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結婚式の後で・・・

「はーーーーーーーっ泣きすぎました」


結婚式も無事に終わって、自室にて転写スキル持ちの写真家さんに撮って頂いた写真を見ながら結婚式の余韻に浸っています。

今日は式の後に、城の謁見台にて国民への挨拶と馬車に乗ってのパレード、式に呼べなかった友人達を招いてのお披露目パーティー等、今日一日でやるスケジュールでは無い数のイベントをこなし、ようやく一段落つきました。


「リリーシュカ、これで顔を冷やすといい」


ソフィアス様が冷たいタオルを持ってきてくださいました。


「ありがとうございます。って、まだそのモードなんですか?疲れません?」

「大丈夫だよ。記念すべき日だから、今日だけはリリーシュカが寝るまで頑張るよ。気を抜くとまた興奮して鼻血が出そうになるからね」

「そ、そうですか」


イケメンが格好いい雰囲気のまま“興奮”とか“鼻血”ってキーワードを使うのがなんともマヌケな感じがすが、ソフィアス様らしいっちゃ、ソフィアス様らしいですけど。


 私はベッドに仰向けに寝て、ソフィアス様から受け取ったタオルを目の上に乗せて、暫し本日のダイジェスト回想に浸ることにしました。


わー、わー、わー、ソフィアス様ぁぁぁぁ!

おめでとうございます〜〜〜!!

リリーシュカちゃーーーーん!また、僕を虐めてぇぇ!

ソフィアス様ーーー!!リリーシュカ様ーーー!!


大勢の国民が城の前に集まってくれて、ご挨拶をしました。お祝いの言葉に混じって、通信ツールの販売員のお兄さんの叫び声が微かに聞こえた気がしますけど気のせいですよね・・・。


その後は馬車でパレードをして、着替えてからお披露目パーティーをしました。


各国の重鎮達や王家の親族への挨拶回りはしんどかったですけど、ジェシーやお兄さん夫妻、おじぃさんとお話出来て楽しかったなぁ。

ソフィアス様はずっと完璧な王子様をしてました。やれば出来るんですね。・・・やればの話ですが。


「ねぇ、ソフィアスさ・・・ま」


起き上がってソフィアス様を見ると、ソフィアス様はソファーに座ったまま眠っていました。今日は本当に疲れましたものね。私は掛け布団を持ってソフィアス様の隣に座ってソフィアス様に寄り添って寝ました。


◆◇◆◇◆◇


翌日ー【ソフィアスの事情】


「むー・・・。はっ!あれ?ソファーで寝てしまったのだ!リリーシュカ?リリーシュカ?わぁ!ここに居た!」


やばいやばいやばいやばいかわいいかわいいかわいいかわいい


私にくっついて眠っているリリーシュカ

私は、可愛い妻のリリーシュカの頬を指でつついてみた。


「ん、んぅー・・・?スースー」

「はぅっ!」


やばいやばいやばいやばいかわいいかわいいかわいいかわいい


「ソ・・・フィア・・・スさ、ま。・・・好ぅーき」

「!!?」


い、今、ね、寝言で私の事を好きって言ったのだ!聞き間違いじゃ無いのだ!うわぁぁ、もう私は死んでもいいっ・・・!


ブシューーーーーッ!!!


バタッ


◆◇◆◇◆◇


「ん、ソフィアス様起きたんですか?一人で騒がしいですよって!!!ぎゃぁぁぁぁぁぁ!何事ですかーーー!?えっ?死ん・・・?」


朝、私が目覚めるとソフィアス様が私の隣で大量に出血して倒れていました。脈はあるので生きています。えっ?これ、鼻血?えっ?人ってこんなにも鼻血噴けるの?大惨事じゃないですか!?


「とりあえず、ヒール!」


なんとなく言ってから「とりあえずビール」みたいだなって思いました。

ヒールはしたものの、この血の跡はどうしたもんでしょう。2日連続で血なまぐさい部屋になってしまいましたよ。


「うぅ、リリーシュカおはようなのだ・・・」

「おはようじゃないですよ!どうするんですか、これ」

「うわぁぁぁぁぁ!これ、私の鼻血なのか!?」

「え、無自覚鼻血?ソフィアス様いつか鼻血による出血多量で死にそうな気がします」

「・・・しょぼん」

「だから、私が一生ついててあげます。死なせたりしません」

「り、リリーシュカぁっ!」


ガバッ


「ちょっと!!血がついちゃうっ!ってもう遅いか」


やれやれ。旦那が鼻血の出し過ぎで死亡とかいう死因は勘弁してくださいよ〜?

今回ばかりはこの大惨事を目の当たりにしたモリーも引く始末。殺傷沙汰レベルの血痕なので、鼻血だと信じてもらうまで時間がかかりました。

この後、ソフィアス様の部屋は血塗られた部屋だという噂を耳にするまでそう時間はかかりませんでした。じゃぁ、2日連続でソフィアス様の鼻血を浴びた私は血塗られた花嫁ですか?って話で。


小鳥ちゃんと一緒にお風呂に入ってソフィアス様の血を流し、さっぱりして着替えを済ませ、朝食を摂り、冒険者ギルドにジェシーに会いに行きます。


 ギルドに行く前に、宿屋の女将さんのサリエラさんに挨拶に行きました。


「いやぁ、最初の頃に辛気臭そうな顔したアンタがいきなり入ってきて、宿代の後払いを認めろなんていうもんだから、正直なんか災いも一緒に連れてきたんじゃないかって思ってた時もあったけど、まさか、王子様の奥さんになっちまうとは、世の中わかんないもんだねぇ!!はー、立派になったもんだ!」


サリエラさん・・・それ、まだ言いますか。


「あのさ、王女も泊まった宿とか、王子と王女の想い出の宿とか、王家御用達って看板掲げてもいいかい?」

「は、はぁ・・・」

「王女も食べた食事とか、縁結びメニューとか考えなくちゃ!こりゃ忙しくなるねっ!!あははっ!」


商魂逞しいなぁ。でも、私の人生はこの宿無くしては語れません。懐かしいです。ソフィアス様が私を口説きに来ましたね。あの時は出来る王子様モードでしたよね。いつからヘタレになったんでしょうか。


「サリエラさん、本当にお世話になりました。また、遊びに来ますね」

「あぁ、こちらこそこれからの人生設計を考えるのが楽しみになったよ!ちょくちょく遊びにおいで。そんで、看板の信憑性を高めるのさ・・・ブツブツ」


最早商売の鬼と化したサリエラさんの行く末をただただ案じずにはいられませんでした。

今回もお読みくださり、ありがとうございました┏○ ペコリ

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