土の精霊ノーム
ガライは魔法は使えないのか、ほぼほぼ物理攻撃です。鋭く尖った爪や、空高く飛んで、落下しながらのキックが得意技の模様。
「私のムチでヤツの動きを封じるから、皆はフルボッコにしちゃって!!リリーシュカちゃんに喧嘩売ったこと後悔させてあげる!!」
おぉ!頼もしいです。アミュールさんのムチがしなやかに舞い、ガライに巻きついて動きを封じました。ちょっと危ない縛り方なのが疑問ですが・・・。ムチであんな縛り方が出来るなんて・・・凄いです。女王様の素質がありそうです!!ゴクリ。
「少しでも動いたらムチのヤイバで色んな所がスパッだよ♪」
そ、それはモザイク処理しないといけなくなるので避けて頂きたいです!
「グ・・・!こ、殺せ!!こんな辱めを・・・辱めを・・・んっ・・・ハァハァ」
うわぁぁぁぁ!!なんかガライが顔を赤らめてハァハァしています!キモイ!!キモイです!!新境地を開拓してしまったみたいです!
「ふぉぉ・・・(鳥肌)。なんか喜んでるみたいなんで、は、早くアレ、どうにかしちゃってください!!」
「触るの嫌なんだけど、もう見てらんないわね!変態は乙女の敵!!覚悟ぉぉぉ!!!」
ジェシーがガライの横っ面を思いっきりグーでパンチしました。
「ブベババババッ!!!キュゥゥゥゥッ」
うぉぉ!凄まじい一撃です。素手でこの威力・・・。う、羨ましくなんてないんだからねっ!!・・・ぐすん。
「やだー!なんかヌルヌルする~!!気持ち悪いわ~!!」
「でも、コイツなんだか幸せそうな顔をしているのだ」
「これ、どうする?えっ?四天王?じゃぁ、捕獲してギルドに突き出せば報酬ガッポリもらえるかも♪」
「これでどうにかなるか?」
リジットさんが取り出したのは、特殊な金属を糸にして作られた網だそうで、これで捕まえた魔物は絶対に抜け出せないそうです。四天王レベルに効くかどうかはわからないそうですが。
「・・・で、誰がこいつをアイテムボックスに詰めます?」
「アタシは嫌よ!!気持ち悪い!!」
「私だって嫌だよ!穢れそう!!」
「じゃ、じゃぁ私が持つのだ・・・」
「「「どうぞ!どうぞ!!」」」
という訳で、ソフィアス様のアイテムボックスに収納決定です。アイテムボックスはマジ便利ですね!魔物枠もあるなんて。
これで、四天王の内一人をやっつけた訳なのですが。
「シャイニー、コイツ土の精霊喰ったって言ってましたね・・・」
『精霊が黙って喰われる訳が無いのだけど・・・。イフリート!シルフ!!』
『俺様!何様?イフリート様だぜ!』
『あなたのハートに風穴あけちゃう☆シルフよん♪』
「あ・・・あの・・・。シルフってそんなキャラでしたか・・・?」
イフリートの動きも洗練されて、最早躊躇いが無い・・・だと!?シルフに至っては、両手でピストルの形を作ってバキューン☆みたいなポーズを決めています。
だ、誰が考えてるの!?ま、まさか、シャイニーP(プロデューサー)?
『今から皆でノームを呼び出すよ!』
シャイニーがそう言うと、3精霊が手を繋いで輪になりました。そしてぐるぐると回りながら何やら歌っています。ちょっと人間には発音出来そうに無い言語で歌っています。
黄色い光が輪の中心に広がり、ぼやーっっとシルエットが浮かび上がってきました。
シルエットは依然ぼやーっとしていますが、オーバーオールを着て黄色いヘルメットを被ってスコップを持った半透明のモグラが浮かんでいます。
『やぁぁ、シャイニーーー。久しぶりーーーー!今ねーーー、ドワーフと一緒に魔物のお腹の中に居るよぉぉぉ』
『リリーシュカ!!ガライの胃の中に居るみたいだ!』
「ど、どうやって出せばいいんですかね!?アイツ目を覚まさないでしょうか?」
『とりあえず、ノームはドワーフと壁を蹴ったり殴ったりしてて!』
『わかったーーーーー!』
ノームは物凄くのんびりそうです。
「じゃ、じゃぁ、とりあえず外に出すのだ・・・」
先ほど収納したガライ再び。中でドワーフとノームが暴れているのか苦悶の表情を浮かべています。
「ね、念の為縛っておくね」
アミュールさんがガライが逃げ出さないように再び亀さんの甲羅のような縛り方をしました。途端に、ガライは頬を赤らめました。えっ?やっぱり喜んでるよね?キモッ!!
『リリーシュカ、ノームとエンゲージを!!』
「は、はい!森羅万象の理の元に汝、ノーム 我、リリーシュカ 互いにおける精神の繋がりを契約という名で誓う」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・?
『我ノーーームーーーー!!汝リリーシュカをーーーー主と認めーーーー、仕える事をーーー誓うよぉぉぉ』
あ、良かった。聞こえてましたか。せっかく頑張って暗記して正しく契約の呪文を言えたのに、あんまり反応が無いので不安になりましたよ。
ガライの口が大きく開かれ、ズモモモモモッっと大きなモグラとドワーフが飛び出てきました。
指輪から岩がガンガンガンと出てきてノームの首に巻きつき、ガシャコンとハマりました。
また、身体がポカポカします。
「あれー?ノームは大きいのですね!」
『小さくなれるよぉぉぉ。これが本当の姿さぁぁぁぁ』
「ゴッチン?あなたはゴッチンですか?」
「おぉぉ!!!外に出れたのか!!!!!」
「ゴッチン、興奮するのはわかりますがもう少しボリュームを下げてください。この洞窟は補強しないと、とても危険な状態です」
「わ、わかった!落盤事故があったから心配になって神殿を見に来たらコイツが居て、気付いたら喰われてたんだ」
「無事で何よりです。しかし、何故ノームは食べられていたのですか?」
『ドワーーーフをぉぉぉ助けようとしたんだけどぉぉぉ力使うの遅くてダメだったぁぁぁぁ』
“精霊が黙って喰われる訳が無いのだけど・・・”
私はシャイニーを見ました。シャイニーはさっと目を逸らしました。
え?何それ?この精霊大丈夫なのでしょうか・・・?
若干の不安がありますが、モグラゲットだぜ!!
今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)
11/5誤字・脱字/文法がおかしい箇所の修正をしました。すみませんでした!