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学園生活スタート

ざわざわとした教室に足を踏み入れる。

私に気が付き、一気にシーンと静まりかえる。

(うぅっ、気まずい。)


急に倒れて、入学式も欠席。

王族が入学すると、新入生代表挨拶をしなければならない。

せっかく練習して暗記した挨拶もすることなく、いきなり3日間も休んだ第三皇子。

そりゃ、注目の的ですわっ。

学園側とのやり取りや必要な事は、ルーカスが全て終えてくれてある。


若者だらけの教室にドキドキが止まらない。


「お席はこちらです。」

と、ルーカスに連れられていく。


「シャルル殿下!」

と、品の良い声で呼び止められ振り向くと、見覚えのある公爵令嬢クリスティーナ・ハミルトンが居た。

知った顔を見つけ、ホッとした。

公爵令嬢であり第二皇子の婚約者である彼女は、凛とした佇まいで流れる様な挨拶をした。

流石である。


「よろしくね、クリスティーナ嬢。」

ニコッと返事をする。


王家へ嫁ぐ彼女は、とてもしっかりしていて好感がもてる。

兄に恥をかかせないように、小さい頃から教育をうけてきたのだろう。

数年後には義姉になるのだ。仲良くしておきたいな。


その後も、爵位順に挨拶がやってくる。

貴族社会というか、こういうのが面倒くさい。


そして、一際ニコニコした女子力全開のゆるふわな雰囲気のご令嬢がやってきた。


「シャルル様!もうお加減はよろしいのですか?」

いきなり声をかけられて戸惑う。

誰???

「入学式でお会い出来るのを楽しみにしておりましたの!体調崩されたとお聞きし、心配で胸が張り裂けそうでしたの…。」

ウルウルした瞳で見つめてくる。

え?何か馴れ馴れしくない?初対面だよね?


見かねたのかクリスティーナが戻ってきた。

「ミア・グレイ様、ご心配はわかりますがシャルル様が驚いてらしてよ。」

柔らかく名前を呼んで、窘める。


「心配のあまり、失礼致しました!ミア・グレイと申します。」

顔を赤らめて、微笑む。

周りの男子達の目がハートだ…。


「…こちらこそ、よろしくね。」

負けじと微笑み返しておく。


「「「きゃ〜ぁ〜」」」

何か遠くで黄色い歓声が聞こえた気がする…。


グレイ家…男爵令嬢か。

確かに可愛いが、おばちゃんの勘がこの娘は信用ならないといっている。


ふと横を見ると、ルーカスの表情が冷え冷えと凍っている。

あ、やっぱりね。

よし、要注意人物に認定。



……………………………………



授業も終えて、寮に戻り自室でお茶をする。

やはり、メアリの入れてくれる紅茶は美味しい。

もともとが紅茶派だったせいか、小さな頃からメアリの紅茶を飲んでいるせいか、とても落ち着く。


「さて、ルーカス。――グレイ男爵令嬢について教えて。」


「グレイ男爵はかなり黒い噂のある人物ですね。あのミア・グレイは侍女に産ませた娘のようです。ただ、侍女が産んだにしては魔力量が桁外れです。それを良いことに、この学園に入りシャルル様と同じクラスになりました。近付いて恋仲になるよう画策している様です。」


業務的な説明に、予想通り過ぎて呆れる。


「うん!あまり関わらないように行こう。」


―「お任せください。」―

ルーカスの冷たい笑顔に信頼を寄せた。



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