ソフィアスJr.爆誕
カサカサカサカサ
「あぁうー・・・」
「ひっ!!こ、これは!?」
「おや、そんな所に居ったのか」
「だぁうー、あぶぶぅ」
あ、あのみなさん。聞いてください。
まったく理解を超えていたのだが・・・あ・・・ありのまま、今、起こった事を話すぜ!
そこにはソフィアス様そっくりな赤ちゃんが居たんだ・・・。
な・・・何を言っているのか、わからねーと思うが、おれも、何を見たのかわからなかった・・・頭がどうにかなりそうだった。幻覚とかドッペルゲンガーとか、そんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・。
ってな感じで良い具合に混乱してしまいましたが、いやいや、何だこれは。
「ぅぶー。リリ・・・」
私の方を見てリリって言いませんでした?後ろを振り返っても誰も居ません。
「それは、突然変異したタマタンなんですがタマタンというよりも人間に寄ってしまって誰も面倒を見たがらないので私が世話をしているのですが・・・」
「えぇ!?それ、タマタンなんですか!?」
「おぉ、そうでした。リリーシュカさんが連れ戻しに来た少年の汗から作った肥料を撒いたら生えてきたのです」
「ひぇー、えっ?ソフィアス様の汗から出来たタマタンて事ですか!?」
「あぶぁー!リリシュカ!」
「ひぇぇ!私の名前を呼んでいます!!」
「恐らく少年の念が強かったんでしょうなぁ」
念?怨念とかじゃないですよね・・・。うわぁ。怖っ!!
「どうです、リリーシュカさん。この子もリリーシュカさんの事が気に入ってるみたいなので連れて行ってはくれませんか?」
「ひぇぇぇ!?託児依頼来たーーーぁ!いやいや、私赤ちゃんどころかタマタン育てた事無いし、小鳥ちゃん居るし。私のこども枠はもう埋まってますから」
「なぁに、適度な日光浴とタマタンの腕を食べさせてれば勝手に育ちますから」
「ひぇぇぇぇ!じゃ、じゃぁコレ食べるって事ですか?」
私はロバートのもげた腕を取り出しました。確か出汁が取れるとか言ってましたよね。
ソフィタン(ソフィアス様に似たタマタンの略)は私からロバートの腕を受け取ると、ムシャァァァと食べました。うわぁ・・・。
歯が生えていて、カタコトお喋りとたっちが出来るので人間で言うところの1歳前後なのかなぁ?ってとこです。
「んまっ!リリシュカ♪にこぉっ」
ふわぁ!にこぉって笑いました!タマタンだと思ったらキモいし怖いですが、腐ってもソフィアス様似なので赤ちゃんとして見たら超可愛いです。
いやいや、しかし。私にはまだまだやらなくてはならない事があるし、ダンジョンとか危ないとこにも行くからとても責任取れません。
「タマタンは半年過ぎたら急激に成長するので、後一週間もしたら成人するでしょう」
「えっ?そんなに早いんですか!?えーっと。でも育ったらどうすれば・・・」
「育ちさえすれば自分の意志で行動しますので余り気にする事は無いですよ。独り暮らしを始めるかもしれませんし。人間の姿をしているので、ここで暮らすよりは人間と一緒に育ってほしいのです」
「リリシュカ!リリシュカ!にこぉっ」
やべぇっ!!ぐぅかわなんですけど!
「あたい・・・あたいこの子連れてくぅ☆」
「そうですか、そうですか!大事にしてあげてください」
「はいっ♪」
うぉぉぉ!やっちまったぁぁ!!つい連れてくなんて言ってしまったけど・・・。
「リリシュカ♪リリシュカ♪にこぉっ」
んー、まぁいいか!
「アニキ!そいつ飼うんッスか?」
「お師匠様!おはよーございます」
「飼う・・・?え?じゃぁ、私はお前らを飼ってたって解釈でオッケーかな?つか、本当に数分で戻ったぁぁぁ!!」
「キノコ♪キノコ♪」
「キノコじゃないッスよ!」
「ふ・・・ふぇ・・・ぇぇん」
「こら―!!泣かすなぁぁぁ!いいですか?お前らはキノコです!今日からキノコです!」
「あ、アニキ・・・!はいっ!今日からアッシらはキノコッス!!」
「ロバートさん・・・長いものに巻かれましたね」
「とりあえず、お前らも元気になった事だし帰りますよ!」
ヒョイッ ヒョイッ
ロバギルをアイテムボックスに押し込み、ソフィタンを抱っこしてダッシュで帰ります。
「村長、ではこの子大切に育てますから!ありがとうございましたー!」
「いやいや、また遊びに来てください」
ぶっちゃけあんまり来たくはないですけどね。
「ちょーっと早いですけど我慢しててくださいねぇ」
「だぁうー。うー♪」
私はソフィたんを抱えてダッシュして帰還しました。
一目散に図書室へ行き、皆にソフィタンをお披露目しました。
「あ、リリーシュカお帰りなのだっ!?そ、そ、そ、そ、それは・・・!?」
「は、ハニィ、産んできたの!?」
「可愛い・・・」
「だー、だぁ。あぶぅ〜♪にこぉっ」
「「「可愛い〜!!」」」
「でしょぉ!ソフィアス様のこどもですよ♪」
「ふぁっ!?ほ、ほ、ほ、本当に私の子なのか?」
「こんなにそっくりじゃないですかぁ」
「私と、リリーシュカの子・・・」
私はドヤ顔で答えました。
「いいえ、私のDNAは1ミリも入っていません」
今回もお読みくださり、ありがとうございました┏○))ペコッ
なんか本日は文章の更新が上手く行かず、手こずりました。遅くなって大変申し訳ございませんでした。