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最高の武器職人

サラマッティは相変らず溢れんばかりの人、人、人。

お兄さんのお店は、入り口から真っ直ぐ進んで、3番目の十字路を左。で、3番目のお店・・・。あ、アレだ!


サーベルと剣が交差する看板に、漢字で武器屋と書いてあります。かっちょいいです。

レンガ造りの立派なお店でした。


「こんにちはぁぁ!」

「あぁ、リリーシュカちゃんいらっしゃい。武器出来てるよ」

「ありがとうございます!」


お兄さん元気そうで良かったです。くそぅ、私の好みの顔なだけに微妙な気分になります。ソフィアス様が私の服の裾を掴んで警戒態勢に入っています。目付きが悪くなっているので、後で説教です。


お兄さんのお店は中に、まとめ売り用の安いロングソードが傘立ての様なものに沢山さしてあったり、壁に高そうな両刃の斧とかが飾ってあったりとドキドキワクワクします。


「アミナちゃんは今日はお留守ですか?」


アミナちゃんはお兄さんの奥様です。ギャルっぽい外見ですがとってもしっかりとした良い子です。


「あぁ、ちょっとつわりが酷くて奥で寝てるよ」

「わぁ!!おめでたですね!おめでとうございます」

「はは、ありがとう。家族が増える分俺ももっと頑張らなくちゃ」

「リリー達も負けずに頑張らなくちゃねぇん」

「ソフィアス様は出血多量で死んじゃいますから大人になるまでは無理ですねっ(ズバッ)」

「あははっ。はい、コレがリリーシュカちゃんの武器だよ」

「こ、コレは・・・っ!!」


先端が金色のハートの形をしたロングステッキで、星型のモチーフが所々にキラキラと散りばめられています。先端のハートは真ん中がハート型にくり抜いてあり、大きな赤いハート型の宝石がはまっています。宝石は横にクルクルと回る仕様です。小さなピンク色したラインストーンみたいな宝石がくり抜いたハート型の周りを縁取っています。しかも両面です。持ち手が薄いピンクで、赤いラインが螺旋状にグルグルと引いてあります。ビックリです。

・・・・・・ま、魔法少女?


「リリーシュカちゃんの武器作るって言ったらアミナのやつが張り切って図面描いてきてさ。女の子なんだからこれくらいじゃないとって言うんだよ」


うっ、奥様にメロメロじゃないですか!いや、しかし・・・私コレを持ち歩くんですか・・・?いや、もっとシンプルな木の杖とかで良かったんですが・・・。


「あの・・・これ・・・」

「つわりが無い時にアミナが一生懸命デコったんだよ。リリーシュカちゃんに喜んでもらいたいって」

「そ、そうですか!わぁぁ!嬉しいなぁぁ。こんなの欲しかったんですぅ」

「気に入ってもらえて何よりだよ。アミナにも伝えておくね」


ダメです。いくら私がゲス野郎でも私の為という大義名分の元に作られたものに文句は言えません。しかし、デコったって言いましたよね・・・。


「で、これね。ハートのとこと杖の接続部分がスライドするんだけど、(カシュッ)こんな感じで。で、穴の空いた板が出てきたでしょ?ここに属性石をはめることが出来るんだ。で、石をはめたらまたスライドさせて(カシュッ)セット完了」

「なるほど」

「機能性重視で余計な物を見せないスタイルにしてみたんだ」

「へ、へぇ・・・」


余計な物だけがゴテゴテついているような気がしますが。機能性・・・重視?見た目重視の間違いじゃなくて?


「ステッキの先端のハート部分の装飾は、攻撃力がアップするお(まじな)いの配置にしてあるんだよ。だから殴っても良し!」


この見た目はおまじないなの?じゃ、じゃぁ、仕方がないですよね。良かったぁ。アミナちゃんの趣味かと思ったです。


「まぁ、お呪いの本を穴が開くほどみつめて、最終的に自分好みのデザインのやつにしたみたいだけど」


・・・・・・・・・・・・。そのお呪いの本書いた人をこのステッキで殴りたい、と思いました。


「で、何の属性石をセットする?」

「全部の穴を力属性の石で埋めてください」

「了解」


これを装備したらどれだけの効果がありますかねぇ。楽しみです。


「はい。出来たよ。これね、リリーシュカちゃん専用装備だから、他の人には使えない仕様にしてあるからね」

「ありがとうございます!では。早速・・・」


ステッキを手に取ると私にみるみる力が湧いてくるような気がします!!

ステータス画面を開いて確認しました。


おぉぉぉぉ!!


「攻撃力・・・666!!!」

「出た!悪魔の数字!!」

「アミュールさん!!い、いや、攻撃力13からしたら上出来ですよ!えいっ」

「あいたっ!!普通に痛いのだ!!何で私で試すのだぁぁ」

「いや、何かあっても責任取らなくていいな、と。本人からのクレームも無いだろうし」

「せちがらいのだ!!」


この、狙いすましたかの様な数値、魔法少女のステッキ(お呪い済)、またも何か見えない大きなマイナスの力が働いて、私の期待をことごとく外していく感じ・・・これですよ、これ。この感じは日常的なやつです。



・・・やっぱり私は、肝心な所でうまくいかない。

今回もお読みくださり、ありがとうございました┏○))ペコッ

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