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水の精霊ウンディーネ

勢いで四天王の一人、ミュゼを捕獲してしまいました。


「ねぇ、四天王ってこんなにチョロくていいんですかね?」

「ていうか、さっきのは本当に四天王なのかな?」

「とりあえず、あのこが川をせき止めていた岩をどかすわね。ドッコイショ」


ジェシーが大きな大きな岩をどかすと、今までせき止められていた川が流れ出し、それはやがて勢いのある滝となった。


「おぉ〜!!凄い迫力です!さて、ウンディーネはどこでしょうか?」


ふふ、ウンディーネ。前世のゲームとか漫画では殆どの作品で美しいお姉さんの格好をしているので実は一番会うのを楽しみにしてました!!


「下に戻ってみましょうか?」

「そうね。そうしましょう。ここらにはもう何も無さそうだしね」


私達は滝の流れが無事に元に戻ったセールジの滝を今度は下から眺めました。

下から見ると、圧巻です。

前世で読んだ、煩悩を払拭する為に修行と称して滝に打たれに行って溺れたアホなお嬢様の小説を思い出しました。正気の沙汰ではないですよね。


「シャイニー、ウンディーネの特徴ってどんなですか?」

『もー!今レッスン中だったんだけどなぁ。ウンディーネは見ればわかる!!以上!じゃぁねっ!』

「ちょっ!!」


レッスン・・・今レッスンって言いました!?何の?どっかでデビューでも目論んでるんじゃないでしょうか?しかし、見ればわかるって投げやりなアドバイス・・・。


辺りを見回してもそれらしきものは見えません。・・・嘘です。少し気になるものが先程から川で泳いでいるんですけど。いや、だってあれは・・・。

ソレはチラッチラッとこちらを気にしている様子で、声をかけられるのを待ってるっぽいんですよね。


「ねえ、皆さん。アレ、見えてますか?」

「・・・えぇ。すっごいこっち見てるわよね」

「さっきから居た?」

「あっ、なんかこっちに向かって手ぇ振ってるのだ」

「・・・・・・?」

「うわぁ!こっちから声をかけないもんだから、こっちにアピールしながら泳いできますよ!?あのカッパ!!」


バシャバシャ バシャバシャ 


『ねぇ、私に用事があるんじゃないの?』

「いえ、多分人・・・カッパ違いです」

『誰か探しているの?』

「・・・・・・ウンディーネ」

『ほら、やっぱり私に用事があるんじゃない!で?何の用事?エンゲージ(契約)?いいわよ!さぁどうぞ!!』


ツァーーー・・・。コイツかよ!カッパじゃないですか!

しかも、めっちゃ乗り気なんだけど・・・。


「いえ、なんか・・・水場から離れられなさそうなんで無理には・・・」

『大丈夫!!私自分で水出せるから!!さぁ!!さぁ!!』


なんだよー。なんか悪徳業者と契約するみたいでやだよー。


「あの、何でそんなにエンゲージしたいんですか?」

『だって、今エレメンタラーズ5(ファイブ)のオーディションやってるんでしょ?』

「えぇっ!?何それ?えっ?えっ?」

『シャイニーPから連絡来てるのよ!早くしてちょうだい!!』

「えぇぇえー?しょうがないですね。ウンディーネ、ボクと契約して眷属になってよ」

『我ウンディーネ。汝リリーシュカを主と認め、仕える事を誓う・・・って何か契約の呪文テキトーじゃない??』

「これは古より伝わる伝説の宇宙生物のセリフですよ。ふふ。願い事は叶えてあげられませんけど☆」


私の左薬指の指輪から水が飛び出して、カッパ・・・ウンディーネの首に巻き付きました。水色の光がパァッと辺りを照らすと、水は首輪に変わってウンディーネの首にガシャコンと嵌まりました。

やっぱり身体がポカポカします。


ステータスを確認して、水の子スキルが付与されているのを確認しました。・・・本当にアレがウンディーネなんですね・・・。気持ち悪いです。


(不本意ながら)カッパ、ゲットだぜ!!


「さて、後は闇の精霊だけですね。何処に居るのか検討もつきませんね」

「闇の神殿ってのは私も聞いた事がないんだよね」

「一度ラディプールに戻ってみる?」

「そうですね・・・。四天王2人を引き渡しに行きましょうか」

「後は闇の神殿について聴き込みかなぁ。お城って図書室あるの?あるなら私探すの手伝うよ!少しでもハニィの傍に居たいからぁ(ハァト)」

「は、ハニィって誰ですか?」

「やだなぁ。ハ・ニ・ィ♪」


わ、わー!アミュールさんが、私のほっぺをツンとつつきました。


てってれ〜♪“リリーシュカちゃん”は“ハニィ”に進化した!!

私のどこがアミュールさんのツボだったのか未だにわかりません。


「ねぇ、ソフィアス様。私アミュールさんと半分コでいいんですかね?」

「ふふ。アミュールさんは同志なのだ。リリーシュカへの愛を私と互角に語れるのはかのじょ・・・彼しか居ないのだ!」

「えぇぇえぇー?何その基準」

「安心するのだ!夜は私が独り占めなの・・・ブッ!!」


私は思い切り杖でソフィアス様を殴りました。そこそこ力がついたので多少は痛いでしょう。

全く何を考えているんですかね。妻を他の男と共有などと馬鹿げた事を・・・。

アミュールさん・・・どっからどう見ても可愛い女の子。イケメンとカワイコちゃんを両脇にはべらす・・・。アレ?これ意外とありかもしれませんね!!


「リリー・・・。アンタまんざらでもなさそうね・・・」

「いや、もうさ、人っていつ死ぬかわからないじゃない?だからさ。人生ハッピーに過ごせたらいいじゃないですか」

「こわっ!最早ダメンズの代表みたいな事言い出したわ!」


闇の精霊・・・。なんとなく私が不安に思っている事が的中しそうで、こうやってバカな事でも言ってないと悪い方向に考えてしまいそうです・・・。

今回もお読み下さり、ありがとうございました┏○))ペコッ

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