石化解呪の巻
人の屁の臭いが駄目なんです。
依頼を受けたメラニーはさっそく王宮にある王子の石像を前にしていた。
王様はメラニーに声を掛けた。
「其方に解く術はあるのか?私の息子はこの国の為、魔物を撃ち倒したが呪いにかかりこの様な姿に…」
「お任せ下さい、必ずや王子様を救って見せます。但し魔法行使の際かなり危険な為、この場から離れて待って頂きたい。」王様はこれに難色を示したが、メラニーは頑なに魔法の危険性を訴えて王様が折れた。
誰もいなくなった王子の部屋でメラニーは石像を観察し終えると、颯爽と解呪の魔法を行使していく。
「ブッ」
「ブペッ」
「ブビー」
相変わらず屁と共に魔法を行使し続けてようやく、石化が解呪された。
しばらくすると美少年と呼ばれてもおかしくはない王子が目を覚ます。
「うっ、くっ…」王子は苦しそうに目を開いた。目の前には美しい魔法使いが微笑んでいる。「目が覚めましたか?王子様。私はメラニー、王子様の石化の呪いは私が解呪致しましたのでご安心下さい。」王子は目を大きく開いて驚愕した。「これほどの優れた魔法使いがいたとは!それにまだ若く美しい…メラニー殿、感謝する。」「そんな、美しいだなんてw」メラニーは男性にまったくモテない。呪いのお陰で男性は鼻をつまみながら逃げていくのである。毎度魔法を行使する度に呪いを発動させ、幻滅し皆男性は逃げていくのである。頭に来たメラニーは毎度逃げていく男性に攻撃魔法をぶつけていたので、ギルドと街の男性はメラニーには近づかない。しかし何も知らない王子はメラニーの手を握り「よろしければ、またお会いして頂けないだろうか?」「えぇ、喜んで。」メラニーはうっとりしながら王子の手を握り返す。その時メラニーの肛門が警告を発した。『もう我慢の限界だ!!放出しないと爆発する。』小刻みにメラニーが震えだす。(まずい、こんなところで…くっも・・・もう限界だ)限界とみるやメラニーは全速力で王子の部屋を出て近くにある近衛兵達がいる待機部屋に飛び込んだ。
『ブゥ〜ピー』と炸裂するメラニーの屁をいきなり食らった近衛兵達は意識を無くしその場で倒れてしまった。「失礼しちゃうわ、気絶するほど?」しかし先程の魔法行使がかなりこたえたのか、まだまだ出そうだ。「仕方ない、ギルドへ戻ろう。またね、王子様」
メラニーはギルドへ転移した。屁を残して。
『プ〜プスッ』
ギルドへ長への報告を済ませたメラニーは職員達に感謝の言葉で迎えられた。
「さすがはメラニーさんだ。」
「世界一の魔法使いですね。」
「美人でスタイルも抜群ですよね。」
「くっせぇカッコイイですメラニーさん。」
「おいコラァッ、今最後のくっせぇっていったの誰だー‼︎」職員達の中からこっそり逃げようとする小柄な女性職員と目が合った、リサである。
「待てコラァー」リサは慌てて逃げていく。
「このギルドを救ってくれて助かった、メラニー。有難う」「別に報酬が貰えればそれでいいわよ。それより、アンタ達はあの程度の解呪も出来ないとは情けないわ。」メラニーはギルドの魔法使い達を見回してため息を吐いた。
「少しは私を見習って魔法鍛錬に励むことね。」と吐き捨て転移魔法を行使して帰っていった。
「ブッ」屁を残して。
ギルド内は何時もの様に異臭が漂っていた。