ゴッチンの正体
一体何が起こっているのでしょうか?
ゴッチン・・・?小さなゴッチンが、大きくなってしかも姿も悪魔のような姿に変わってしまいました。頭から2本の黒々とした牛の角が生えており、体付きは筋肉質で硬そうです。アニーに生えてた黒い翼とは違って、コウモリの様な羽根が生えており、長い尻尾もついています。
「ご、ゴッチン・・・!?」
「俺様はゴッチンなどでは無い。俺様は四天王の一人ガライ様だ。まぁ、どうせお前はここで死ぬんだから名乗っても無駄か・・・」
「魔王・・・四天王・・・?なぜ、ここに?」
「ここで死ぬとわかっていても聞きたいか?最近転生してきた人間がどうやら光の子らしくてな。光の子のままなら害は無いが、虹の子になられたら厄介だっつー事で精霊探しの邪魔をしに来たまでよ」
ちょ・・・。四天王とバトルとか胸熱な展開なんですけど!!私がへっぽこ冒険者じゃなければね!!
弱い癖に、魔除けのお守りとか装備して魔物と一切エンカウントせずにボスまで来ましたって感じです。
それよりも、ここで暴れたらこの洞窟がどうなるか・・・。
とりあえず、殺されない様に対策をせねば。
「リヒール・バリアー」
私自身にかけて気付きましたが、・・・これ、私さっきゴッチン(仮)にかけたよね?ゴクリ・・・。ゴッチン改めガライにも同じ効果が付与されてますよね。うわぁぁぁぁ!最早プロテイン重ねがけでイケるか、怪しくなって来ました。
「ほぉ。大人しく命を差し出せば手荒な事はしないのだが、お前は諦め悪そうだな。では、こちらからいくぞ!」
「プロテインプロテインプロテインプロテインプロテインプロテイン・・・プロテインプロテインプロテインプロテイン・・・」
ガライが私の方に向かってきます。時間稼ぎの為にも避けたいとこですが、避けて壁など破壊されたらヤバイです。ここは受けるしかないです!
キィ・・・・・・ィィィン!!!!!
杖で相手の攻撃を避ける前にオートバリアーが発動した様です。しかし相手も並の魔物では無いので吹っ飛びません。
「これが、光の子の力か。今みたいに手加減してたらバリアーが貫けないな。では、もう一度!」
キィ・・・・・・ィィィン!!パンッ!
バリアーが破られました!!杖で攻撃を受けましたが、こちらが弾かれてしまいます。
「うっ・・・!」
私は壁にぶつかってしまい、壁が壊れました。参りましたね。コイツは強いです。
「プロテインプロテインプロテインプロテインプロテインプロテインプロテインプロテイン・・・」
「ハハハッ!無駄無駄ァッ!!」
ババババババババババッ
執拗に攻撃を繰り返すガライ。今はリヒールが効いているから大丈夫ですが、切れた時に一気に削られそうな勢いです。どうしよう・・・どうしよう!
「お前が死んだら魂は美味しく食べてやるからなぁ。ほらほらどうした。もっと俺様を楽しませろよ」
ババババババババババッ
か・・・風魔法とか?効きますかね?
「ほ、ホーリーライト!!」
「うっ!まぶしっ」
とりあえず、自分の杖にホーリーライトをかけました。目くらましになればいいですが。相手が怯んだ隙に間合いをとりました。
「クッ。こしゃくな技を」
『リリーシュカ、僕とシルフの合体技が使えるよ!ライトニングストームが!』
「シャイニー!ほ、本当ですか?」
私は杖を上に掲げ、呪文を唱えました。
「ライトニング・ストーム!!」
光を纏った風が、竜巻となり、ガライを巻き上げました。
「なっ!!何だこれは!?ウォォォォォッ!!」
合体魔法なんてのもあるのですね。色んな組み合わせを考えるとゾクゾクしますね!!しかし、コイツは、こんなものでは倒せませんよね。時間稼ぎにはなりそうですけど。
「貴様良くもやってくれたなぁ・・・」
「私だってこんな所で死ぬ訳にはいきませんからね!必死に足掻きますよ!!」
そういえば、アネッサ様から頂いたやつ!
私はすぐ様アイテムボックスから羽根の防犯ブザーを取り出し、紐を引っ張りました。
ピュイィィィィィィィィィ!ピュイィィィィィィィィ!
う、うるさ・・・!しかし、少しでも危険を知らせなくてはです。
「貴様っ!何をした!?この音は・・・!グァァァァァっ!クソッ!こうなったら貴様もろとも・・・」
「そんな事はさせない!!よくもリリーシュカに乱暴したな!!」
「リリーシュカちゃん!大丈夫?」
「リリーシュカさん、遅くなってすまない」
「リリー!アタシ達が来たからには安心してちょうだい!」
皆さん・・・!!皆が私を庇うように私の前に出ました。頼もしい・・・!
「オールリヒール!オールバリアー!オールプロテイン!!」
しかし、何故こんなに早く来れたのでしょうか?いや、今は考えてる場合ではないですね!
さぁ、反撃しますよ!!
「クククッ!皆殺しにしてくれるわ!!」
「物騒な事言わないでください!!全年齢対応なのを忘れちゃいけませんよ!!」
「何を訳の分からぬ事を言ってるんだ!」
「フフフ・・・。アナタはタブーに触れようとしましたからね、フラグが立った・・・とだけ言っておきましょうかね」
「皆さん、ここからは我らのターンですよ!!」
「「「「オーーーーーっ!!!」」」」
やべぇ、負ける気がしねぇ!これはいっぺん言ってみたかった言葉です。この展開に、ワクワクしている私が居ました。
今回もお読み下さり、ありがとうございましたm(__)m