3話 そういうパターン
「もしかしてキミも異世界転生してきた?」
雪からの質問に対して俺は驚いた。
…え?これ同じ体験(転生)することってあるん?ここってそういう異世界なん?
「え、ああ、おおおう…せやで?ついさっき転生してきたんや」
また謎の関西弁が発動してしまった。
落ち着け自分よ。異世界転生なんてよくある事だろう。そうだそうだ。
「俺は荻原悠、よろしくな成松雪…なんとなくWebで自動生成された名前っぽく感じるな……」
形だけの挨拶も程々に転生して?されて?させられて?今となってはどうでもいいが少しでも良いからこの世界の情報が欲しい。
「ところでここは……」
あーそうだよねと雪が続ける。
「ここはご察しの通り、俗に言う異世界だ。」
「僕は3日前、現世と言えばいいのかな?元の世界で世紀末の様な通り魔に刺されて、刺された場所が悪く死んでしまった…」
「そして目が覚めたら体が縮んでしまっていた!って状況は無く、隣町近くの草原に居たんだ。」なんやねんそのボケ、とツッコミはしなかったが悠は心の中で思った。
「目が覚めて暫く状況が飲み込めなかったけど、ライフゲージやステータスが分かる事に気付いたら何となく把握できたよ。」
「いや、状況の飲み込み早っ!」
え?2回目なんですか?転生生活周回中ですか?それにしても、そんな早く状況飲み込めますか?え?え?俺の感覚がおかしいのか?と悠がアホ面でポカンとしていると雪は笑った。
「異世界転生仲間がいて安心したよ!今まで不安だったんだ、これからはお互い協力していこう!」
ここは異世界だ、何が常識かも分からない、そういう状況で仲間がいることは確かに心強い。
「こちらこそよろしくな。雪。」
ここから悠と雪の物語が始まるのだった。