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冒険者ギルドの仲間たち

まだ興奮冷めやらぬサリエラさんの宿屋を後にして、冒険者ギルドに向かいました。


「あ、二人共こっちこっち〜!」


ジェシーがいつもの席に座っています。

しかし、今日はいつに無く人が大勢居ますね。何か大きな協力クエストでも出たんですかね?

あ、協力クエストってのはその名の通り、パーティーの垣根無く冒険者が協力して行うもので、強敵とか大規模探索とかがそれにあたります。


「それじゃ、皆行くわよ?せーのっ!」


『『『『『リリーシュカ、ソフィアス殿下ご結婚おめでとうございます!!』』』』』

「え?ジェシー、これは?」


ジェシーの声掛けで、その場に居た人達が私達に向かって祝福の言葉をくれました。


「皆、最初アンタとパーティー組みたがらなかったりした事ずっと謝りたくって、お詫びとお祝いをしたいっていうから参加出来る人達を集めておいたのよ」

「嬢ちゃん、あん時は悪かったなぁ。しかし、おの頼りなさそうな嬢ちゃんも今や立派な王女様だ!おめでとさん!」

「あの、僕らも仲間に入れてあげなくてごめんなさい。そしておめでとうございます」

「リリーシュカ様は王族になられたので、ギルドから除名になってしまいましたが、私達一同いつでもここでリリーシュカ様が来るのを歓迎いたします」


ヒャッハーのお兄さん、皆さん、受付のエリーシャちゃんまで・・・。


「リリーシュカ良かったのだ、ありがたいのだ。ほら、お礼を言わないと」


ソフィアス様が、皆さんの前まで私の背を押してくださいました。


「うん・・・。ぐすっ。皆さん、あ、ありがとうございますっ!わた、私はっ、もう冒険者では無いですがっ・・・皆さんを良き仲間だと思っていますっ・・・。だからっ、今度皆さんの、冒険のお供に連れて行ってくだ、さいぃぃぃ」


皆さんがシーンとしてこちらを見ています。・・・やっぱり私の立場だと一緒に、冒険は無理ですよね。


『『『『『もちろんだともぉぉぉぉぉ!!!』』』』』


皆が一斉に返事の言葉をくれました。


「リリーシュカ様を誘っても良いって事だよな?是非ウチのパーティーに参加してください!」

「あ、でも、もし怪我させてしまったら・・・」

「バカね。リリーシュカ様は、光の子よ?そう簡単に怪我するわけないじゃない」

「そっか!じゃぁ安心して誘えるな!」


あぁ、温かいなぁ。温かい。


カチッ


「皆、私とリリーシュカの為に祝いの言葉をありがとう。私とリリーシュカは王族とはいえ、父上より自由にしていいと許可を頂いているので、これからは気軽に冒険に誘ってもらえると妻も喜ぶ。何よりも妻は光の子であり、妻はその力を人の為に使いたいと常に願っている。国民を守るのが私達の仕事だからな」


ソフィアス様・・・。もうそのスイッチ入れっぱなしにしといて。


「ありがとうございます、殿下!!」

「リリーシュカ様と殿下はセットで参加って事で」

「さあ、皆、好きな物を食べ、呑み、おおいに盛り上がってくれ。ここの支払いは私が払おう」


ソフィアス様が堂々とした態度でそう声を上げた。


「わぁぁぁ!ありがとうございます!」

「殿下太っ腹!」

「冒険者やってて良かったぁぁ」


皆でワイワイ騒いで、沢山話して。素敵な時間を過ごしました。


「ジェシー、今日はありがとうございます」

「何言ってんのよ。アンタがめげずに頑張ってきたからじゃない。だから皆アンタの事見直したし、こんなに集まってくれたんじゃない。って、あぁまた泣く!アンタ本当に泣き虫さんねぇ」

「だってぇ。なんか最近涙腺壊れてるんですー」

「ったく。泣いてもいいけど嬉し涙だけよ?悲しい涙は女を卑屈にさせるだけなんだから」

「ジェシー・・・。何だか格好いい」

「いやね、格好いいじゃなくて、イイ女って言って」


宴もたけなわになってきた頃、私達は明日改めて打ち合わせをしに冒険者ギルドに来る旨を伝えてお暇しました。


城へと続く道を歩きながら、ソフィアス様と今日の事を話しながら帰りました。


「今日は、話し合いできませんでしたね〜」

「でも、とても有意義な時間を過ごしたのだ」

「そうですね。私達は王族なのに夫婦で冒険に出る特殊な王族ですね」

「私達は、それでいいのだ」


じき、“賛成の反対なのだ”とか言い出しやしませんかね?ハラハラします。


 城へ着くなりロバートが血相を変えて私達の所に来ました。今日は、ロバートに小鳥ちゃんの面倒をみてもらっていたのですが、小鳥ちゃんは見当たりません。


「アニキッ!小鳥ちゃんがっ小鳥ちゃんがっ!!」

「!?小鳥ちゃんに何かあったんですか!?」

「と。とにかく急いでついてくるッス!」


ロバートの案内で来たのはロバートがねぐらにしている馬小屋でした。

馬小屋の(わら)の上に横たわる小鳥ちゃん。


「こっ、小鳥ちゃん?どうしました!?」

「・・・急にバタッって倒れて話しかけても返事が無いッス」

「そんな・・・小鳥ちゃん!小鳥ちゃん!?しっかりして!ッヒール!」


駄目です。ヒールは効きません。外傷は無いようですし、何が原因でこうなったのか・・・。

とりあえず、私達の部屋まで小鳥ちゃんを運んで少し様子を見る事にしました。

今回もお読みくださりありがとうございました┏○))ペコッ

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