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水も滴る麗しの君

昨夜は満点の星空の下で素敵な時間を過ごしました。神秘的でした。

今日はセールジの滝に向かいます。


「ロバート、ギルバート。昨夜は暗くて気づきませんでしたがアナタ達は日光浴すると、ヌルヌルしだすんですか?ナメコみたいになってますけど・・・」

「えっ?そんなにヌルヌルしてるッスか?」

「あちゃー、ちょっと 日 焼 け しすぎましたかね?」

「えっ!?日焼け!?日焼けなの?それ?えーーーーー!?」


腐ってる訳では無さそうなのでいいんですけど、馬車には乗せたくないなぁ・・・。


「ちょっと、ごめんなさいね」

「アニキッ!?何を・・・!?」

「お師匠様・・・まさか・・・!?」


ギルバートは2度ほど経験があるので勘が働いてますね。私はロバギルを袋に入れてサッとアイテムボックスに収納しました。

アイツらが日焼けした所でどうなるのかわかりませんが、やっぱりアイツらはジメジメした日陰に居てもらわないと。だって・・・あのヌルヌル、触ったらなんか溶けそうで気持ち悪い!!

どうしよう・・・。このままだと私、図らずも、タマタン研究の第一人者になってしまいそうです!!


「さ、行きましょうか」

「リリー、アンタ淡々と物事をやり過ごす様になってきたわね・・・」

「もうね、この世界で起きる事を、いちいち気にしてたらキリが無いですからね」

「まぁ、・・・そうね・・・」


馬車に乗って数十分でセールジの滝に到着しました。


「ねぇ、なんか変じゃない?」


馬車から降りたジェシーが言いました。


「どうしました?」

「いや、ここ滝よね?滝の音がしないというか・・・。どこに滝があるの?」

「言われてみれば静かですね・・・」

「えー、この湖みたいのが滝つぼだから、あそこから滝が流れてくるはずなんだけどなぁ」


アミュールさんは、崖を指差して説明をしてくれました。確かに、崖の一部分は木も生えておらず、山肌が剥き出しになっています。


「滝が枯れた、という事でしょうか?」

「上に行ってみないとわからないかも。あんなに激しい勢いの滝がここまで枯れるなんて絶対におかしいと思う!ねぇ、リジット」

「あぁ・・・・・・」


私達は回り道をして崖の上まで登りました。上流の川を辿って行って見るとなんと!!

全身黒ずくめのダークなオーラを纏ったイケメンが川の水をせき止めて水遊びをしていました。

イケメンは私達に気付くと、水が滴る前髪を後ろにキザったらしく掻き揚げてニコッと微笑みました。


「いや、ニコッじゃないです・・・。ここで何をしているのですか?」

「はぁーい☆ボクはここで水遊びをしているんだよ~」


見たまんまの事を言いました。やべぇ。皆話の通じなさそうな相手に、目が点になっちゃってます。


「いや、そういう事では無く・・・」

「あれ?もしかして、ボクに見とれちゃった?あはっ!水も滴る麗しの君ってね☆」


あれーーーー?なんだろこの残念なイケメン。イケメンからキモメンになるまでカウントダウン開始って感じ☆

これ・・・ウンディーネじゃないよね?まさか・・・。いや・・・。私の“まさか”は大抵当たるとはいえこれは無い。


「あの、麗しの君。お名前を伺っても宜しいですか?」

「ボクの名前?知りたい?あれあれぇ?ボクに興味沸いちゃった感じ?」


イラッ


「ふふふ。そんなに知りたいのなら教えてあげる♪ボクは魔王様に仕える四天王の一人、ミュゼだよ☆」

「「「「「「えっ!?」」」」」」


これには皆も驚きの声が隠せなかった様です。四天王・・・コイツが?最早私の中でキモメン枠に決定しました。

なんだろう、この世界に来てからというもの、ここまで『人は見た目じゃない』がまかり通る事に驚愕しています。動揺が隠せません!


「キミ達はどなた?ボク、光の子を倒すように言われてここで待ってたんだけどさー、ぶっちゃけ興味無くてぇ」


気だるそうに喋るミュゼとやら。


「(ヒソ)どうします?ほっときます?」

「(ヒソ)あのコ、絶対ナルシストよね!」

「(ヒソ)リリーシュカちゃんに興味ないとかアイツ、オス失格だよ!」

「(ヒソ)そうなのだ!リリーシュカは全オス対応なのだ!!」

「(ヒソ)ちょっ!話がおかしな方向に行ってますけど!!なんだ、全オス対応って!ビッチ呼ばわりですか!?」

「ねーーー!なんでこの美しいボクを無視してナイショ話してるのーーー?ふぅっ!」

「はぁぁぁぁんっ・・・!(ゾクゾクッ)ぅ私が光の子です!!!」


うわぁぁぁぁぁ!!なんでコイツ人の背後から耳に息を吹きかけて来たですか!?うっかり名乗ってしまったではないですか!!変な声出ちゃったじゃないですかぁぁぁ!!


「・・・・・・へぇ。キミが光の子」


ミュゼは私の事を上から下までジロジロと見てきます。ジェシーがなんかジェスチャーで何かをぶん投げろみたいな事を伝えてきます。え?何て?口パクでキ・ノ・コ・投・げ・ろって言ってるみたいです。


「顔は可愛いけど、たいした事ないね。ボクの方が・・・えっ!?」


私はロバギルを思いっきりミュゼにぶん投げました。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!何コレ何コレ!?やだやだっ!!ヌルヌルする!!くさっ!!くっさ!!!」


え?臭いの?そんなのをアイテムボックスに入れてた私の方がやだぁ・・・ですよ。私がそんな事を考えている隙にリジットさんがガライの時に使用した網でミュゼを捕らえました。・・・ロバギルごと。


「ソフィアス様・・・。お願いします」


もちろん、アイテムボックス収納の事です。


「わ、わかったのだ・・・・・・。ひぃぃ」

「アニキぃぃぃぃ!!アッシ役に立てたッスかね?」

「お師匠様!なんだかアイテムボックスの中、快適に思えてきました!」

「やらぁぁぁぁぁ!!気持ち悪いよぉぉぉ!!ここから出してよぉぉぉ」


網の中でキノコと麗しの君がヌルヌルと気持ち悪い事になっていますが、私の手さえ汚れなければ、それでいいです。

という訳で、暫くロバギル封印です☆

今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)

11/8誤字・脱字を修正しました!すみませんでした!

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