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この国で一番暑い場所

私は、早速武器のイメージをお兄さんに通信しました。


杖タイプで、軽いもの。属性は基本無属性で、属性石をはめ込める事が出来るもの。あ、属性石って火とか水の魔法が込められているもので魔法を込めた人の実力差でピンからキリまであるのです。それを武器にはめる事によって属性が付与される訳であります!!デザインはお兄さんにお任せします。費用はいくらかかっても構わないので攻撃力がそこそこ高いもの希望。


っと。これで送信と。

あ、返事が来ました!


“了解〜!2、3日で仕上げるから取りに来てな!ご注文を受け付けました。ありがとうございました”


後半の文は定型文ですね。忙しそうなのに、急な依頼で無理言ってごめんなさい。でも楽しみにしてます!!

2度目のトイレ休憩時に素早くそんなやりとりを済ませました。流石に馬車に揺られながら通信とかしてたら馬車酔いで死にますからね!

さて、各々腹ごしらえも済ませたのでこれからヒート・ロピカルまでノンストップです。確かに気候が変わり、暖かくなってきました。

小鳥ちゃんも気持ち良さそうにしています。この位が丁度いい過ごしやすい気候でしょう。


と、呑気に解説をしている内に馬車は進み、暖かいどころか暑くなってきました。


「暑いですねぇ、皆さんお水の準備はオーケーですか?」

「本当ねぇ。でも日本の夏よりかはサラッとした感じで幾分マシかしら」

「言われてみればそうですね。ジメっとした暑さでは無いです」


ジェシーと前世を語り合えるってよく考えたら凄い事ですよね。まだ、こちらに来たばかりの私に唯一声をかけてくれたジェシー。私ジェシーと出逢えて良かったです。


「なぁに?人の顔見てニヤニヤしちゃって」

「何でもないです。ってか、ニヤニヤじゃなくてニコニコって言ってくださいよ」


数時間後―ポッポ火山の麓の街ヒート・ロピカルに到着。時刻は17時位です。


「これは、暑いってもんじゃ無いですね!息を吸うだけでも苦しい・・・」

「ポッポ火山はこんなもんじゃなくて、もっと、息を吸ったら内臓が熱でやられる感じだよ」


アミュールさんが淡々と説明をしてくれました。


「ひぇぇ!ヤバイのだ!」

「だから、そうならない為にここで装備を整えるんだよ。熱耐性の防具とマスクね」


ヒート・ロピカルはこの国で一番暑い場所だと言う事で、ここで暮らしている人々やここに滞在している人々は皆露出の多い格好をしています。

赤道付近の国に近い感じですかね。ここは王国の北に当たりますけど。


「私達は先に宿を取ってきますので、皆さんは先にお買い物しててください。行きますよ、ソフィアス様、小鳥ちゃん!」

「はーい、なのだ」

「ピャァ♪」


私やソフィアス様のロイヤルパスポートはマジで優れたアイテムで、ペット不可の宿もパスポートを見せたら一転してペット可になったりとやりたい放題出来ちゃいます。・・・あんまりこれに頼っているとダメ人間になりそうなので、地道に稼いだお金で暮らさないとです。贅の限りを尽くしすぎて国民に革命をおこされたらたまったもんじゃないですからね。

王族とはいえ、1国民として尽力せねばなりません。


「宿、無事に取れて良かったですね」

「人の良さそうな主人だったのだ」


小鳥ちゃん用の寝藁ベッドは持参してきましたし、ロバギルは野宿でもへっちゃらですしね。


宿を離れ、街の商店街で皆と落ち合い、繋ぎの武器を見立ててもらい装備も整えました。


「あー、明日は火山に登るんですね・・・。っていうか、よくそんな所に神殿を作りましたよね」

「修行の一貫だったのかもだよね」

「あぁ、なるほどです」


あれ?何やら広場の方で何かやっていますね。サーカスよりも小さなテントが張ってあり、その前にピエロの格好した人が居ます。


「さぁさぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。世にも珍しいキノコの曲芸だよ♪」


ピエロの格好をした人が、軽快な音楽に合わせてジャグリングをしながら進行をしています。

キノコ・・・。まさかタマタンじゃないでしょうね・・・。


「わぁー!ちょっと見ていこうよ」

「は、はぁ・・・」


何故か乗り気なアミュールさん。馬車内でロバギルに引いてた癖に。


「さぁ、キノコの登場だよー♪」


テントから出てきたキノコを見て私はチビるかと思いました。あれは・・・。


「ジョ、ジョセフィーヌ!それにマシュー!!あのちっさいのはまさか二人のこどもッスか!?」

「ロバートさん・・・。あの女と婚約してたんじゃ・・・?」

「いや、もうそれは過去の事ッス!しかし、何故・・・」


これはヤバイ!ロバギルが経緯を知ったら暴れだすかもしれません!!それなのに、さっきロバートがキノコ2匹を“二人”って言ったなぁとか余計な事が気になってしまって。

二度と会う事は無いと思っていたのに、まさかこんなとこでアイツらに会うとは思いもよりませんでしたよ。


「タマタンだけでも珍しいけど、親子のタマタンはここでしか見られないよー♪」


そんな珍しいタマタンが、この場に5匹も居ますよー・・・。知らなかった、雨の日クエストで捕まえたタマタンの末路がこんな感じだなんて。いや、食用とかじゃなくて本当に良かったです。


「アニキ、後で楽屋に行ってもいいッスか?」

「あぁ、うん・・・。行っておいで」


なんならそのまま戻ってこなくても・・・。


「いやアニキも行きましょうよ!」

「ひぇっ!?」

「ほら、保護者が居ないとああいうとこは入っちゃダメッスからね!」


うわぁ・・・。私保護者だったんだぁ・・・。はぁ。こうなったら皆を道連れにしましょう・・・。

今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)

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