ルーカス視点
私の主人である、王家の第三皇子シャルル様。
小さな頃から側近としてお仕えさせて頂いている。
何故…身分の低い自分を側近として選び、友と呼んでくれるのか?
不思議な方だ。
プラチナブロンドの真っ直ぐな髪に、深い紺碧の瞳。
鼻筋の通った、線の細い美しい少年。
木漏れ日の下、振り返ったその少年の笑みに心臓が掴まれたかの感覚に囚われた。
幼き日の出会いだった。
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大切な主人が突然、苦痛に顔を歪め頭を手で押さえ倒れてしまった。
床に身体を打ち付けてしまう前に、どうにか間に合い支えられた。
一瞬、シャルル様の纏っている魔力の流れが乱れた!
魔術か!?
頭の中に、外敵の不安要素が溢れてきた。
私は幼い頃から人の魔力が見える。
この国の貴族や王族は皆魔力があり、多かれ少なかれそれぞれの色を纏っている。
魔力の強い者、特に王族にはかなりハッキリとした朱色と輝きがみられる。
無論魔力が強いからこそ、この国を保っていられるのだ。
それなのに……
倒れたシャルル様が目を覚まされた時、その身を覆う魔力が七色に輝き、凪いだ湖のように淡い水色へ変化していった。
何か起こったのか…探るよう見つめていたが、特に何かの魔術が発動したとかの気配は無い。
再度、呼びかけると
「すまない、心配かけた。もう大丈夫だから。」
そういつもの笑顔で言われ、安堵した。
一瞬の事だが、聞き慣れない言葉が聞こえた気がした。
(「…イケメン…」とは何か…?)




