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ふぞろいのタマタンたち

タマタン親子の曲芸が終わった後に、皆でテントを訪ねてみました。


「ジョ、ジョセフィーヌ・・・。その、久しぶりだな」

「ロバート!?アナタ、何故ここに!?」

「俺はさ、訳あってこのアニ・・・リリーシュカさんに面倒を見てもらって旅をしているんだ。元気そうで良かった」

「リリーシュカ!?ってあのアバズレの事!?」

「アニ・・・リリーシュカさんを知っているのか?」


ひぃっ。ジョセフィーヌが睨んできます。これは、相当恨んでますよね。


「この女は、私のマシューをたぶらかしたのよ!!」


えぇっ!そっち!?それは冤罪なのに!!


「私の・・・か。俺はそんな風に呼んでもらえなかったよな・・・」

「あっ、ごめんなさいロバート・・・」

「ロバート、すまない。私が君からジョセフィーヌを奪ってしまったせいで君は・・・」

「へっ。いいって事よ。お互い今が幸せなら、それでいいじゃねぇか」

「私達はリリーシュカさんに保護されて、ここの親方と出会った。最初は人間風情の下で働くなんてまっぴらごめんだったが、話してみれば親方もいい人で、一緒に色んな場所に旅をして、芸をして暮らすのはなかなか楽しいんだ」

「食べるものにも困らないし、親方は本当に良くしてくれてるの。たまに酔ってカネヅルってよくわからない言葉を言うけど親子3人で居させてくれて感謝してるわ」


え、えーーー?なんかいい話風に言ってますけど、親方酔って本音出ちゃってるじゃないですかー!でも、捕獲してギルドに引き渡した事は別に怒ってないっぽいですね。むしろなんか 保 護 し た 事 になってる。タマタンの感性ってほんと独特ぅー。


「親方と引き合わせてくれた事は感謝してるけど、マシューをたぶらかした事は許さないんだから!!」

「ジョセフィーヌ、あの時は私が悪いんだ。リリーシュカさんに一目惚れをしてしまった私が・・・」

「なにぃ!?お前は俺からジョセフィーヌを奪うだけじゃなく、アニ・・・リリーシュカさんにまで手を出そうとしたのか!?」

「仕方ないですよ、ロバートさん。お師匠様はよく見たら俺たちタマタン男子から見ても魅力的な女性ですから」

「ギルバート・・・。それもそうだな」


え?なんだ、この茶番。ってか、これ私喜ぶとこですかね・・・?いや、嬉しくないんですけど。私ってそんなにもキノコにモテるビジュアルなんですか?いや、嬉しくないんですけど(2回目)。それにしても、タマタン男子って言い方斬新ですね・・・。まぁ、心底どうでもいい事ですけどね。

ふと、みんなを見ると、リジットさんとアミュールさんがなんともいえない表情で私を見ています。ジェシーは目も合わせてくれません。ソフィアス様はキノコにすらジェラシーを感じているのかタマタン達を睨んでいます。でも、震えています。内心怖いのでしょう。


うん。早くこの場から立ち去りたい・・・。頼むから私を巻き込まないでください・・・。


「つ、積もる話もあるみたいだから、私は外に出て色々見て回ってきますね」


三十六計(さんじゅうろっけい)逃げるに()かず!


「あっ、リリーシュカ!私も行くのだ!!」


急いでテントから逃げ出し、外の新鮮な空気を吸い・・・うっ!!ゴホッゴホッ!そうでした、ここ息がしづらいんでした。うかつに走ったら呼吸困難でアウトです。


「リリーシュカちゃん凄いモテるんだね」


後からテントから出てきたアミュールさんとリジットさん。


「あれはモテるっていうんですかね・・・?なんなら代わりますか?」

「う、うーーーーーーん、ちょっと嫌、かな」

「だいぶ嫌ですよ!どうせなら人間にモテたいです!あっ!キモい人も間に合ってますからマトモな人にモテたいです!」

「あははっ!リリーシュカちゃんてだめんずホイホイだねっ」

「うう・・・。それ、前にも似た様な事をジェシーにも言われました・・・」


どうせモテるならリジットさんみたいなクールで渋い人とかがいいな。


「うぅ・・・。リリーシュカまた他の男の事考えてる気がするのだ・・・」


そしてこのシックスセンス。怖い、そしてキモイ。


「私、考えている事そんなに顔に出ますか?」

「なんだろう、リリーシュカが他の男を好意的に考えていると、こう、胸がざわっってなるのだ」


感覚レベルって事!?この人本当に人間なのでしょうか?・・・私が浮気したら即バレですね。しようとも思わないですけど。


慣れない熱気で体力面が心配なので、この後皆で外食をして、早めに宿に戻って明日に備える事にしました。



宿で一泊した朝、私達は宿に小鳥ちゃんとロバギルを置いて熱耐性の装備とマスクを装着して火山の入り口に来ました。


「ホォールブァルィアァ(オールバリア)!ホォールルィフィール(オールリヒール)!!」


 防護マスクで声がくぐもります。熱気が凄くて喋るだけでも体力が消耗していくので基本通信で会話する事に決めました。が、魔法だけは口に出さないと発動しないので仕方がないです。


火山の神殿に居るというイフリート。話がわかる精霊だといいんですけどね。ほら、なんか火の精霊って気性が荒いイメージ無いですか?

頂上の火口付近に神殿があるとの事で、体力との勝負になりそうです。皆のステータスを常に確認しておかなくてはなりませんね。

今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)

11/5誤字を修正しました。すみません!

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