転生しました
よろしくお願い致しますm(_ _)m
ーーー頭が痛い。
重い目蓋を開くと、見慣れない高い天井―――
どこだ、ここ?
ズキンッ!
頭が痛い…。
ああ、そうだ。
娘が彼氏を紹介し、みんなで食事をした片付け中にいつもの…いや…いつもと違う頭痛が来て意識が無くなったんだ。
とても優しそうで、本当に娘を大切にしている彼を見て…嬉しかったなぁ。
でも倒れちゃって心配かけたよね、きっと。
それにしても!
ここは、どこだ?
病院―――?な、わけないな。
見慣れない、豪奢な天井にキラッキラのシャンデリまで?
取り敢えず、脳梗塞とかではないか指を動かして見てみる。
―――!?
普通に動く、痺れも無い。
が!
誰の手だ?これ?
昨日チェンジしたばかりの、お気に入りデザインのジェルネイルが無い?
短い爪。しかも、透き通るような綺麗な肌。
でも!!
これは男性の…手…。
「うっそ…!」
―――!?声まで―――!
あり得ない!
発した筈の自分の声まで、男性のものだ。
呆然としている中、バタバタと慌てた様な幾人かの足音が聞こえてきた。
「「「殿下!」」」
「シャルル様!」
意味不明。
なんなの、この人達。
日本人には有り得ない顔立ち。中世のヨーロッパを思わせる服装。
あら?
でも、言葉はわかる?
頭の中がはてなマークでいっぱいだ。
「…シャルル様っ!」
物凄く良い声だな。と、思って目を声の方へ向けると…
心配そうな瞳でこちらを窺う、薄茶色の髪を束ねた端正な顔立ちの男の子。
歳は17〜8才かな?
――ズキンッ!――
また目の前が暗くなった。
次に意識が戻った時、全てを思い出した。
私はたぶん…死んだのだ。
そして、転生?というやつだろうか。
日本とは全く、根本から違う世界。
異世界で生まれ変わったのだ。
私はこの国の第三皇子。
シャルル・フォン・アストレイヤ。
つまり、王族の三男坊。
長男である第一皇子、アーサー・フォン・アストレヤが時期王となる。
つまり、皇太子だな。
次男である第二皇子、アンドレ・フォン・アストレイヤは第二継承権がある。
三男である、私…所詮第三皇子。
周りに期待されず、適当に育ってきた。
適当とはいえ王族である為、最低限の勉強や剣技、武術、マナーや政治については完璧にこなせる。
ちょっと卑屈になる時期もあったような気もする。
だが!
ふふ…ふふふふふふ…
自由である!