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光あるところに影あり

シャイニーが指輪の中に入った後眩しい光に包まれました。左手の薬指からじわぁっと温かいものが全身に向かって駆けめぐっている感覚です。

これは・・・そうだ!温泉です!温泉に浸かっている様な心地よさです。


『さぁ、行っておいで』


姿は見えませんが、シャイニーがそう言うと止まっていた時間が動き出しました。


「うわぁぁぁぁ!!オォォォーーーールッバリアァァァァァァァーーーー!!!」


カッ


一瞬光った後みんなの周りを青白い光が包み込んでいます。

そして皆がそのまま地面に落下しましたが、バリアのおかげで傷1つ無い様です。


「や・・・やった!成功しました!!」

「リリーシュカ!魔法が使える様になったのか?」

「はいっ・・・はいっ!使えました!ぐすっ!」

「良かったのだ!」


ソフィアス様が私を抱え上げ、高い高いのポーズのままぐるーっと回り出しました。


「ちょっ!やめっ!目が回るっ・・・!うぼぇっ」

「ご、ゴメンなのだ」


降ろされた私はキラキラを吐きに茂みに向かいました。

うぅ、乗り物酔いというか、ソフィアス様酔いです。


スッキリして戻って建物を改めて見ると、ほぼ建物が半壊しています。


「ちょっとぉぉ!人のお家を壊さないでくださいぃ!!」


丸見えになった奥の部屋へと続くドアから人型のモンスターが出てきました。

・・・・・・ってあれは・・・。


「「アニー!?」」


私とジェシーは声を重ねてその名を呼びました。


「あぁ、なんかぁ、外でごちゃごちゃうるさいなぁ〜って思っていたらあなた達でしたかぁ」


アニーはアニーなんですけど、何でこんな所に居るのでしょうか?それに、最後に見た時と大分真逆の風貌です。

真っ白かった羽根は漆黒の翼に変わっています。それに来ている服も黒いワンピースになっています。


「あの、アニー?アニーがヴェルツィアを襲ったのですか?」

「そうですけどぉ?それがどうかしましたかぁ?」


アニーは金髪の髪の毛をクルクルといじりながら適当な感じで返事をしました。


「アニー、何で・・・天使がこんな事を?」

「天使・・・ねぇ。この姿のどこをどう見たら天使に見えますぅ?私ねぇ、天界を解雇されたんですぅ。堕天ですよ。だ・て・ん」

「え・・・?解雇?堕天?」

「は〜っ。ぶっちゃけあの時あなた達がクレーム入れに来なければバレなかったと思うんですよねぇ〜。私がこうなった責任はぁ、あなた達にあると思うんですよねぇ〜」

「ま、間違ったのはそっちじゃないですか!」

「間違ってないですょぉ〜?あれはワザとなんでぇ。ワザとバラバラになる様にしたんですぅ〜。あんなタイミングで天力オーバーなんて起きるわけ無いじゃないですかぁ〜。天界のテクノロジーを舐めちゃダメですよぉ〜」

「なっ!?」

「どういう事よ、それ?」


最初のバラバラ転生はアニーの仕業だったんですか?


「何の為にですか?」

「私〜、ゼウス様がひときわ大切にしているこのグリーンアースを壊したくてぇ〜。あなた達の魂と器のシャッフルでプログラムがバグればいいな〜って軽い感じだったんですけどねぇ。まさか自分がこんな事になっちゃうなんてぇ。本当についてないですよ〜」

「・・・プログラム?」

「おっと。これは喋っちゃマズイやつでしたぁ〜。まぁ、とにかく私が天界に戻れないなら、こんな世界なんて壊れて無くなっちゃえばいいんですよって事でぇ〜私は魔王様の所に帰ります〜。あ、安心してください。もうこの街には戻って来ませんので〜」

「ちよっと待ってください!!」

「あー、キリエさん・・・今はリリーシュカさんでしたっけ?あなたが光の力を使えば、闇だって生まれるんですよぉ。闇からは光は生まれませんけど、光からは闇が生まれちゃうんですよ〜。あはははっ♪」


バサバサと漆黒の羽根を羽ばたかせてアニーは何処かへと行ってしまいました。2匹の蛇を残して。


私が光の力を使えば、闇が生まれる・・・?

それでも、私はこの力で大切な人を守りたい!人を守る為の力が悪い物を生み出すわけが無いです!!


「オールバリア!オールプロテイン!リヒール!とりあえず、蛇をやっつけちゃいましょう!!」


シャァァァァァァァァーーーッ!

シャァァァァァァァァーーーッ!


「ピャア!」

「あっ!小鳥ちゃん!?」


小鳥ちゃんが蛇の前に立ちはだかり、蛇に向かって行きました。


「小鳥ちゃん!ダメっ!戻って来てください!」


蛇が小鳥ちゃんに向かって口を開けて襲い掛かってきた瞬間、小鳥ちゃんがクチバシで蛇の目をつつきました。


シャァァァァァァァァーーーッシャァァァァァァァァーーーッ


蛇は片目を失ってもう片方に体当りをし、巻き添えにする形で2匹とも地面へと崩れ落ちました。


「いっ、今ですジェシー、ソフィアス様っ、ファレル様も行けますか?小鳥ちゃんは・・・小鳥ちゃん!?」


小鳥ちゃんが蛇の肉をついばんでいます。まさか、これ、餌に見えてるんですか!?


「あの、トドメをさしたら小鳥ちゃんにあげてください・・・。さっきのは蛇は消し炭になっちゃったんで・・・うぷっ」


指輪がほんのり光り、シャイニーの声が聞こえてきました。


『リリーシュカ、ホーリーシャイニングレインが、使える様になったよ』


えっ?長っ!でもいい感じに厨二病臭いです!

私基本詠唱レスで魔法使えますが、ここは敢えて雰囲気を出してみましょうか・・・。


「コホン。光の精霊シャイニーよ!私に力を授けよ!!・・・聖なる光は光の雨となりこの母なる大地に広がる悪しき穢れに降り注ぎ、今、光の子リリーシュカが浄化する!!」


何か詰め込みすぎた様な気がしなくも無いですが、私は得意げに両手を上にあげて構えました。そう、元気の玉でも出しそうなポーズです。


「シャイニングホーリーレインッ」


ふっ・・・。決まりました。



私の両手から解き放たれた光は森どころかヴェルツィア全体をも包む広範囲に渡る光の雨となって大地へと降り注ぎました。

今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)

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