日常にもどり
連休も明け、学園生活に戻った。
結局、アーサー兄上の婚約披露パーティーも参加できなかった。
悲しい…………。
あれから、こっそり女神になったり戻ったりを部屋で練習している。
ただでさえ元から魔力は多かったのだが、女神になると更にアップしている。全く枯渇の心配も無いので、学園で習った魔法陣を色々組み換えて試してみたりもする。
倒れる事はもう無くなった。
ちょっと楽しくなってやり過ぎてしまうと、ルーカスに嫌な顔をされる。
が!私は気にしない。女性物の服も揃えようと検討中だ。
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さて、今日は連休明けテストの結果発表日だ。
上位トップ3は予想通り。
王家の人間がトップを取るのは当たり前だ。国の為に小さな頃から徹底的に教え込まれている。
勿論、常に側で仕えるルーカスもだ。
クリスティーナ公爵令嬢は、さすが時期アンドレ兄嫁。優秀だ。一応、王妃の教育も受けてきたのだろう。
4位以下は…
あ、ダメだ名前と顔が一致しない。
顔貌は一度見たら忘れない。元美容のプロですから!
ただ、純日本人だった私は横文字名前が覚えるのが、ものすご〜く苦手だ。
「シャルル様は流石ですね!」
と、声をかけられた。
確かクラス委員長をやっている…藤色の髪にキラキラした黒い瞳で人懐っこい美少年。アシュリー侯爵の所の嫡子…。
ええ…っと。
「やあ、ミハイル。君こそやるじゃないか。」
名前を呼び返事をすると、嬉しそうに微笑む。
インテリっぽくもないのに頭が良い。文武両道、全て卒なくこなし人望もある。
彼が領主になったら、アシュリー領は安泰だろう。
授業も終わり、図書館へ向かう。
一瞬、何処からとも無く、視線を感じた…。絡みつくような嫌な感じだ。
周りを見ても特に不自然さは感じない。
ルーカスも感じたのだろう、茶色の瞳は油断なく動く。
違和感の原因が突き止められないまま、図書館に着いた。
シンプルだが品良く建てられた大きな建物だ。
中に入ると、司書らしき人物と話をしている男の姿がある。
こちらを振り返ると、話しかけてきた。
「放課後に勉強とは感心だね。シャルル君。」
サラサラの短めの銀髪を後ろに撫でつけた髪型の、長身で均整のとれた28歳独身の美青年。担任の先生だ。
この学園では皆平等を謳っているため、教師達は――君、――さん、と敬称を統一して呼ぶ。
なんだか、小学生の頃を思い出すな…。
ちなみ、このオンディーヌ学園で教師になれる人間はかなり貴重な存在だ。
知識教養、魔術に剣技と、相当なレベルをクリアしていないといけない。そして、国のトップ文官たちに身元を徹底的に洗われる。そんな凄い出来た人なのだ。
何故独身かは知らない。モテる要素しか見当たらないが…?何か人には言えない悩みでもあるのだろうか?イケメンなのに可哀想に…。
「ちょっと歴史の授業で分からないことがあったもので、調べて見ようかと思ったのです。」
怪しまれないように、言い淀みなく答えておく。
もちろん、第三皇子らしく爽やか笑顔を添えて…。
それは感心とばかりに去って行った。
司書を通して、限られた者しか入れない王家専用秘蔵書庫へ向かう。
ルーカスを専用入り口で待たせ、中へ入っていく。
そこには、見た事のない蔵書が沢山あった。




