな階層、僕達の敵じゃない!!


※ ×僕らの敵ではない


 ⚪︎ソフィアの敵ではない


そう思っていた時期がありました


「いやぁああああああああ!!!!なんだよあいつ!!!!」


轟音を立てながら後ろから大きなバケモノが追いかけてくる


「ひ、光魔法の効きがいまいちですね…おそらくスペクターではありませんね」


「新たな発見、ソフィアさんて意外にお茶目!?そうじゃなくて!!!何でここにドラゴンゴーレムがいるんですか!!」


ドラゴンゴーレムはドラゴンの形をした3m程のゴーレムだ、本来中階層以下の階層で出てくる中堅モンスター、こんな浅い階層に出てくる訳がない


「おそらく下層の階層主の入れ替わりでゴタゴタがあったのでしょう、でなければ他は説明ができません」


「くっ!石像のくせに動きが速い!!ソフィアさん何か手はありませんか!?」


「…少しだけ時間を稼いでいただけませんか?魔法の詠唱に入りますので」


「わかりました!!」


エルフェは構えていた2本のダガーを鞘に収めるとバッグからアイテムを取り出してばら撒く


ドラゴンゴーレムの足元が段々と泥沼に変わってゆく


「合計30個の泥沼の魔術珠、これでしばらく時間を稼げるはずです!さらば僕の2ヶ月分の収入!ビバ!もやし生活!」


「エルフェ様、まだ来ます!」


「嘘だろおいぃ…ソフィアさんの詠唱はあとどれくらい?」


「あと僅かです、30秒もあれば」


「分かりました…少し無茶な動きをしますんで舌を噛まないように注意してくださいね」


「え?」


「我流体技…超加速(Over Drive)!」


身体中の魔素の回りを意図的に加速させ体の稼働限界を一時的に突破するエルフェが独自に会得した技、使用者にかなりの負担を強いるがその間の身体能力は凄まじい向上を遂げる


「はぁ、はぁ…でぇりゃぁあああああああ!!」


肺が軋む


足が痛い


腹が握り潰されるようだ


心臓が爆発しそうだ


もう無理だ…体が…動かな-


「ありがとうございますエルフェ様、全ての詠唱が終わりました…中級{神意}魔術《天啓ノ鏡》!!」


追ってくるドラゴンゴーレムの前の光が歪む


「目眩し!?」


「上級{神意}魔術ルミナス!!」


膨大な量の光がドラゴンゴーレムに殺到する、しかしそれでは終わらない、天啓ノ鏡によって増幅された光はドラゴンゴーレムの体を急激に加熱させる


「これで終わりです…極級{竜王}魔術《氷竜踏世》!!」


限界まで加熱された石は急激に冷やされるとバラバラになって砕け散る


それをドラゴンゴーレムでやってのけたのだ


ドラゴンゴーレムは断末魔の咆哮をあげると砕け散り、魔核だけが残った


「勝った…?」


「ふぅ…久々でしたがうまく行きましたね」


「勝ったぁああああ!」


「ありがとうございますエルフェ様、エルフェ様が時間を稼いでくれていなければ魔術は打てませんでした」


「ソフィアさんの魔術はやっぱりすごいですね…子供の頃見た時も凄まじかったけどさっきのはそれ以上です」







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