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飼い猫になりました

『離せ離せーーーーー!!』


私の手の内側でもぞもぞと(うごめ)く猫にゃん。むふふ、かわゆいのぉ。


『やぁ、イフリート。久しぶりだね』

『おっ、お前はシャイニー!!何故こんなとこに?で、なんで人間なんかといるんだ?』

『この人はリリーシュカ。光の子で僕のマスターだよ』

『はぁぁぁぁ!?こんなチンチクリンが光の子だと!?』


ちんちくりん・・・。


『ほら、これが証拠。エンゲージリングの準備は整っている。後は精霊を集めるだけなんだ』

『チッ!あのおっさんも厄介なもんを造ったぜ』

『協力してくれるよね?』

『しょうがねぇ。さっさとやっちまおうぜ!俺も久々にここを離れられるんだな』

『じゃぁ、リリーシュカ。僕が言う事を復唱してね』


えー?ちゃんと喋れるか自信ないですー。確かこの指輪を造った方は既に異世界に転生なさってるんでしたよね。


森羅万象(しんらばんしょう)(ことわり)の元に』

「しんらぶぅあんしょうふのことふぁりのもとに」

『汝、イフリート』

「なんじいふりひとふぉ」

『我、リリーシュカ』

「われ、りりひふか」

『互いにおける精神の繋がりを』

「たがひにほけふせひひんおつながひほ」

『契約という名で誓う』

「けいひやふとういふなでちかふ」


な、なげーーー!やっぱり声がくぐもっていますが、こんなんで大丈夫なんでしょうか!?しかしこの契約の言葉の厨二病感はヤバイですね・・・。


『我イフリート!汝リリーシュカを主と認め、仕える事を誓う』


ふぁっ!?指輪から炎が巻き上がりました!でも熱くはないです。そして、イフリートの首に巻きつくと、炎は首輪に形を変え、そのままイフリートの首にガシャコンとはまりました。

ふぉぉ!!身体の中がポカポカしてきました・・・。


『俺様と契約完了だ。マスター。もうお前は新しいスキルが付与されてるはずだぜ、確認してみろよ』


なんでしょう・・・マスターとか言う割に偉そうな態度なのは。とってもかわゆいんですけどね。

私はステータス画面を開きました。数値は据え置きですが、スキルに【炎の子】というのが増えています。・・・という事は私炎の魔法が使える様になったんですね!やふぅぅぅぅぅ!!とはいえ、ポッポ火山(ここ)では何の役にも立ちませんが。


『炎の子スキルは俺様の加護だぜい。炎属性の魔導師との違いは、炎属性の魔導師は俺様の力の一部しか使いこなせないが、炎の子は俺様の全力を使えるんだぜ!だからもう、そのけったいなマスクを外しても平気だぜ』


つまり、ソフィアス様は炎属性だけど、炎の子ではないから、マスクを外せる程イフリートの力を借りれない、という事ですかね?

そういえば、さっきまで軽い眩暈がするほど暑さを感じていたのが、今は全然です。・・・騙してませんよね?後からうっそーーー!とか言ったら呪いますからね!!

私は恐る恐るマスクを取ってみました。そして、すぅぅぅぅっ!っと思い切り息を吸い込んでみました。

うおぉぉっ!・・・なんともありません!うわぁぁぁぁ!凄いです凄いです!ちょこっとだけ、ソフィアス様がマスクを外したらどうなるのか気になりましたが、大惨事になりそうなので諦めました。


「さぁ、皆さん、長居は無用です!とっとと下山しましょう!」


皆、それぞれジェスチャーで“了解”と表現してダッシュで下山しました。帰りは下り坂なので速い速い。


「はぁぁぁ、やっぱり火山に登るのはキツいねぇ!ビールッ!ビールが飲みたいっ!」

「そうですね、何か冷たいものでもとりながら、涼しい部屋で休みましょう」

「アイスコーヒーなんかいいわね」

「賛成なのだー。汗かいたのだ」

「・・・アイスクリィムが食べたい」


町に戻って一安心したら身体が冷たいものを欲して堪りません。その足で冷房の効いた酒場に駆け込みました。小鳥ちゃんとロバギルにはお土産を買って帰る事にしました。


「シャイニー、イフリート出てきてください」

『はーい☆みんなのアイドルシャイニーだよ♪きゃるん♪』

『お、俺様、何様、イフリート様だぜ!』


こ、こいつら登場時の台詞の打ち合わせでもしたんですかね。早くもイフリートにシャイニーの悪影響が及んでいます。


「一つ疑問に思っていたんですけど、私シャイニーと契約を交わしていないんですけど?力を貸してくださいとは言いましたが」

『だって君は元々光の子だったじゃないか。契約が交わされた状態で転生したから、必要無かったんだよ。それなのに君ときたら使えないだとか戦えないなら意味ないとかぶつぶつ・・・』

「ま、まぁ過ぎた事は良いじゃないですか。それでは、改めて宜しくお願いします」

「へえぇ、精霊ってちっさくて可愛いんだねぇ。触れるし、かっわいぃぃぃ」

『やっ、やめろっ!可愛いって言うなぁ!!』


アミュールさんがイフリートを指でつついています。


「私もびっくりしました。まさかこんなちんまいのが凄い精霊だったなんで。残っている精霊もイフリートみたくすんなり仲間になってくれると良いんですけど」

「そうねぇ。水と風と土は、そんなに困難では無さそうだけど」

「問題は闇、なのだ」

「そうだな」

「皆と一緒なら大丈夫な気がします。明日はここを離れてサラマッティを目指しましょう」


無事にイフリートが私の飼い猫になりました。

明日はサラマッティに行ってお兄さんの武器屋に行きます。どんな武器に仕上がっているのか楽しみです。

今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)

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