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リリーシュカ、スランプになる

ふぃー。姫様の鼻血も止まりましたし、そろそろジェシーの様子を見に行ってみましょうかね。


「小鳥ちゃん、起きてください。お外行きますよ~」

「ピスピス・・・」

「小鳥ちゃーん」


ゆさゆさと小鳥ちゃんを起こしますがなかなか起きません。


「あー、もう起きないんだったら置いて行っちゃいますからねー!」

「ピャッ!?ピャピャーーーーーーーー!!!」


バサバサバサバサ ・・・のしっ!!


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!重っ!!タップタップ!!重い!重いです!すいません、置いてくなんてナマ言ってすいません!!だから降りてください!!!」

「・・・ピャァ・・・」


あー・・・。まさかダッシュでのしかかってくるとは思っても見ませんでしたよ。小鳥ちゃんを不必要に寂しがらせるのはやめようと、固く心に誓いました。・・・ん?小鳥ちゃんにも私のオートバリアが効かなかったな・・・?いや、小鳥ちゃんが吹っ飛ばされたら困るんですけど、姫様の時も効かなかったし・・・。姫様の時はめっちゃ速いスピードでこられたから速さに対応しきれなかったと思っていたんですけど、小鳥ちゃんの今のダッシュは姫様ほどの速さでは無かったですし・・・。私に向けられた悪意の有無とかも考えられますかね?だって不意をつかれてソフィアス様に抱きしめられたりしましたもんね。キッ、キスまでされたし・・・。あんれぇーーーーー?考えれば考えるほど自分というものが何なのか、また自分の能力がどれほどのものなのかが分かんなくなってきました。


どっかに精神とか鍛えられる、時の流れが特殊な部屋みたいなの無いですかね。そんな所で揉まれないとダメな気がしてきました。



「ジェシー!捗ってますか?」


小鳥ちゃんを連れてお城の入り口まで来ました。


「あら、リリーシュカ!見て見て!この扉アタシがデザインしたのよ!」


ジェシーデザインのお城の扉は左右対称で、ユリの紋章の細かな装飾が施されたものになっていました。


「なんか、ユリの紋章じゃ私のお城みたいじゃないですか?ははは」

「あ、王様と姫様が是非ユリの紋章でって要望があったのよ。多分リリーを意識してるわよね」

「まじか!!ってか、この装飾、鉄じゃないですか?」

「そんなの、アタシの手にかかれば針金みたいなものよ」

「すげぇ!全部ハンドメイド!?凄いですよ!ジェシー、この道でも食べていけますね」


ジェシーに意外な才能がありました。サラマッティで武器屋を営んでいるお兄さんとタッグを組めば最強じゃないですか!

今度、私も装飾ナイフをオーダーしようかな。


「さー!後は鉄の門扉を作るわよ!!」


最早職人です。気迫が違います。

ジェシーの技に見惚れていた時でした。ジェシーの手伝いをしていた職人さんの手が滑って、持っていたスパナが私目掛けて飛んできました。


「ひぇえ!?」


シュピッッッ ダラーッ


「きゃぁぁぁ!リリー!大丈夫!?オデコ掠ったみたいね!血が出てるわよっ」

「・・・・・・・・・え?」


バッターーーン!


「ピャァァァァァァァァッ」

「リリー!?ちょっと!?」

「すんませんっ!すんません!!」


その後の事は全く覚えていません。



「リリーシュカ!?リリーシュカァァァ!!」

「ちょっ!オデコ掠っただけだってば。ショックで気を失ってるだけよ」

「うわぁぁぁぁあ!!リリーシュカが死んじゃうのだっ!」

「これっぽっちの怪我なんかで死なないってば」

「リリーシュカが死んだら私も死ぬのだ!!」

「ピャァァァァ!!」

「ん・・・うるさ・・・」

「リリーシュカ!!」

「・・・あれ?ここはどこです?」


私気絶してたんですね。いや、待って!私やっぱりおかしいです。


「オートバリアが、発動しなかったです。ヒール!」


ヒールを唱えても、ポゥッと光ったと思ったら消えてしまいます。


「ヒール!ヒール!ヒール!!ヒーッル・・・」


駄目です。何度唱えても発動しません。


「リリー・・・」

「リリーシュカ・・・」

「はは・・・。魔法が使えないです。力も無けりゃ、魔法も使えない・・・。最早おいどんは、なんの役にも立たないでごわす・・・。」

「リリーシュカ!しっかりするのだ!」


私はふらふらになりながらもステータスを確認しました。

ステに変わりは無いけど、状態の所に鍵のマークがついてます。わー、何これ〜!遂に私心に鍵をかけてしまったのかしら・・・?


「あ、あ、あの、私のステの状態の所に鍵マークついてんですけど。ど、ど、どうしたら私の心の鍵は開きますか?」

「あっ、本当なのだ!初めて見るマークなのだ」

「私も初めて見るわね」

「あ、そ、そうでした。姫様から魔導書を頂いたんでした。何か載ってませんかね・・・」


私は急いで魔導書を開きましたが、それっぽい事は書いておらず。

わぁぁ、本当困りました。これが消えない限り、私は魔法が使えない様な気がします。

私は魔導書の著者に目が止まりました。


アネッサ・グリューンヴェルデ


グリューンヴェルデ?ってあのグリューンヴェルデでしょうか?


「ソフィアス様、アネッサさんてお知り合いにいらっしゃいますか?」

「お知り合いも何も、アネッサは私の母なのだ」


あのグリューンヴェルデでした!!ってか、ソフィアス様のお母様!!天界で働いてるという?


「そ、そ、ソフィアス様!お母様に会いたいのですが、この城の外にある回復ポイントから会えますでしょうか?」

「母上は人事部では無いから基本的には回復ポイントで呼び出し出来ないのだ。それに現在のヴェルツィアは通信に不具合が出てるからそもそも天界に繋がらないかもしれないのだ」

「そんな・・・」

「リリーシュカ・・・。そうだ!グリューンヴェルデ城に戻って父上に相談してみたらいいのだ」


うぇぇ!まさか、あのおっさんに相談しなくてはならない事態になるとは・・・。

でも、魔法使えないとなると、死活問題なんでね。なりふり構ってられません!


こんな状態のリディロン城を放っておけない為、ジェシーとロバートにはここに残ってもらうことにしました。ファレル王子も居ますし、多分大丈夫でしょう。

私とソフィアス様と小鳥ちゃんでグリューンヴェルデ城に向かいます!

29日中の掲載に間に合いませんでした!すみませんでした!本日もう一話掲載します。

今回もここまでお読みくださいましてありがとうございました┏○ ペコリ

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