事後報告
ヴェルツィアについた私達は、まず城までの道の瓦礫やガラクタ等が取り除かれて、地面がならされて馬車が通れる様になっていたのに驚きました。
「道が綺麗になっていますね」
「本当なのだ!もしかしたら父上が援軍を送ったのかもしれないのだ」
「抜け目ない所ありますもんね」
私はいいとして、ソフィアス様の体力を少しでも節約出来るなら有り難いです。
「あ、お城が見えてきました!・・・特に異常は無さそうですね!」
「早くジェシーと合流して、神殿に向かうのだ」
あれからジェシーは門や門扉等を作ったらしく、私達が壊した所は、元々の物よりも頑丈そうで、装飾も大分立派な物になっていました。いい仕事をしていますね。
場内に入り、地下室へと急ぎました。
そして、ジェシー、ロバートと簡易お城の客室で落ち合い、私達がアネッサ様に会って、謎を解くにはヴェルツィアの森にある、神殿に行かなくてはならない事を伝えました。
「神殿ね・・・。場所はわかるの?」
「はい。アネッサ様に教わりました。何でもヴェルツィアでも存在を忘れられているほど古い廃神殿らしいです」
「なら、話は早いわね!廃神殿ってのが気になるけど。早くそこに行きましょう!」
「あ、これ、ジェシーも持っておいてください。ポーションと各種薬とサポートアイテムです。・・・アイテムで補えてしまうんですよね。私の役目なんて」
「あら、そんな事無いわよ。アイテムとは友達になれないじゃない」
「ジェシー」
「つ・ま・り。友達であるアンタの代わりになるものなんて無いのよ」
「ジェシーぃぃ。ゔぅ・・・。ありがとうございます」
「泣いてる場合じゃないでしょ。ほら、鼻も拭いて」
「チーン!ふがっ。急ぎましょう」
「ちょっと待った!俺も行く」
そう言って、現れたのはファレル様でした。・・・驚く事に元のふくよかな体型に戻られてました。
「ぇえー・・・?」
「こっちの坊やね、なんか勢い良く食事を始めたと思ったらみるみる内に大きくなっちゃってビックリしたわよ!」
ぼぶよんぼぶよんという効果音がなりそうな感じで近付いてきたファレル様。
「ふ、ファレル様、危険かもしれないので無理しないほうが良いですよ・・・」
「大丈夫だ。神殿に着き次第諜者スキルを使うからすぐに痩せる」
「え?そのスキルってそんなに体型変わるほどの副作用があるんですか!?」
うわー!じゃ、じゃあ、痩せたらどこかでお仕事してきたって事ですよね。ってか、体の負担が凄そうです。
「仕方が無いだろう。体力を凄く使うのだからな。これ位太っていないと倒れてしまうんだから」
「そうなんですね。大変そうです。あ、私食料を沢山持ってきましたので安心してくださいね!」
「あ、あぁ・・・。・・・・・・?」
ファレル様がこちらを見て何やら不思議そうな顔をしています。
「じゃぁ、ファレル様にもパーティー申請出しておきますね」
「わかった。・・・ってお前!!何故グリューンヴェルデを名乗っている!?」
「あ、言い忘れました。私達、昨日結婚しました☆」
私はソフィアス様の左腕に両腕を絡ませて言いました。
これにはジェシーもロバートもファレル様もかなり驚いた様子で目を見開いています。
「「「えぇえぇぇえぇぇえ!!?」」」
客室に悲鳴がこだましました。
「そ、そうか!お前何か違和感があると思ったら、兄上と籍を入れたせいか!王族のオーラを纏いやがったな!」
「ファレル様もオーラが見えるんですか?」
「俺はニーヴェン程は見えない。微かに感じるだけだ」
オーラって何なのでしょうね?私は、私です。
「ちょ、ちょ、ちょっと!リリーシュカ!!アンタ何でいきなりそんな事になってんの!?」
「そうっスよ!アニキ!」
「えっ・・・と。なりゆきから転じまして、勢いに乗ってプロポーズしました!」
「照れるのだ///本当にリリーシュカは私の正真正銘の奥さんなのだ///」
「あ、結婚式は落ち着いたらやりますんで、参加してくださいね」
「そんな大事な事言うの忘れてたとか!しかもなりゆきで結婚って・・・。アンタの人生何がなんだかよね」
「あはは、でも私が自分で選んだ道です。後悔はありません。さ、この国の為にも早く神殿に行きましょう。あ、ファレル様。これからは『女』とか『お前』じゃなくてちゃんと『義姉上』って呼んでくださいね?フフン」
「ぐっ・・・貴様っ!調子に乗りやがって!」
「ファレル!!リリーシュカにそんな口調で喋るのは許さないぞ!」
「あっ、兄上ぇ!?・・・クソ。うぎぎ」
ふふふ。悔しがってる悔しがってる!もうね、所見から女をっていうか私を見下した態度にムカついてたんですよね。
見下してた女が尊敬する兄上の嫁って今どんな気持ち?って聞くまでも無く。
物凄い形相で私を睨んでいますからね。余程嫌なんでしょう。
私、ファレル様に嫌われるような事した事なんて無かったんですけど・・・。謎です。
そんなこんなでドタバタ結婚事後報告も済ませましたので森へと向かいます。
パーティー四人と二匹(ロバートと小鳥ちゃん)の内3人が親族とかウケますよね。
昨日は諸事情で投稿出来ませんでした。申し訳ございませんでした。
そして、今回もお読みくださり、ありがとうございました。