炎の精霊イフリート
火山を登ること数十分。赤い色したスライムや溶岩みたいなモンスターとエンカウントする事数十回。溶岩みたいなのは予告無しで自爆テロしてくるので危険極まりないです。でもアミュールさんとリジットさんの実力は確かで、見かけ次第瞬殺しているので後ろから見ていて安心できます。暗殺部隊みたいなもんですかね。
ピッ
“もう少ししたら休憩できる広い場所に着くよー”
ピッ
“了解です”“羅ジャー”“わかったのだ”“(・∀・)v”
えっと・・・。2番目がジェシー・・・。おかんメール?って事は4番目はまさかのリジットさんです。文字の方が表情豊かです。
体力的には私の魔法で回復しているので消耗はしていないのですが、やはり精神的にも休憩は必要です。ひたすらモンスターと闘うだけなのは、心が荒んできます。RPGをプレイしていて一番眠くなる行動ですからね。こちらがまごまごしている間に攻撃してくる戦闘の場合起きたら全滅していたとかになってしまうし、エンカウント多目のゲームとか私には向いてませんでしたね。
少し広めの場所に着いて、各々水分を取ったりしています。このマスクはストロー差込口がありまして、そこからチューッっと水分補給が出来るのです。これも便利なのですが、もっと便利なのが魔法ケースなるもので、氷の魔法が施してあって、ここに飲料水用のペットボトル(この世界にもあった)をセットすれば飲み物が冷たいまま保存できる優れものです。冷蔵庫とかにも応用が利きそうですね。しかしこういうものにはやはり使用回数に制限がありまして、私が購入したタイプは10回使うと効果が無くなり、ただの袋になります。
これが無いとお湯になってしまいますから、大変重要なアイテムです。
ピッ
“さて、後少しだから一気に行っちゃおっか”
ピッ
“はーい”“逝きましょう”“リリーシュカ、無理してないか?”“(^∀^)ゞ”
もう、もうツッコミませんよ!!
今8合目あたりなので、このまま火口を目指します。下を見ると気絶しそうになります。ここらで、リヒールとバリアを掛け直しておきましょうかね。
頂上付近まで来るとさすがに熱耐性の防具を纏っていても、熱さが肌にピリピリと感じます。これ、防具が無かったら、と考えるとゾッとします。
ピッ
“着いたよ!あれが神殿・・・だったはずなんだけど”
ピッ
“熔けてませんか?”
ピッ
“ここまで補修に来れる人がなかなか居ないんだね”
ピッ
“とりあえず、イフリートを探しましょう”
ピッ
“私あつち佐賀酢わね”“リリーシュカと一緒に行くのだ”“(▼^▼)ゞ”
最早わざとやってるんじゃないかって位徹底していますね。リジットさんのはどういう心境なんでしょう。
ジェシー・・・。小さい【つ】入力出来ないんですね・・・。
神殿はさほど大きくはなく、壁が熱によって熔けていました。火口を覗くとマグマがボコボコと沸いており、煤煙が巻き上がっていて、時折ゴロゴロと噴火でもしそうな音がしています。
マンガやアニメだと、この中にイフリートが居る確率がもっとも高くないですか?んで、魔人の様ないでたちで『なんの用だ!?』とかって威嚇したりするんですよ、きっと。
火口を覗く際に、火口の淵に1本の太いロウソクがあるのに気付きました。このロウソク、火が点いていますが溶けてなくならないんですかね。
ピッ
“ソフィアス様、ちょっと火口の下に行ってみてくださいよ”
ピッ
“なんと!?生きて帰れる気がしない・・・”
『・・・・・・・・・・!』
ピッ
“何か言いました?”
ピッ
“何も言っていないのだ”
『・・・・・・・・・・っ!』
ん?やっぱり何か聞こえる気がします。・・・ここら辺から。私は先ほどのロウソクを凝視しました。
すると、ロウソクの炎がユラッとゆらめいて頭に2本の角と背中に蝙蝠の様な羽根が生えた黒猫が現れました!!手(前足?)にサスマタを持っています。
『人間がこんなとこにまで来てなんの用だ!?』
は?え?なん、これ?なんか威勢の言いこというてますけど。5cm程度の可愛らしい猫にゃんにボソボソ言われても威圧感が無いっていうか、むしろ小生意気で可愛いっていうか・・・。
とりあえずさわらせろっていうか・・・。
ムズッ!!
『ぎゃぁぁぁぁ!!なにすんだ!?俺様は気高きイフリート様だぞ!?』
私は思わず猫にゃんを掴みましたが・・・。えっ!?おまっ!イフリートなん!?大魔神みたいのじゃなくてこれがイフリートなん!?
やだ、私イフリート捕まえちゃった。ドキドキ・・・。
ピッ
“イフリート、ゲットだぜ!!”
ピッ
“えー!凄い!今そっち行くね!”“お憑かれ様”“∑(ё)!!”
あれ?ソフィアス様からの返事がありませんね。あっ、私火口の下に行けって言ったんでしたっけ。
火口を覗くと、ソフィアス様が一生懸命登ってくるのが見えます。とんだ無駄足でしたね。
「(ヒソッ)シャイニー・・・。ここでは喋りづらいのでシャイニーが代わりに話してくれると助かります」
『もう、しょうがないなぁ。リリーシュカは僕が居ないと何にも出来ないんだからぁ♪』
私はマスクだと声がくぐもってしまい、上手く話せないのでシャイニーをネゴシエーターに指名しました。
・・・なんか少しムカツク物言いでしたが。なんで私の周りにはこういう調子に乗るヤツしか集まらないのでしょうか。こんなデスティニーは要りません。
今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)