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謎の光

胡乱な目で見られるかと思ったが…。

ルーカスはただひたすらに眉間に皺を寄せて、眼を伏せた。


(固まるよね〜。そうだよねぇ。)


こんな、自分の娘と歳も変わらない青年に…

頼って話してしまった。

うー、中学時代オタクでファンタジー大好きだったから、どうにかなりそうなんて―――思慮不足な脳みそでごめんなさい。


「…つまり」

こちらをジッと探る様に視線を向ける。

「貴女は、この国ではない場所…時代で亡くなり、生まれ変わったと。魔法という概念のない世界。

そして前世は女性であったと。」

コクリと頷く。


日本における女性の平均寿命は80代。この世界では長生きしても60代。40歳目前だった私はかなりの大人なはず。おばあちゃんに近いのだ。

この世界では普通に幼少期から婚約者が居たり、17歳〜20歳が結婚適齢期。つまり15歳でも侮れないほどしっかりしている。

そしてルーカスは魔力が見える特殊な能力がある上、勤勉で頭が良い。私が知らない独自のルートと繋がりを持っている。私達王族を守る為に。

ただ、やはり申し訳なさで心苦しい。 


「もしかしたら、その事が関係あるかもしれませんね。」

は?何で?意味がわからない。

「…同じ光…。あの時シャルル様が纏われた魔力の光と、今の輝きが同じなのです。」

「え?」

 

「いつものように魔力を押さえ込む事は可能ですか?」


本来なら、学園で魔力の扱い方を習う。

普通の王族以上に…多過ぎる魔力があると気がついた時、私は危機感を覚えたのだ。そして多過ぎる魔力を封じ、周りに気がつかれない様に調整したのだ。

身内からそんな魔力持ちがでれば、継承争いが勃発する可能性がでてしまう。私は父や兄達が大好きだ。上位貴族達に知られてしまったら、いい様に利用される。

そして何より、王になりたいとは微塵にも思わなかった。


目を瞑り息を大きく吸い、魔力を封じ込めてみる。

『えー、せっかく力分けてあげたのにぃ〜。ざぁ〜んねん。またよんでねぇ〜』

と、頭の中に言葉が響き――静寂が戻った。

(呼ぶって?誰を???)


目を開くと、ルーカスの安堵した顔がこちらを見ていた。


「…戻りましたね。」

その言葉を聞いて安心したのか、私はまた倒れてしまった。


意識がはっきりした時には、寮の自室のベッドの上だった。

どのくらい意識が無かったのか…

入学式は終わっていた。

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